その5/mRNAワクチンで生じる個々の分子および臓器への懸念(4)
*ファイザー製ワクチンに関する情報in欧州医薬品庁の公開評価報告書
この報告者は、欧州でワクチンを販売するための承認をえるために提出された文書である。この報告書には、製造工程のレビューや、関連する様々な試験データが詳細に記載されている。そのなかで気になるのが、注射液に含まれるRNAの「断片化した種」の存在です。これはDNAテンプレートからの転写プロセスが早期に終了したために生じるRNA断片である。これらの断片は、注射後に細胞で翻訳された場合、不完全なスパイクタンパク質を生成し、予測できない三次元構造の変化をもたらし、生理学的な影響は、よくても中位、悪くても細胞機能に悪影響をおよぼすことになる。市販されている製品には、このような断片化されたRNAが、臨床試験で使用された製品よりもかなり多く含まれていた。ファイザー社は、RNA断片は細胞内で速やかに分解されると考えられるため、「おそらく・・・発現したタンパク質にはならない」と主張しているが、知る限り、そのデータは提示されていない。
*パーキンソン病の教訓から知ること
パーキンソン病は脳内のレビー小体沈着を伴う神経変性疾患であり、このレビー小体に含まれる主要なたんぱく質はα-シヌクレインである。このタンパク質は特定の条件下で、毒性のある可溶性オリゴマーやフィブリルに凝集するという点でプリオン様である。ミスフォールドしたα-シヌクレインは、まず腸で形成され、そこから迷走神経(脳神経でありながら、体内で多数枝分かれして複雑な経路をとり、胸腔内から腹腔内まで広く分布)にそって脳に移動する(Lema Tome et al.)。おそらく、ミスフォールドしたタンパク質が発生した死にかけの細胞から放出されるエクソソーム(細胞から分泌される50-150ナノメートルの内部にマイクロRNA、mRNA, DNAを含み、細胞膜由来の脂質表面をもつ顆粒状の物質)の形で移動すると考えられる(Kakarla et al.2020; Steiner et al 2011)。もう一つの経路は、嗅神経を経由するもので、嗅覚の喪失はパーキンソン病の初期症状である。嗅覚の衰えや喪失はSARS-CoV-2感染の一般的な症状でもある
*ワクチン・シェディング
インターネット上では、ワクチンを接種した人が、近くのワクチンを接種していない人に、病気をひきおこさせる可能性があるという話が聞かれます。信じがたいはなしですが、脾臓の樹状細胞からエキソソームが放出され、その中にはミスフォールドしたスパイクタンパク質と、再形成された他のプリオンタンパク質が複合して含まれている。このエキソソームは、遠くまで移動することができる。肺から放出されて近くの人が吸い込んでいることも想像に難くない。エクソソームを含む細胞外小胞は、呼吸器疾患に関連して、喀痰、粘液、上皮内層液、気管支肺胞洗浄液などから検出されている(Lucchetti et al 2021)。
バイオンテック社が実施したファイザー社のmRNAワクチンに関する第1/2/3相試験では、プロトコール(治験実施計画書)のなかで、ワクチンへの二次曝露の可能性を想定していた(バイオテック社 2020)。このプロトコールには、「妊娠中の曝露」を研究参加者が報告するという要件が含まれていた。
*SARS-CoV-2の新バリアント(変形・変種)の出現
Nature誌に掲載された論文に、興味深い仮説が掲載されていた。免疫抑制効果のあるガン化学療法薬を服用していたガン患者が重篤なCovid-19に感染した。101日間戦ったこの患者はレムでシビルを投与され、その後、Covid-19から回復した人から採取した抗体を含む血漿を二回投与された。血漿を投与したのち、ウイルスは急激に変異しはじめ、最終的には鼻と喉から採取したサンプルによって、優秀な新株の出現を確認した。免疫不全の患者は、細胞障害性T細胞(細胞表面にCD8という分子をもつT細胞の一種で、宿主にとって異物の異常細胞を認識し、パーフォリンを放出して破壊する細胞)によるサポートを受けられないので、ウイルスを完全に除去できず、逆に、投与された血漿抗体がウイルスの突然変異速度を加速させたのではないかと推測された。この患者では、ウイルスの複製が長期化することで「ウイルスの免疫逃避」がおこり、同様の耐性株があっというまに体内に蔓延する可能性がある(Kemp et al 2021)。実際、現在、イギリス、南アフリカ、ブラジルで発生している感染力の高い新型株も、同様のプロセスで作られたと考えられる。
免疫力低下の人にワクチンを打つ。これは免疫不全の患者に回復期の血漿を投与するのとあまり変わらないシナリオである。より大きなスケールで抗体耐性株の進化をひきおこすかもしれない。数か月ごとにワクチンを繰り返し接種し、ワクチンにコード化されたウイルスの亜種の数を増やしてしまう可能性がある。これは、おそらく人類が負けるであろう軍拡競争である。
次は「スパイクタンパク質の遺伝子が人のDNAに永久に組み込まれる可能性」についてです。