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| 裁判所前の集会 |
裁判に先だって80名ほどの支援者の中で、集会が12時20分佐久間由美子(横浜市従労組教宣部長)さんの司会で始まりました。
◆原告代表の水野雅信さんからお礼と決意表明がありました。「名古屋で禁煙タクシーが始まったが神奈川でも1万4千台すべてが7月から禁煙タクシーになるなど、たばこの規制の動きには爆発的なものがあり、情勢は激変している。毎回情勢が動いていることをご報告していますが驚くばかりです。皆さんのご支援のおかげです。これからもいっそう頑張りたい」との話がありました。
◆森下玲子さんは引き続き夫の意思を引き継いで頑張る決意を表明されました。
◆高橋事務局長は「5月16日財務省への要請行動を十数人で行い、未成年者のたばこ喫煙を止めさせるために自動販売機の撤去を求めたが、実態を認識しているのにその気が無いことがはっきりしました。今後さらに世論を広げていく」との決意表明を行いました。
◆「禁煙ジャーナル」の渡辺文学さんはタクシー訴訟のこと、原告の安井さんが受動喫煙で喉頭がんになってしまったこと、禁煙タクシーが全国に広がっている様子が報告され、今年の国際禁煙デーに当たってWHOが「無煙環境を作ろう」と呼びかけていることを強調しました。
◆「禁煙タクシー訴訟」の安井さんからは声が枯れ話すのが苦しいが、手術せず、やれる限り頑張りたいと壮絶な決意の表明がありました。
片山弁護士は、法廷で次の趣旨を陳述されました。
◆当時の専売公社長岡総裁が「たばこというのは一体何だといえばニコチンということになるだろうと思いますけれども」と衆院大蔵委員会で発言しており、たばこの本質がニコチンであることを認識していました。
◆たばこによる被害は次の三点に、その一つは「健康被害の重大性」で肺がん・肺気腫などの疾病は死にいたる病。二つは「健康被害の広汎性」で喫煙者数が男性48.8%、女性13.8%(平成17年JT調査)で重篤な健康被害を被った人々は膨大な数となっています。三つは「現在進行性」で死亡者数が1995年で年間9万5000人、2000年度で年間11万4000人、交通事故の年間死者数の約10倍前後。今後も被害者が増大傾向にあります。
◆喫煙者の人生は非喫煙者に比べ7.2歳早死にし、寝たきり生活が5年長く、健康寿命は非喫煙者が68.7歳に対し喫煙者は56.5歳(デンマーク国立公衆衛生研究所報告)です。その国民的な損失はあまりにも大きなものです。
◆たばこの製造・販売は基本的人権の根幹である生命及び健康に対する権利を直接侵害するもので、憲法13条・25条・その他・国際人権規約の趣旨に反することは明らかです。
たばこの有害性に関して適切な情報開示・十分な説明を受けた上で喫煙する場合でない限り、国民の生命権・健康に関する権利を侵害し違憲だというべきです。
◆ニコチンは依存性薬物であり、喫煙習慣を身につけ又は生命・健康に被害を受けた者の多くが未成年時に喫煙をはじめており禁煙はきわめて困難です。喫煙者の80%以上が喫煙せずに1日を過ごすことは困難と答えています。
厚労省の実態調査では15歳以上で現在も喫煙者の26.7%が「やめたい」と考えており「本数を減らしたい」と考えるものを含めた禁煙希望者の割合は64.2%。喫煙者の大半は喫煙を自らコントロールできません。
◆被告会社は、たばこは日本専売公社法、たばこ事業法等の法律によって製造販売が認められた合法的な商品であることを強調しています。喫煙が死亡・疾病及び障害という重大な被害を引き起こし広汎で現在進行性を持つことを無視した法律です。生命に対する固有の権利、身体・精神の健康を享受する権利、幸福追求権を侵害することから憲法13条、25条、国際人権規約の自由権規約6条、社会権規約12条に違反し無効な法律というべきです。なお、たばこ規制枠組み条約にも反していることは一層明白です。
(以下、憲法その他法律等の細部にわたる陳述は省略)
◆たばこ規制枠組み条約の発効を通じてたばこパッケージの警告表示や禁煙治療の健康保険適用等の措置が取られるようになったが、まだまだ不十分です。
◆被告会社は、原告らの生命・健康を害さない義務及び説明義務のいずれにも違反しており、契約責任としての損害賠償責任を免れないことは民法の基本原則から考えれば極めて明白です。
食品や医薬品であれば食品衛生法、事業法により、その製造販売方法等に厳格な規制が設けられています。たばこの場合には高度な科学技術を駆使して様々な化学物質等を添加して製造されている工業製品にもかかわらず、それに対して何ら法的規制がされないまま製造販売されています。
◆本件たばこ病訴訟も医療訴訟・薬害訴訟の構造と何ら異なる点はなく被告会社は情報開示義務・説明義務を負っていますが、その義務が果たされていない場合は自己決定権の侵害としての慰謝料が発生します。
◆受動喫煙による死者数は年間3万人と推計され、死因は肺がんや喘息による発作死がその代表的もの。受動喫煙との関係で被告らがいうたばこが嗜好品であることを前提にした違法性判断がされるべきとの主張は成り立ちません。
受動喫煙対策は先進国に比べて非常に遅れ、職場や家庭内や飲食店等で受動喫煙被害に多数の人々が苦しんでいます。
◆基本的人権の根幹である「国民の生命・健康」を犠牲にして「たばこ産業の健全な発展」「財政収入の安定的な確保及び国民経済の健全な発展」を目的として、たばこの製造・販売を認めるたばこ事業法もまた違憲です。
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| 片山弁護士から報告 |
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| 講演中の土肥先生 |
講演の土肥健二先生は、山手60番館ドイ歯科医であり、原告水野雅信さんが歯治療で20年来お世になっている主冶医でもあります。
土肥医師がカラーの絵図・グラフを使いお話されたうちの数点を要約報告します。
◆たばこは、口の健康を良好な状態に維持することを難しくする重大な危険因子です。
1993年厚生省調査では、20歳のときには平均的に28本近くあった歯は、80歳になると4本に減っています。歯を失う二大原因は虫歯が約48%、歯周病が42%です。15―24歳では虫歯が70%、55歳以上になると歯周病が80%を占めます。
疫学調査などによると歯周病の超悪玉菌よりも軽度の喫煙が2倍近くも歯周病への「かかりやすさ指数」が高いとの発表があります。歯肉付着部崩壊、歯槽骨の吸収(喪失)はヘビースモーカーほど急速に進みます。
◆非喫煙者の死亡を1とした場合に、口腔がんは32.5倍・口腔咽頭がんは3倍です。口腔がんは舌癌、歯肉癌、口腔低や頬粘膜、口蓋の順に多く発生します。胃がん1.45倍、肝臓がん1.5倍と比べてもとても高い数値です。
◆たばこは妊婦の早産、低体重児出産の原因に。北海道の小学校での調査では、親がたばこを吸う子供の79%に歯肉に黒い着色が見られます。受動喫煙は交通事故死をはるかに上回る死亡をもたらします。
◆土肥医師はユーモアを交えて「私は患者さんとの間に『ふれあい診療ノート』を高校時代の交換ノートをヒントに作って、30年前から治療にお持ちいただいています」と「皆さんと健康で美しく幸せな人生に寄り添って進んでまいりたい」と話されました。
(応援団員 鈴木清)
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