「自由及び権利」保持のための不断の努力
憲法とは被施政者が守らなければならない法規範ではなく、施政者が守らなければならない絶対的最高法規である。したがって、施政者の恣意的強権行使から被施政者を保護するのが憲法である。ゆえに、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と第99条（憲法尊重擁護義務）によって、施政者の強権行使にロックをかけている。
ロックはかけているが、残念だが、ロックが外されたときの罰則はない。だから、国会議員、裁判官その他の公務員は際限もなく好きなように憲法違反する。
昨今の顕著な公権力による憲法違反は、
１、「表現の不自由展・その後」の展示中止
２、北海道警の警察官数人が安倍の街頭演説をヤジった一般市民を囲み、その場から排除した
３、大阪地検は「森友事件における財務省の文書改竄等々」の不起訴を決定した
１と２に関しては、要件にいくつかの違いはあるが、憲法21条（表現の自由）の侵害には変わりない。
「従軍慰安婦像」や「天皇と戦争」は、日本がおこなった植民地支配の過去を象徴する展示物であるが、それら展示物に敵意を抱き、中止させた。己の「表現の自由」権を、自ら放棄するほど、一部日本人はおろかなのであろう
それら展示物は「日本国民の心を踏みにじる」ものと某は評していたが、日本国民の心を踏みにじったものは、それらアート作品ではない。真に日本国民の心も身も踏みにじったものは、過去に日本人を戦争に巻き込み、他国民を憎悪させ、殺し合わせた特定の日本人である。原爆に関しても、二つの原爆が落とされるまでポツダム宣言受託を躊躇していた特定の日本人である。
２は憲法21条違反にくわえて、３と同様に憲法14条（法の下の平等）と15条の2（すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない）に違反している。
全体の奉仕者であるべき警察官は一般市民の「表現の自由」を擁護するべきなのだが、逆に、「おい、安倍ぼっちゃんの演説を邪魔するな」と、ヤジっていただけの一般市民を高圧的に取り囲んだ。安倍ぼっちゃんには優しく、一般市民には脅迫。
３に関しても、2同様である。大阪地検が向いている方向は安倍ぼっちゃんの方向である。そして、「僕たちは内閣府（安倍ちゃん）の奉仕者であり、全体の奉仕者ではない」と、事案をもみ消し総括した。
まさか、日本国民は夢を見ているのではなかろうか、次のような悪夢を。
…じいちゃんのときから、日本は全部「ぼくちゃん」のものなんだから、好きにしていいんだもーん。税金も「ぼくちゃん」のものだから好きに使っちゃおっと。国会議員も裁判官もその他の公務員も「ぼくちゃん」の下部だもんね。だって、彼らは先回りして「ぼくちゃん」のご機嫌をとってくるもーん。ついでに経団連ちゃんも、メディアちゃんも、「ぼくちゃん」の言いなりになるもんね。とくに吉本興行は笑いで国民を目潰しするから、いくらでもお金出しちゃうもんね。モリカケ問題とかでは、もう煩くて仕方がなかったから、日本をほんとうに「ぼくちゃん」のものにするためにオレオレ改憲をするーんだあい。楽しいなあ…
憲法第12条（自由及び権利の保持責任）この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。