「ん?どうしたお嬢・・・」
「えっと・・・・その・・・」
「どうした・・・用がないなら行くぞ」
「あ、待って!えっと・・・その・・」
「・・・用があるのかないのかはっき・・」
「私がヒゲのこと好きだって言ったら!」
「・・・お、お嬢・・」
「あ・・・あの、ごめんなさい!」
私は走っていた
どうせだめなんだろう、一刻もこの場から逃げたかった
「待ってくれ、お嬢!」
「えっ?」
「えっとな・・・俺も・・言いにくいんだけどよ・・・
お嬢のこと・・・好きかなって・・・」
「え・・・?」
「えっ?じゃない、俺だって言うの恥ずかしいんだ」
「ヒゲ・・・」
「ヒゲって呼び方もうやめてくれないか
名前で呼んでほしい」
「拳児・・・」
「愛理・・・」
お互いは寄せ合って・・・
・
・
・
バサッ
いきなり暗くなってびっくりして体を起き上がらせた
一瞬何のことだかわからなかったが、あれが夢であったということを感じ取る
「・・・
何よあの夢。」
いまさらだが自分で見た夢に恥ずかしさを感じる
時計を見ると4時47分
いつもおきる時間まで1時間半ほどある
もう一度寝ようと思うが眠れない
「・・・もう・・・眠れないじゃない。」
結局その後一睡もできず朝を迎える
最近夢を見ることは少なかった
天満はいつも自分の見た夢の突拍子のなさを自慢することがあり、
そんな話を聞いていると、私も夢を見てみたいと思った
恋愛モノの話を見た後は、大体烏丸君が出てくる夢を見るらしい
そんな恋愛モノの夢を狙ったわけじゃないが、
たまたま最近出た新刊の「黄泉の中心まで、会いに行きます」という恋愛小説を買ったあと
昨日は眠れなかったのでそれを読んで眠りについた
「・・・どうしてここでヒゲが出てくるのよ」
「それは、播磨君のことが大好きだから」
「ち、違うのよ・・って晶っ!」
「おはよう、夢見る乙女の愛理」
登校中にこんな独り言をしたのが悪かったのだが、突然現れた晶も晶よ・・ それに、晶はまるですべてを知っているかのような口ぶりだし・・・
「で、どこまで予想ついてるの?」
「全部よ」
「あああ・・・晶は・・・すごいわね・・・
私がヒゲを意識しているわけじゃないのよ!
あれは・・・勝手に私の夢にヒゲが出てきただけで・・
私が勝手に告白する役になってて・・・その・・・」
「ふーん、墓穴を掘ったわね、愛理」
「えっ?」
「私は、夢のことを知っているとは一言も言ってないわ」
やられた・・・と思うと共に、言わなくてもたぶん晶ならわかってただろうと言い聞かせる
「強いわ・・・晶」
ニヤリとする晶
そんな、屈辱感たっぷりの登校
学校について教室に入る
「愛理ちゃん、おっはよー」
天満が元気のいい挨拶
「おはよう、沢近」
続いて美琴
と、席に向かおうと歩いていると
ドキ・・・ドキ・・・
視線の先に・・・
「け・・いや、は、播磨君、お、おはよう」
「よう、お嬢
ん?お嬢、顔赤いぞ、熱でもあるのか?」
「な・・なんでもないし、大丈夫!」
「・・・」
かばんを置いたら、いつもどおり天満や美琴、晶のところへ
「どうしたんだ?沢近?」
「あのね・・・ヒソヒソヒソ」
「ちがうのよっ!私はヒゲのことなんか!」
「あれ、愛理のためにせっかく熱があると話をつけておこうとおもったのに」
晶・・・絶対わざとね・・
「やっぱり播磨がらみか」
「播磨君がどうかしたの?」
「っと、あ、あそこ、烏丸君が飛んでる」
「え、どこどこ?、あ!ほんとだ!」
空をみるとなぜか烏丸君が飛んでいた
天満が追いかけていってしまう
天満には、このことがばれずにすむというのは吉というべきか、
さて、ここで話すとクラスの一部に聞こえてしまうので、廊下へ
で、
「愛理がね、播磨君に告白する夢を見たらしいの」
美琴が必死に笑いをこらえる表情でこっちを見る
ああ、もう言いたいことはわかるわよっ!
