その華奢で小さな手はつめたい

*華奢な指*




 小学生のときに内村とふざけて手をあわせたら
 おなじくらいの大きさだったのをは覚えている。
 そのときと内村京介はだいたい同じ場所にいて
 二人にとってはそれがあたりまえで、ずっとつづくことだと思えた。

 それからゆっくり急速に時は流れて
 内村はなにかを抱え込むようになり
 はまたべつの 『成長』 を知った。
 小さなふくらみもからだにあらわれた。

 いま二人が小学生の時とおなじように手をあわせたなら
 の手のひらは前よりもふくよかになっているだろう。
 内村の手は依然として華奢なままで
 ただすこしだけ強く筋張ったかたちになっている。
 その変化は二人の考えがおいつくのを待たない。


「それでも内村がすきだよ」


 流れを止めない時になげくよりも
 不変のものをみつけよう。
 それはたぶんからだよりも身近なもの。

「そういうことにしておこう」
「なにを?」
「おれもおまえと同じ考えにしておく」

 そうして二人はまた手をあわせた。



*あとがき*

内村フィーバー、継続中。
レベッカの「フレンズ」みたいだなとおもいました。(他人事?)

2004.09.24 石蕗柚子




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