なにかに頼らなくちゃ信じられないような
 そんな間柄?

*45点*




「内村はこういうの気にしたりするほうなの」

 夏休みも終わりに近い日。
 夕方の内村の部屋。
 日もおちて涼しい空気。
 短パンにタンクトップであぐらをかいた内村。

 は内村京介の背後から記事を読んだ。
 ほとんど余分な脂肪が付いていないように見える細い脚の間。
 その雑誌はちょうど相性チェックの頁で開かれている。
 内村は単にひまつぶしで見ているだけらしい。
 が音読する。


「 『恋人とのラブラブチェック』 」
「ラブラブとはまた古い」
「ラヴラヴ?」
「下唇を噛んでもだめだ」
「どれだけ気が合うかってこと?」
「そうなんじゃないのか」
「そんなの数値でわかるものなのかね」
「さあなあ」


 生返事を返して内村は日に焼けた足をくみかえた。
 猫背ぎみの内村のよこにが体育座りでおちつく。
 すこしうつむいた。


「私と内村は? ここと、ここを合わせるんだ。内村は蠍座のB型だったよね。
それで私がこうだから……えっと」

 交差したその表をがしらべようとしたとき
 内村はその白目がちの目を一ミリおおきく開いた。
 小さな風が舞う。


「指はさんだ!」
「……………スマン」


 内村がいきおいよく雑誌をとじたのだった。
 かるく赤くなった指をおさえては恨めしげに内村をにらむ。


「こんなものに頼らなくてもいいだろう」
「え?」
「相性はおれら自身がいちばんよくしってる」

 呆気にとられたに内村は言い放った。
 とても尊大に。


「満点に決まってる」


*あとがき*

実際は45点ですが。


2004.08.20 石蕗柚子




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