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【おうちにおともだちがきた・番外編】




「ごきげんよう、不二さん」

 私は急にじぶんの名前をよばれてびっくりした。
 ふりかえると、そこには。
 紫色の服をきたお兄さん。

「は、はい。はじめまして」


 ここは私の家の前。予想外の来客に私はとまどってしまう。
 しかしすごい服だなあ。………なかなかのセンス。

「僕はキミの……二番目のお兄さんの世話をしている者です。
 以後お見知り置きを。んふっ」

 あごに手をのせてお兄さんはしゃべる。

「二番目の……裕太兄ちゃんのことですか」

「そう。裕太くんですね」

「いつもおせわになっています。ありがとうございます」

 私は頭をさげる。

「いつも裕太くんからお話は聞いてますよ。
 ウワサに違わず、とてもいい子ですね」

 お兄さんはにっこりと笑う。









 私はちょっとだけあとずさった。

 この人は、なにか持ってるぞ。
 なんなのかはわからないけど………

「あの」

「はい」

「なんで紫色の服なんですか」

「………紫色は、元々高貴な色とされています。
 例えば古来、貴族は好んで紫色の服を着用していたと言います。
 ですから」













「おにーさんもコーキなんですね」

「カタカナで言わないでくださいカタカナで」

 わあ。なんでわかったんだろう。




「高貴です、こ・う・き!!


 後記でも好奇でも工期でも校旗でも鋼機でもありませんからね言っておきますが」


 すごいなあ。同音異義語も分けられるんだ。
 私はムリだよ。だって口に出したらみんな同じだもの。
 お兄さんは肩で息をして最後に気づいたようにしてきいた。







「ちなみにわかりますか。高貴の意味」

「わかりません」

「くっ………!!」

 お兄さんはとてもくやしそうにくちびるをかんだ。








「………不二周助の妹か………」




 最後にお兄さんはつぶやいて去っていった。








 あ、名前きくの忘れた。








*あとがき*

最初書いたらシリアスになってしまったのであわてて書き直した
番外編・観月はじめでした。
あっぶっないなぁ。気がつけばシリアスですからね。もう後ろに刃ですよ。
気をつけたいです。


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