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この日裁判所前集会には80名近い支援者が集まり12時20分から集会がありました。
弁護団の中心にいる谷先生が暴漢に襲われて、全身打撲と頭を10数針縫ったと原告から報告があり心配していましたが、裁判には出席し蟹沢証人への反対尋問をされ、裁判終了後の報告集会で尋問の内容について元気に説明していました。
裁判官交代の不当人事は許されない!
水野原告は支援への感謝を述べると共に、最高裁の不当人事(4月1日、3人の裁判官が全員交代し、東京地裁の第1次たばこ病訴訟で敗訴判決をだした水野邦夫氏が横浜裁判の裁判長に就任)について次のような挨拶をしました。
「今の最高裁、裁判官は、小泉内閣・安倍内閣のときに最高裁判事任命により政府自民党の意を受けたものがなっています。司法の独立を自ら平然と壊して司法まで私物化しているのです。今回のようなjTと政府の意向を受けたとしか思えない人事異動になってあらわれているのではないか。明らかに原告敗訴を誘導する人事と言わざるを得ない。私たちは公正裁判のために闘うと共に日本の政治も公正な、国民本位のものに変えなければなりません。」
森下原告は支援への感謝と共にこれからも頑張っていきたいと決意表明されました。
応援署名でいっそうの支援を!
高橋原告は、この2月に禁煙推進医師歯科医師連盟の学術総会が横浜で開催され、そこから「横浜たばこ裁判」への応援署名が始まり、つぎつぎと激励の手紙と共に署名が集まり始めていると報告、いっそうの支援を訴えました。
最後に禁煙ジャーナル編集長渡辺文学さんからは次のような話がありました。
「今回の最高裁のやったことはまさに暴挙であり許されない。4月14日最高裁に出向いて今回の人事を改めるように文書で申入れをしてき来たが、20分も待たせた上、秘書課の人間が外で受けとるというこれまた失礼な態度であった。
そして4月17日横浜弁護士会館で原告、応援団、日本禁煙学会作田理事長などと共に横浜の司法記者クラブの記者会見を行いましたが、参加したのは読売、産経、神奈川、赤旗でしたが、記者から忌避するかどうかなど質問もあったのですが赤旗以外記事にはなりませんでした。禁煙ジャーナル200号になりましたが、これを機にこれからも各方面に働きかけていきたいと思います。」
毎回参加している畑野君枝さん(共産党南関東ブロック比例候補)も紹介されました。
【 裁 判 傍 聴 記 】
裁判は、1時30分から行われましたが、JT側から20数名と裁判の勉強のためという学生さんも数名などあり、傍聴希望は108名あり、記者席を除く80数名の傍聴券は抽選となりました。
裁判は、被告国・JT側の証人、蟹澤成好氏(横浜市立大学名誉教授)の証人尋問です。
東京たばこ訴訟とは別の裁判なので裁判官の忌避はしない
1、 4月の裁判所の人事異動が大変不安になりました。裁判官3人がすべて入れ替わり、しかも東京裁判で原告敗訴を下した裁判官としたことです。誰でもが納得のいく人事異動ではなく、まさに、権力による支配の道具として、私たちの裁判に使われたことです。忌避や回避はされなかったものの、最初から激しいやり取りになるのだろうか、それともたんたんと進むのだろうかと裁判の日まで気になるところでした。 2、 裁判の冒頭で弁護団は「東京たばこ訴訟で、一審の原告敗訴判決の際、右陪席であった水野邦夫裁判長、最高裁で上告の棄却を取りまとめた最高裁調査官であった右陪席宮坂昌利裁判官については忌避が取りざたされています。しかし忌避はしません。私たちは東京裁判とは別の独立した裁判として取り組んでいますし、裁判長、右陪席も、除斥や回避の手続きをされなかったので、当然独立した裁判と考えていると受け止めます。この裁判が公正に進められることを期待いたします。」と態度表明しました。理路整然として気品さえ感じました。この効果は、最終の反対尋問20数分オーバーに、打ち切ることができなかったことに、また証人とJTとの科学性ではなく金銭癒着をついた質問にも見過ごしたことに現れたと思います。被告側がイライラしている様子が良く分かりました。
