自民党改憲条文案「9条の2」は殺戮的言葉

あなたは、災害時に常に助けてくれる自衛隊員の人々を戦士として海外の戦争状態地域に送りたいですか? 
私個人は送りたくありません。

そして、自衛隊員のあなたに問います。あなたは戦士として戦いたいですか?

そして再度問います。誰があなたに戦争に行けと命令するのですか?

そして再再度問います。あなたはあなたの命をかけて誰のために戦うのですか?


2019年7月参院選における自民党の選挙公約は主に「強い経済」と「憲法9条の改憲」です。まず「強い経済」なんて言葉は論外です。経済を強くすればすべて良しなんていう言葉はまやかしです。長年におけるアベノミクス政策で日本は実質的に強い経済になりましたか? 日本社会を底辺で日々の労働で支えている皆さんの懐は「強い経済」の実感はありますか? 今年はバブル期を超えた過去最高の税収とか、安倍(敬称略)は言ってましたが、消費税収を計算にいれているのですから当然でしょう。彼らが使用する数値に騙されてはいけません。言葉や論理が強い立場で使われている日本社会です。彼らの言葉の裏に潜む真実を見てください。


次は憲法9条の改憲についてです。


まず、最初に言及しておきます。現行の「憲法9条(1項と2項)」の条文は残されていますが、自民党改憲条文案の「9条の2」が追加されることで、現行の憲法9条は亡きものになります。


自民党改憲条文案「9条の2」


1項       前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。

2項       自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。


1項の意図を読みくだくと次のようになります。

時の内閣総理大臣―たとえ発達障害者であってもーが「我が国の平和と独立を守るためだ、国や国民の安全のためだ、我が指揮監督下の自衛隊を使う」と命令すれば、たとえ実質的命令者は米国であっても、自衛隊員の皆さんは戦場に赴かなければなりません。「法律の定めるところにより」と、さも歯止めのようにとってつけられておりますが、法律なんてものは、彼らの好きなように簡単に変えられます。毎度見せつけられてきた強行採決という手段が彼らにはあります。これで一巻の終わり、現行の戦争放棄憲法はおおっぴらに抹殺されることになります。ですから、けして、「9条の2」のような条文を追加させてはなりません。


自衛隊という言葉を憲法に明記してはならない理由がここにあります。