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怪しい催眠療法家の見分け方
料金体系・方法論・悪質な宣伝方法の3つにわけて注意すべき目安をまとめてみました。信頼できる催眠家の見つけ方とあわせてご覧ください。
料金体系について
やたら高額(1回2万円以上など)
首都圏では催眠療法は1セッション1万円以下のようです。1セッション2万円ともなると非常識です。「1日で治せる独自のプログラムです」のような言葉で一度に大金を要求するところも怪しいでしょう。第一印象で「合わない」と感じても後の祭りです。
何回分かの料金をまとめて払わせる
前払いで何回分かの料金をまとめて要求する場合、途中で「ここは合わないな」と感じてもお金は戻ってきません。回数券を購入させるところは要注意です。1回目の面接でクライエントに逃げられてしまうような無能な催眠療法家はたいていこのシステムを採用しています。ちなみに、あらかじめ回数を設定する心理療法もありますが、回数券を購入させてまとめて料金を徴収することは通常ありません。
「効果がなければ返金します」と書いている
一見すると良心的ですが、もし重大な事故が起きても「返金するから誰にも言うな」と口封じの種にされます。責任逃れの常套手段です。
方法論について
「催眠にかかりにくい方は引き受けられません」と言っている
これはカウンセリングや心理療法のプロではなくて、ただの催眠術のプロです。催眠に入るかどうかで受け入れを決めるのはおかしな話。おそらく「催眠に入ればなんとかなる」とでも考えているのでしょう。誤解されやすいのですが、催眠に入るかどうかは重要ではありません(もしも催眠に入ればなんとかなるのであれば世界の心理療法は催眠療法全盛のはず)。
「被験性(被暗示性)に影響されない方法」というような宣伝
一見すると素晴らしいですが、結局は催眠を売りにしているという点で催眠術師と同じです。
禁煙・ダイエット催眠の宣伝
このページを参照してください。絶対に成功しないということはありませんが、それほど高い効果が望めるわけではありません。
「原因を突き止めて根本から解決します」「退行催眠で原因を突き止めます」という宣伝
これも怪しい催眠療法家がよく使う言葉です。たしかに原因を見つければ問題は解決するように思えるけれど、その考えはフロイト時代の「力と衝撃」による因果論で、機械の故障や一部の身体的疾患にはその考えが適合しても、心理的問題はそれでは説明しきれません。実際には、ニワトリと卵の関係のように心理的問題の原因と結果はループしていることが多いのです。したがって、いくら原因探しをがんばっても意味のないことがあります。たとえ原因を同定したとしても、それは症状の理解には役立っても解決にはつながらないことが多いでしょう。本や体験談では、原因を特定してカタルシスを得て全快、という感動的な展開が見られますが、そのような事例は実際にはあまりなく、そんな鮮やかな治療を夢見ているとがっかりするかもしれません。
遠方からのクライエントを呼び込む
「一日で治す」などの言葉を使って遠方からもクライエントを呼び寄せようとするセラピストは怪しいと言えるでしょう。
「今までに催眠誘導が成功しなかった人はいませんに類する言葉(催眠の上手さを宣伝)
「私は決して怪しい者ではありません」と言う人はたいてい怪しいのですが、それと同じです。「催眠」という言葉の定義の仕方によっては、目を閉じただけでも催眠に入ったと解釈することができる(例えば、アルファ波を指標にすれば、目を閉じただけで催眠状態と同程度のアルファ波が現れます)ので、定義の仕方いかんで「必ず催眠誘導が成功する」と言えます。したがってこの宣伝は無意味です。それ以前に、100%とか確実とかいうニュアンスを匂わせる宣伝はいかがなものかと思います。科学的データもなしに確率や可能性を断定的に語るのは怪しすぎます。
「電話による催眠療法」「遠隔療法します」「テープ販売します」など
電話相談ならともかく、重い症状までも対面せずに改善すると宣伝している人については少し詳しく調べたほうが良いでしょう。テープやビデオの販売を行っているところもありますが、自律訓練法以上の効果を期待させるような宣伝はとっても怪しいです。
「霊」「インナーチャイルド」「波動」「エネルギー」「前世」などの精神世界(スピリチュアル)用語を多用している
このような世界によほどの思い入れがない限りは避けたほうが無難です。彼らのほとんどは臨床心理士1年目のカウンセラー程度の知識や技術にも劣ります。通常は心理学(科学)から催眠に足を踏み入れるのですが、精神世界やオカルトから催眠に足を踏み入れた場合、自己流の医学・心理学で済ましてしまう傾向があります。これは欧米でも問題にされています。民間催眠術師について(英文)
悪質なセミナー由来の宣伝方法
体験談がある
体験談は読者と同じ視点に立って書かれているのでついつい信用してしまいがちです。しかし体験談などはいくらでも都合よくねつ造できますし、自分に都合の悪い体験談は載せないことだってできます。あまり信用しないほうが良いでしょう。
エビデンス(科学的根拠)や論文の結果、医師や研究者をたいした根拠もなく批判する
「精神科に行くと薬漬けにされる」「薬物療法は対症療法にしかならない」「研究者は頭でっかちのバカだ」「論文なんてデタラメばかりだ」「学者は能書き垂れるだけで技術がない」といった批判を信憑性のある文献も挙げずに行うパターンがこれに該当します。このような行為の目的は主に2つです。一つは、研究者や医師といった専門家を批判することによって、自分はそれ以上の能力を持っているのだと暗に表現すること。もう一つはクライエントの不安を煽ること。
セミナーを主催
催眠療法を行いつつ、実はセミナーや技術講習がメインであるという場合が少なくありません。催眠の限界なども含めた真面目なセミナーであれば別ですが、やたらに受講者の期待を煽っていたり「楽しさ」のような娯楽性を追及したセミナー・スクール・講習・養成講座を主催する団体は、たいてい利益優先の団体です。
恐怖や不安をやたらに煽る
怪しげな資格をもっている、あるいは発行・認定している
言うまでもありませんよね。
その他
経歴が怪しい、または明らかでない催眠療法家、その他の派手な宣伝
学歴・職歴が不明であったり普通ではない(やたら転職しているなど)のに、宣伝だけは一人前であるところは怪しいと言えるでしょう。そもそも、インターネットやテレビを使って宣伝すること自体が怪しい。きちんと訓練されたまともな催眠療法家は宣伝活動自体あまり行いません。なぜなら、宣伝などしなくてもクライエントがやってくるからです。また、派手な宣伝は倫理的に禁止されているので、常識的な催眠療法家は過大な期待を抱かせたりする宣伝は決してしません。アメリカでは、カウンセラーの顔写真を載せることさえ禁止している州があります。
催眠療法はすべてダメだというわけではありません。「催眠療法家」ではなく「催眠も使える心理療法家」という見方で探してみてください。催眠を強調していたり催眠のスクールを開いたりしているのはただの催眠術師です(下記リンク先の職業倫理とも関連)。
最近では催眠術師の怪しさに気づき始めた消費者も増えてきたので、催眠術師も方向転換をして、催眠を強調せずに自己啓発や成功哲学を匂わせる宣伝も増えています。宣伝方法が変わっただけで、中身は変わっていません。要注意です。
補足ページ:カウンセラーの職業倫理について
http://www.u-gakugei.ac.jp/~nmatsuo/hashi-kadai.htm