『愛と祈りで子どもは育つ』 渡辺和子 PHP

 帯に、「今度こそよい親になろう‥」といつも思っているあなたに、とあり、子育てのハウ・ツー本?と思い手に取ったのですが、子どもに愛を伝えるためにはまず親自身が神さまによって愛されている存在であり、かけがいのない一人であると気づくことの大切さを説いている、子育ての中で親自身が成長していくことの大切さを書いている本でした。

 著者は、カトリックの修道院を経て、ノートルダム清心女子大学教授、学長を勤めた方です。現代の困難な状況の中で、子供たちが豊かに育っていくためには、子どもを育てていく母親となる女性が心豊かになったいけるようにとの願いをこめて、学生たちに接しているのだなということが伝わってくる本でした。

 私自身、末の子供が高校生となり、今からではもう手遅れでは?との思いはありましたが、この本を読んで、まだこれから出来ることがあると、励まされました。

 中でも印象的だったのは、仏教の教えの中にある「無財の七施」を引用して人に与えていく生活の大切さを語っているところです。神さま、仏様に共通する人の生き方の手本として、参考になります。私自身こんな風に実行していきたいと思いました。

 人の生き方を考えさせられる詩文の引用もいくつもあり、楽しく読みました。