東京五輪を中止さえしとけば・・・



党首討論における、命のリスクをおかしてまで五輪を行う意義は、と問われての菅の答弁が次である。


「世界が新型コロナという大きな困難に立ち向かい、世界が団結してこれを乗りこえることができた。そうしたこともやはり世界に日本から発信したい」


ここで、私が注目するのは、「・・・乗りこえることができた」という過去形での発語である。



日本語には動詞が表す事態の時間的位置には「未来」「現在」そして「過去」しかない。よって、、上記の「・・・ことができた」には違和感を覚える。いや、違和感どころではなく、何寝言を言ってんだい、まだ乗りこえられていねえだろう。そもそも東京オリパラはまだ始まっちゃあいねえ。



上記の内容を正確に表現できるとしたら、「乗りこえる/こえたい」という意志あるいは願望表現が考えられる。よって、正確な日本語をもって言うとしたら、いくつかあろうが、次の一例なんかはどうだろうか。


「・・・乗りこえることに努める。そうできたうえで世界に日本から発信したい」



ところで、英語なら未来のことを過去形で表現することはできる。ただし、文法的には「時制の一致」のときと、仮定法表現のときである。


東京オリパラが行われたとしての、仮定法過去完了の一文を書いておく。

If only Japan had canceled Tokyo Olympic Games(東京五輪を中止さえしとけば).・・・そうすれば、こんなことにならなかった。  


上記の英文が私の寝言になることを願う。