*大嫌い*




 をたとえて言うならば
 おれにはみえない場所をはしる暴走列車
 ひとりきりで闇雲にわけのわからん目的を目指してはしってる
 なにをかんがえてるか深いところまではわからんしわかるつもりもない
 べつにどうとも思わないしほうっておいている
 へんなやつにはかかわらないほうが身のためだ

 それなのにはやたらおれの見えるところにのさばって
 おれの神経を逆なでするのだ

  ――おれがを気にしているわけではない
  やつがおれのまわりにうるさくつきまとうのだ

 見当違いのことを言う おれはそんなことを思っちゃいない
 わかったような口をきくな おい聞いてるのか

  ――なぜ笑う

 くりかえし言う、おれはおまえを気にしちゃいないし
 ましてや恐れてるわけでもない
 ただうざったいだけ
 ……あ? 嫌ってるのかって?
 ああ……たぶん

 大嫌いだ おまえなんか
 泣いても 知らん


  ――どこに行くんだ ひとりにするな



*あとがき*

今回は独白型で。
うまくいったのか多少不安。
それにしても素直なのやら。

2004.09.17 石蕗柚子




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