「がんの原因は遺伝子も関係するし、発がん物質はたばこ以外にもある」と証言
−がんと喫煙との関係は解明されてないと言いながら、原爆の被爆者の場合は認める−
3、 蟹沢証人から受けた印象は、研究成果(学問)をふまえた証言(証明)というよりは、裁判用に用意した「たばこと肺がんの因果関係(疫学上)ではそう言われるが、病理学的には証明されていない」という言い草を基本的な根拠とすることに固執していると思わざるを得ませんでした。また自らたばこの害や依存症による患者の立場を思いやることは全くありませんでした。
4、 たばこには、がん発生及び促進物質もあり、リスクファクターとしては認めると証言しながら、また疫学ではタバコと肺がんの因果関係が言われているが,病理学的には証明されておらず、因果関係を言うのは早計だと言う。疫学の立場から疾病の見極めをせずに疾病の予防や治療ができるものだろうか。
5、 原爆の被爆者ががんになった場合、病理学的には証明されていないが(疫学的には証明されている)が原爆が原因だと認めるかと尋問されると、認めると言う。
6、 証言のいくつかを拾ってみると、「遺伝子によるかかわりが大きい」「酵素によって分解され変化する中で発がん化する。タバコとは関係ない」「がんになる体質等個体差がある」「発がん物質はさまざまな物質によって、さまざまな臓器に走り特定しない」「がんを発生するベンツピレンはさまざまな物質に含まれている。知らないうちに摂取している。がんになるかどうかは生活の状況による」「タバコはがんを増進させる要素であるが、環境、人によって違う。がんのできる人できない人多様である。だからなかなか防げない」「喫煙だけが強調されるのは納得できない。喫煙者すべてが関連するとは考えられない。」
7、 証言は矛盾したところがあるように、がん周辺のさまざまな条件のなかで、疫学はタバコとがんの因果関係を明らかにして今日の到達点があり、医学的、社会的対応がされているのではないのか。証人はいたずらにあいまいにして、混乱させているように思えて仕方がない。タバコとがんの関係を否定する立場はあるが、追及する立場はまったくない。
8、 証人の態度は片山弁護士の反対尋問に対する答えにあらわれている。
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○ 医師会は禁煙をすすめている。貴方も同意か。 ○ 喫煙がファクター(がんの)であることはいいか。 ○ 喫煙が肺がんの根本原因と認めるか。 ○ 日本学術会議が「脱タバコ社会をめざして」と言う提言を出したが内容は承知しているか。 ○ これに対する見解は? |
9、 原告弁護士は証人とJTとの関係や、態度を問うて被告側をあわてさせた。ここに被告側の不誠実さ(後ろめたさ)がある。
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○ 6年前の東京タバコ訴訟のときJTの嘱託として週一回勤務して報酬をもらっていたと聞くが今もそうか。 ○ 意見書を書くに当たっていくら手当てが出るか? |
10、 蟹沢証人の証言は学者の仮面をかぶった偽善者のものである。
学問的というより感情的で、問題の本質をあいまいにして避けようとする姿勢ばかりが目につく。別の理由とはいえ禁煙に同意したり、ファクターのひとつであると言ったり、さらには言うことをはばかることなく、報酬や意見書の作成手当てをしゃ〜しゃ〜と述べるなど誠実であるかのように装って裁判官に取り入ろうとする姿に情けなさを感じた。
※ 裁判傍聴記がどんなものであればいいのか要領を得ないので、印象記になってしまったのをお許しください。だいいち準備が十分でなかったことをあとで気づきました。それに裁判独特の用語、たばこにつきまとう化学的用語が理解を困難にし、さらに裁判所がマイクを使わないので聴き取りにくいのも弁解のひとつです。
原忠重(応援団、NPO法人理事長)記