言われてるほど、ムチャでもない。


 永仁の徳政令(えいにんのとくせいれい)。
  ↑ 、日本史上でトップクラスに有名な法律でしょーな。教科書にも載ってるし。
 永仁5年(1297)3月発布。
 世間的には、鎌倉幕府第9代執権北条貞時は、この法律を発布したことだけで知られております。
 よーするに、御家人の売った土地は、無償で元所有者である御家人に返還させるということでして、悪法と言われる由縁です。
 たしかに、まあ、メチャクチャな法律ではあります。
 そら、そーですわ。
 買ったモンを、払った金も戻らずに、売り手に返せ! つーンすから。
 でもですね。
 今思うほどメチャクチャではないのですよ。実は。
 今、買った土地を、金も戻らずに売ったヤツに返せ! てことになったら、こりゃ、サギですわ。
 でも、これは、土地がサラ地の場合の話です。サラ地だと、その土地は全然お金を生まないからであります。
 昔の土地(所領 しょりょう)は、田ンぼですから、毎年、お米が取れるのでして、つまり、年貢が入るわけっす。
 だから、買った土地は、何年かすりゃ、元手はペイする(帳消しになる)ので、後は儲かるだけなのであります。
 ですんで、徳政令が出て、買った土地を返さにゃならなくなっても、買い手が丸損ということはないのでありますよ。当たり前のことですが。

(細川重男)
(2013/04/24、本会石神井公園研究センターHPに掲載。2014/02/09転載)






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