釈尊の誕生日、花祭りをお祝い致します。(B.E. Buddhist era 仏暦2556)

 平素のご厚情に感謝すると共に、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。また貴殿のさらなるご健勝、ご活躍を期待いたします。
 昨年7月、「歎異抄に聞く会」(宇佐市で開催)の20周年記念の会座を多くの方の参加をいただき、広島大学名誉教授、松田正典先生をお迎して開催することができました。次の300回記念を目指して毎月の学びを継続していきます。
 この3月に龍谷大学大学院、実践真宗学研究科の第一期生の修士課程修了者を社会に送り出すことができました。論文や報告書のまとめを院生と一緒にする過程で見えてきたことは院生が浄土教の理解を十分にできてないということです。それは我々スタッフの努力不足ということも言えます。そして反省したことは、院生ともう少し濃厚な人格的な接触をすべきであったということです。もう3年間、院生と一緒に学ぶ生活を、京都ー宇佐往復の体力のある限り、取り組もうと思っています。
 世界に前例のない急速な早さで高齢社会に入ろうとする日本で、老病死を受容して、主体的に引き受けて人生を生ききることのできる文化基盤が弱いことが思われます。自分の身体がいかなる境遇になろうとも、その現実を引き受けて生ききる責任主体となることのできる仏教の智慧の世界。気付き、目覚め、悟りの世界を教え、導く普遍宗教としての仏教の文化基盤の普及することが切に願われます。
 既に還暦を超え、高齢者の仲間に入らんとする年(孫たちが確実に成長してきています)となり、知力、体力、記憶力の衰えを痛感しますが、人生の経験をしなければ知ることの出来なかったこともあることを多く実感させられています。特に仏教の教えの内容は年と共に気づきの内容が多く、深くなるように思われます、楽しみです。
 この5月末っ子の三男悦和(昨年大学院を修了、学位を得て、就職)が良いご縁を得て結婚することになりました。子ども3人が独立してしまい、一沫の寂しさはありますが、娘が一人増えた感覚で親子の対話ができそうで楽しみです。

釈尊の誕生日、花祭りのご挨拶で年賀のご挨拶に代えさせていただきます。
合掌,南無阿弥陀仏
仏暦2556年(2012年・平成24年)4月8日

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