■ガラスの加工法


このページでは、「バス用窓枠インレタシリーズ」を使用するために必要な、透明プラガラスのモールドの除去方法について解説していきます。

もちろん透明プラの加工は、鉄道をはじめとしたプラモデル全般に共通したテクニックですから、各種模型の製作のご参考になれば幸いです。

まず、市販のMP218/618ボディを分解します。
最初はガラスの凹凸を彫刻刀などで丁寧に削ります。
削りすぎたり、刃を入れすぎてガラスを白化させると修復できなくなるので慎重に作業します。若干削り残しがあるかないかくらいの状態までは削ると効率的でしょう。
次に大きな鉄やすりで、削り残した部分を中心に大まかに削ります。MP218/618の場合、車体断面にあわせてガラス断面も傾斜しているので、この角度に影響を与えないように留意します。
次に行う紙やすりでもそうですが、一気にガリガリ削ろうとするとたいてい失敗します。
のんびりラジオでも聞きながら、力を加えず作業します。
紙やすりで、400番→600番→1000番→1200番→2000番くらいまで、順順に番数を大きくして、表面を平滑に整えていきます。
この作業には、下の画像のような冶具をワリバシで製作すると良いでしょう。指先でこするより、やする面に均等な力が加わります。
目視や、爪でなぞってみて見える傷がなくなったら、タミヤなどのコンパウンドを綿棒の先などにつけて、ひたすら磨きます。ガラスの透明度は、この作業をいかに時間をかけて行ったかにかかります。表面の光沢が戻るまで、頑張って磨きましょう。テレビでも見ながら気長に作業して下さい。
実際にOKかなと思っても、案外中央ばかり磨いてしまい、隅になる部分が磨き残しやすいものです。研磨する面の真ん中ばかりでなく、隅々まで丁寧に磨いてあげましょう。
左の画像は、上は磨き終わったあと、下が磨く前のやすりがけだけの状態です。OKならば、ゴシゴシとテッシュで残ったコンパウンドをふき取り、ぬるま湯に漬けて指の腹で磨いて完全にコンパウンドを落とします。
ここまでできて、一旦そのまま組み立てて、印象を見ます。自分で納得できないようなら,もう一度コンパウンドで磨く作業に戻ります。
画像のように、車両の向こうが見えるくらいであれば理想的でしょう。
OKなら、インレタを転写します。どうしても一発勝負でやり直しができませんので、転写する前の位置あわせは、特に慎重に作業して下さい。転写しようとしてガラス面にインレタのシートを重ねてみるとわかると思いますが、下に置かれるガラスが透明であるために、、インレタに隠れてしまい位置あわせができなくなります。そこでガラスのフチに細くマジックでフチドリしてしまえば、インレタはそれを目印に重ねるだけとなります。またインレタそのものは必要な部分だけを切り出して、セロテープなどで部品を巻いて、位置を固定します。
丁寧に爪楊枝の先などでこすって転写します。
他の部分の加工や塗装などを終え、組み立てて完成です。もしガラス面に触れる機会が多い環境でしたら、インレタ転写後にクレオスのスーパークリアー光沢を、天気の良い日に薄く吹き付けてください。インレタ剥がれの予防になります。
なおトップドア車のみ、車体とガラスの改造が必要になります(上級者向け)。
車体は中扉をプラ板などで埋め込み、中扉周囲の窓柱を撤去し、トップドアの車体を自分で製作します。
ガラスは、現物合わせで塩ビ板を切り出して、車体にはめ込み、断面に木工用ボンドを水で溶かした水溶液を流し込んで固定します。
ガラスの製作の自信のない方は、裏から貼り付けるだけでも良いでしょう。とはいえ、せっかくですから一度インレタ転写前に、ガラスをぴったりの寸法に切り出せるか、試しに練習してみてはいかがでしょうか。
いずれにしても、足回りと車体の固定は反対側の側窓のみとなりますので、強度を持たせるための工夫も必要です。

2014年7月17日修正

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