◆物づくりの大切さ
久しぶりに大沼郡三島町を訪れてみた。前回は確か研修旅行? という名のもとに友人の大橋清隆くんと共に、近い将来、意図的につくられた観光地に飽きた観光客が、特に外国からの人にはきっと絶賛されるにちがいない手つかずの自然の景観やそこで暮らす人たちの正直な生活をこの目で見るためだった。その時、昭和村の『ファーマーズカフェ大芦家』と道の駅『尾瀬街道みしま宿』に入って昭和村や三島町の人たちが明るく堅実な生活をしていることを知ることが出来た。今回の目的は、一度は見学して見たいと思っていた三島町の【工人まつり】だった。ところが、どう間違えたのか直前になって実は「編み組工芸展」ということがわかった。それでも二人の出掛った勢いは止められない。好天に恵まれたのを機に船鼻峠(400号)を越えて右に折れ喰丸トンネル(401号)から更に県道32号を走り柳津町琵琶首を経由して252号に出て三島町に入った。会場はすでに何度か行ったことのある「生活工芸館」と「交流センター山びこ」である。午前10時頃の到着はすでに遅しという感がした。この一角は只見川を見下ろす高台で桐の木とナラの木がいい具合に混在していてとても居心地の良い空間の中だった。林の中で親子連れがドングリを拾っている姿があり又中央を走る路を挟んで2つの建物には大勢の見物客で賑わっていた。多くの中年女性が手には袋を下げて歩いている。その袋の中がここで作られた製品だというのは一目でわかった。工芸館には作品が展示されていて、中でもわたしが興味を引かれたのは非売品のヒロロ細工、まるで布で織られたビロードのような風合いでいかにも上品な感じがするものだった。一方路を挟んだ山びこでは入り口を入るとすぐに行列ができていた。係の人に聞くと、製品を買ってレジに並んでいるのだという。それを聞いてわたしは驚いてしまったが、人をかき分け奥へ進むと陳列台には製品がいくらもなかったのには更に驚いてしまった。並んでいる女性の手にはヒロロ細工、山ブドウ細工、マタタビ細工を2つ以上を持っている。ひよいと覗いて値札を見るとヒロロ細工のものはおおよそ30,000円以上で、合計すると50,000円以上の買い物になっている。わたしは思わず唸ってしまった。家庭で財布を握っているのは大概が女性。男には到底できない買い物である。まさに女性の歩くところお金が動くである。同時に、三島町女性の厳しい冬を乗り切り明るく元気に過ごす力はこんなところにあったのかとわたしは思った。地方で生き残る道はこれだとも思った。帰りに寄った山びこ前の『どんぐり』という店の入口の壁にテレサテンが来町した時の写真が貼ってあった。これも又三島町の隠れた財産である。この行事は明日もある。(10月15日)
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