あらすじ
戦乱によって滅亡間近な小国アークラント。
救国の策はすでに尽き、老王は最後の希望を求め、禁断の地へ赴く事を決意する。
それを彼方から見守る石人(いしびと)がいた。
一人は、遥か昔に滅亡したある石人の国の王族の末裔。
一人は、石人でありながら人間の世界に属する魔術士。
小国アークラントの運命と石人の古い歴史が交わり、ひとつの物語が始まる。
登場人物
- キゲイ(人間の主人公)
- 地読み士の少年。石人世界に迷い込み、様々な石人達に会う。
- ブレイヤール(石人の主人公)
- 滅亡した白城の王族の末裔。廃墟となった城に家来と暮らしている。
- レイゼルト(石人)
- 魔法使いの少年。石人だが、アークラントの味方をしている。
- ディクレス(人間)
- 滅亡間近のアークラント前国王。国を救うため、石人の持つ宝を狙っている。
- トゥリーバ(人間)
- アークラントのお抱え予言者。石人世界にアークラント救済の未来があると予言した。
- アース(人間)
- アークラント現国王。年の離れた妹がいる。
- ザーサ(人間)
- アークラントの王宮魔術師。
- ラダム(人間)
- アークラントの老将軍。ディクレスと幾多もの戦場を共にした。
- リュウガ(人間)
- アークラントの将軍。地読み士の出。
- トエトリア(石人)
- 黄緑の国の王女。キゲイが石人世界に迷い込むきっかけを作った張本人。
- グルザリオ(石人)
- ブレイヤールの目付け役。人の世話を焼くのが上手。
- ルガデルロ(石人)
- ブレイヤールの教育役。大臣の末裔なので、皆から大臣と呼ばれている。
- アニュディ(石人)
- 黄緑の国の住人。全盲の調香士。レイゼルトにこき使われる。
- シェド(石人)
- 黄緑の国の王衛。トエトリアの遠縁の血筋を持つ。元神殿騎士。
- 大巫女(石人)
- 石人世界の中心的人物。星の神殿の奥に暮らしている。
- クラムアネス(石人)
- 黄金色の国の自称王。大柄で野蛮な女性。
- ニッガナーム(石人)
- 黄金色の国の商人。全身に入れ墨をしている。
- エラン(人間)
- 大空白平原の奴隷商人。金のためなら何でもする。
地名
- アークラント王国
- 人間世界の端っこにある小さな国。英雄王の再来と呼ばれる王が守り抜いてきた。大地の女神を信奉する。
- ハイディーン王国
- アークラントの北西に位置する騎士の国。神々の長である雷神を崇めている。
- エカ帝国
- アークラントの北東に位置。あらゆる国や民族を飲み込みながら肥大化している。
- 大空白平原
- 人間世界と石人世界の緩衝地域。地面は平らだが、泥炭火災と沼地だらけで通行できる場所は限られる。人間世界のはみ出し者たちが集まり、交易路ができている。
- タバッサ
- 大空白平原の町。白城が近いため、遺跡荒らし達の拠点にもなっている。
- 境の森
- タバッサの南にあり、石人世界の境界である石柱群がある。
- 白城
- 石人十二国の一つ。七百年前に滅びた。タバッサから遺跡荒らしがよくやってくる。
- 黄緑の城
- 石人十二国の一つ。規模は大きくないが、そこそこ賑わっている。白城の保存と維持に実質的力を持っている。
- 星の神殿
- 石人世界の真ん中にある。近くには古都があり、石人世界最初の町でもある。
- 黄の城
- 石人十二国の一つ。石人世界の南端に位置する。
- 紫の城
- 石人十二国の一つ。七百年前、レイゼルトによって滅ぼされた。
- 赤の城
- 石人十二国の一つ。レイゼルトの出身地でもある。
- 黄金色の国
- はぐれ者の石人達が集まって作った国。どこにあるかは秘密。