日記絵
「一口、寄越せ」
え?と疑問を言う間もなく、彼はボクの持っていた
この夏の空と同じ色の氷菓に噛り付いた。
「…な、ななな…!?」
「…んだよ、ケチくせえな。たかだか一齧りだろ?」
その一齧りが問題なんだと言う事を、彼は分かっていない。
だって…、彼が齧る前にそれは既にボクの口に運ばれていたから。
つまりは、そう。
間接ナントカってヤツなんだよ!?
「何だよ、食わねえのか?溶けるぜ」
そんなボクの心情を知ってか知らずか、彼はとんでもない事を口にする。
こ、こんな事を意識しているのなんてきっとボクだけなんだ…!
意を決して、ボクは彼の齧った場所をシャクリと齧った。
ソーダの、甘くてやや酸味のある爽やかな味が口の中に広がる。
それを見て、彼は唇の端を上げて一言ボクに向かってこう言った。
「間接、キスだな」
やっぱり彼は意地悪だ。
蛍と宮。
蛍と一歩。
りはびりそのいち。
りはびりそのに。
「…どこ見てるんですかっ!?」
と、いぽに怒られたい。
糖度100%で。