その5/mRNAワクチンで生じる個々の分子および臓器への懸念(3)
ここまで調べてきて、一段落だけ、思ったことを書きます。
一つの事実が存在します。新型コロナウイルスはどんな変異株でも自ら人に近づいてくることはできないということです。したがって、人間が遠ざかっていれば、いずれ彼らは増殖のよすがである宿主を失って、とりあえず滅びます。滅ぼさせるためにとる私たち宿主の作戦はこれしかありません。彼らとの戦争放棄です。ウイルスには近づかない。ウイルスとは戦わない。ワクチン等をもって戦えば戦うほど、彼らは力を増強します。しかし、グローバルの時代ですから、彼らはいずれさらに感染力を増強して復活してきます。その時までに、私たち宿主がしておくことは、PCR検査と医療体制の充実、感染早期にウイルスを排除する特効薬の開発、安全ワクチンの開発等です。安全なら日本製に拘りませんが、できたら日本製が望まれます。そのためには研究機関への国からの潤沢な補助金が必要です。勤勉で優秀な日本人にはできるはずです。それが出来たら、日本産特効薬や安全ワクチンは日本のみならず世界の命と経済を救うと思います。
*脾臓、血小板、血小板減少症
マイアミビーチで産婦人科をしていたグレゴリー・マイケル博士は、ファイザー製のCovid-19ワクチンの初回投与を受けてから16日後に脳出血で死亡した。ワクチン接種後3日以内に、免疫細胞が血小板を攻撃して破壊する自己免疫疾患である特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を発症し、血小板の数が急激に減少したため内出血が止まらなくなったゆえである。このことはニューヨーク・タイムズ紙(Grady &Mazzei 2021)に載り、その後もワクチン接種後におきたITPに関する他の数例をとりあげた二つ目の記事(Grady,2021)をも掲載しており、その後もVAERS(vaccine adverse event reporting system/ワクチン有害出来事報告システム)に報告がきている。
* mRNAワクチンの生体内分布
mRNAは、筋肉注射部位に呼びこまれたマクロファージやその他の免疫細胞によって注射部位からリンパ系を経由して肝臓や脾臓(免疫反応の主要な活動拠点)に分布し、最終的には一般循環に到達すると、某研究チームは結論付けた。厄介なことに、はるか低いレベルではあるが、脳にも到達している。このことは、モデルナワクチンの欧州医薬品庁の評価報告書にも、筋肉内投与後の脳内に、血漿中で検出されるレベルの約2%のmRNAが検出された、とある。
*免疫性血小板減少症(ITP)は新型コロナ感染症の重要な合併症として登場した。多くの場合、ITPは疾患から完全に回復したのち、すなわちウイルスが除去された後に出現することから自己免疫現象であると示唆されている。ワクチン接種後にITPが発生する経路として考えられるのは、mRNAナノ粒子を積んだ免疫細胞がリンパ系を経由して脾臓に移動することである。そこで、免疫細胞はmRNAによってコードされた抗原であるスパイクタンパクを産生し、B細胞(特異的抗原に対する抗体を産生・放出、免疫細胞にあるリンパ球の一種)による免疫グロブリンG抗体の産生を誘導すると考えられる。
*脾臓の役割
脾臓は、ヒト最大の二次リンパ系臓器であり、体内の血小板供給量の3分の1を占め、血小板に対する抗体反応をコントロールしている。そして、外来抗原の除去と、B細胞による免疫グロブリンGの合成に中心的な役割を果たしている。スパイクタンパク質のような抗原にさらされると、脾臓の辺縁部に存在する好中球はB細胞と相互作用する能力を獲得し、抗体の産生を誘導する。この脾臓における血小板-好中球のクロスコミュニケーション機構は、NETosis(ネトーシス/第3の細胞死)と呼ばれる病理学的反応を媒介して血小板減少症をひきおこす。
*スパイクタンパク質それ自体の毒性
スパイクタンパク質それ自体で、潜在的に広範な結果をともなう血管系でのシグナル伝達反応を引き起こすことができる。たとえば、培養したヒト肺動脈平滑筋細胞にSARS-CoV-2スパイクタンパク質S1サブユニットを曝露すると、他のウイルス成分がなくても細胞シグナル伝達を促進するのに十分であることを示した(Suzuki et al,2020;2021;Suzuki & Gychka,2021)。続く論文では、スパイクタンパク質S1サブユニットが細胞膜のACE2を抑制し、死亡率が高い重篤な肺疾患である肺動脈性肺高血圧に類似した状態をひきおこすことが示された。
*SARS-CoV-2のS1タンパク質で装飾され、コアにウイルスDNAを含まない球体であるシュードウイルスを気管内に曝露したマウスの動脈と肺の両方で炎症と損傷をひきおこすことを発見した。つぎに、健康なヒト内皮細胞に同じシュード(偽型)ウイルス粒子を照射した。これらの粒子が内皮のACE2受容体に結合すると、それらの内皮細胞でミトコンドリアの損傷と断片化がおこった。Covid-19による内皮障害をひきおこすには、ウイルスゲノムの残りの部分と結合していないスパイクタンパクだけで十分であることが明らかになった(Lei,2021)。したがって、スパイクタンパク質を細胞に製造させることを目的としたワクチンの影響は明らかであり、これら実験結果は明らかな懸念材料になる。
*脳に対するウイルスの損傷作用
Covid-19に関連した頭痛、吐き気、めまいなどの神経学的症状、脳炎、脳血栓はすべて、脳に対するウイルスの損傷作用をしめす指標である。試験管内における血液脳関門(血液と脳の組織液との間の物質交換を制限する機構/むやみなものを脳に入れないため)の研究では、スパイクタンパクのS1成分が関門の安全性の喪失を促進した。このことは、スパイクタンパク単独でも、脳内皮細胞の炎症促進反応を誘発し、この病気の神経学的結果を説明できることを示唆している(Buzhdygan et al, 2020)。
*精巣への悪影響
ACE2受容体が精巣のライディッヒ細胞(性ホルモンの分泌を行う)に高発現していることから、ワクチンによって内因性に生成されたスパイクタンパクは男性の精巣にも悪影響を及ぼす可能性がある(Verma et al,2020)。Covid-19の男性患者の6人の精巣を死後検査した論文では、精巣が損傷した患者の精巣の間質細胞にスパイクタンパクが存在することが顕微鏡で確認された(Achuar et al, 2021)。
*プリオン病と神経変性の関連性について
プリオン病とは、生体内の重要なたんぱく質が誤って折りたたまれ、毒性のあるオリゴマーを形成し、最終的にはフィブリルとして析出(溶液または溶融状態から結晶が分離して出てくること)して、神経細胞に広範な損傷をあたえることによって引きおこされる神経変性疾患の総称である。狂牛病で知られているが、現在では、アルツハイマー型、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など、多くの神経変性疾患の原因であるとも考えられている。mRNAワクチンがコードするスパイクタンパク質は、多くの既知のタンパク質と結合し、それらのタンパク質のミスフォールド(misfold)を誘発してプリオンになる可能性があることから、プリオン様疾患を引き起こす可能性がある(J.Bart Classen 2021)。
つづく