ウェブ拍手用 ミニSS

【おうちにおともだちがきた】



「おじゃまします」

 お昼が過ぎて、そろそろおやつの時間。
 そう言って家の中に入ってきたのは
 メガネをかけた、とってもシブい男の人だった。

「はじめまして。キミのお兄さんの入っているテニス部の部長をやっている
 手塚国光という。以後よろしく」

「はじめまして。不二といいます」

 部長さんかぁ。それでかな。すごく大人びた雰囲気のお兄ちゃんだ。

「手塚はこう見えてもボクと同じ三年なんだ。なかよくしてね」

「不二。こう見えてもは余計だ」

 うん、よけいだ。でも、たしかにそのとおりだ。












 くにみつお兄ちゃんは家にあがってからお茶をたのんだ。
 ずいぶんノドがかわいていたみたい。

「はい、入ったよ」

 周助兄ちゃんはお盆からお茶を手渡す。

「………これは」

 少しおどろいているくにみつお兄ちゃん。
 どうしたんだろう?

「ダージリンだけど、どうかした?」

「いや……お茶というと、どうも………そうか。そうだな。
 紅茶も茶のうちに入るのか…少し勝手の違いに驚いてしまった」

「え、ああ…お茶………ってそうだよね。手塚の家では」

「さすがにうちでも、そうそう玉露はでないが」













「………あるんだ。玉露」

「なんだ。普通、ないか?」

「いや………すくなくとも、うちには、今ちょっと」

「………そうか。以後、気をつけよう」

 なにを。


 私が、ぎょくろというのがとっても高級な緑茶だと知ったのは、それからあとのことだった。





*あとがき*

手塚不二家訪問の巻。
いや、玉露くらい普通にあるか?
あるうちではあるみたいです。
一時期うちにもあったみたいですし。
ただ、手塚の家では 常 備 してそうですよね。ええ。いいんですが。


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