「それで最後名前で呼び合って、キスしようとして・・
そのときに目が覚めたんだって」
「あ、晶、そこまでは言ってないじゃない」
「愛理の夢は大体想像つくわ、認めたってことはここまで本当のようね」
さらに墓穴(?)いややっぱり晶なら何でも知ってる気がする
美琴はさらに笑いをこらえる表情でこっちを見ながら私の肩を叩いて
「そこまで想いが積もり積もっていたのか・・・」と、さらに笑いをこらえながら
「で、愛理、いつにするの?」
「えっ?」
「沢近、そんなかんじならそろそろ播磨にコクるんだろ」
「な、なんでヒゲなんかにっ!」
「あれ、沢近さっきは播磨君って言ってなかったか?」
「うん、思わず本人と対面してしまったときに、あまりの気恥ずかしさに
気が動転しておもわず、夢のように拳児と呼んでしまいそうになったが
それではさらに気恥ずかしいので、その場しのぎでやっと思い浮かんだ
播磨君という名前を呼んだんだね」
橋●ドラマ的な長い台詞を言い終えた晶と、
もうコクっちゃえよ的な表情をしている美琴
「ああ、もうどうすればいいのよ。」
「あ、先生が来たわ、はやく教室にもどりましょ」
先生には感謝しなくてはならない
このどうにもならない状況に逃げ場をくれたのだから
「じゃあ今日は愛理をいじり倒しましょ」
「そうだな、沢近、覚悟しとけよぉー」
今日は晶と美琴から逃げ続けないと明日の希望がないかもしれない
無理だった
晶から逃げようとすれば、逃げた場所に晶がいる
急いで教室から逃げ出したあと、隠れてその場をしのいで、晶がいなくなった頃に
教室へ戻る、という作戦をとっても1分後には晶が戻ってきて見つかる
なにをやっても晶と美琴からは逃げられないらしい
昼休みは仕方なく降参して、みんなでご飯を食べる
あれ?ヒゲ、どこへ行くんだろ
「あれー、沢近、気になるのか?播磨のこと」
「な、なんでもないわよ」
「でも愛理、目で追ってたわよね?」
「ん?播磨君がどうかしたの?」
「沢近のやつがねー」
「あ、烏丸君が校庭で組体操の練習してるわよ」
天満は窓の外をみにいく
「あ、ほんとだ、ってあっれーなんであんなに烏丸君が・・」
私も、と外をみると烏丸君が20人ほどになっていた
どこまで彼は、非現実的なのよ・・
と、考えていると、天満は駆け出していってしまった
またもや天満に聞かれずに済む
これは、偶然なの、それとも晶の作戦なの?
「作者の陰謀よ?」
「えっ?」
「この話を天満に聞かれた場合のパターンを作者が考え付かないみたいだから
私のキャラと、烏丸君のキャラを生かして、どうにか
天満に愛理の妄想を聞かれないようにするため
しかたなく烏丸君に空を飛んでもらったり、分裂してもらったりしているのよ」
「・・・頼めば分裂とかできるところで・・・」
「烏丸君なら何でもできるわ・・・
でも愛理は烏丸君のことよりも播磨君のことを聞いたほうが100倍嬉しいはずよね」
「わーーーーー!」
なんとか忘れようとして忘れることに成功したネタを振られてびっくりして声を上げる
「あー、もう沢近うるさい、いくらそんな播磨のことが好きだからって
いきなり大声出すことないだろ」
明らかにわざとなネタ振り
はぁ・・・もう今日という日が早く終わってほしいわ・・・
(別に明日になったらこのネタから解放されるわけではないだろうが)
結局6時間あった授業のうち、まともに授業に参加できたのが体育だけで、
それ以外の授業ではぼーっと悩んでしまったり、
あの夢がループしてきて気恥ずかしくなってしまったり、
いきなりヒゲのことが思い浮かんできたりと、集中できず
2度ほど指名されたが、全部答えられずじまい
「沢近、体調悪いのか?」と、先生に聞かれたりもしたが
体調が悪いわけではないので、「いえ、大丈夫です」と答える
もぉ・・・最悪
「本日、授業を受けようにも、朝見た夢を何度も思い出してしまい
気恥ずかしくなり、また無意識に何度も本人を意識してしまい
そのたびに照れて、その妄想から何も集中できず、
恋の病に冒されてしまった乙女チックな想いを抱く高校二年生
沢近愛理なのであった」
「って、晶、へんなナレーション入れないでよ」
ニヤリ
「あの、播磨さん、これ」
「お、おう、妹さん、サンキュー」
「今日もがんばってくださいね」
「よし、がんばるぜ。」
「で?沢近はこの状況をどう捉えるのかな?」
「別に関係ないわよ」
「ん〜愛しの播磨がとられちゃってもいいのかな〜」
「愛しいなんていってないじゃないっ!」
「そうだね、愛理は「愛しい」と言葉に出してはいってないわね」
「つまり、内に秘めていると」
「違うわよっ!!」
「あ、お嬢、騒いでてどうしたんだ?」
ドキンッ
変ね・・・ほんと・・・今日はどうしちゃったのかしら・・・
「あのねー沢近が播磨に・・・モガッ」
「な、なんでもないわ!」
「んー今日のお嬢、なんかおかしいぞ。」
「別になんでもないわよ」
「あーそうか、まあいい、俺はやることあるから、じゃあな」
「おう、播磨」
「あ、播磨君ばいばーい」
なんか緊張してしまい、声を出すことができない
またね、とかじゃあねとか素直になって話せればよかったんだけど・・
「まったく、沢近はダメダメですなー」
「愛理のために今日はスパルタでいきましょ」
「なになにー?愛理ちゃんがどうかしたの?」
「あ、天満、いま烏丸君はニューデリーでカレー大食いコンテストに出場してるわ」
「え、ほんと、じゃあ見てくるー・・・ってそれどこー・・・・」
「インドの首都」
「そんなぁ・・・遠くていけないよ・・・」
「じゃあこれ、どこでもドア。これなら天満でも10秒でニューデリーへいけるわ
移動したらそれ折りたたんでもっててね、なくすと帰れなくなるから」
「うん、わかった、ありがとう晶ちゃん!」
「烏丸君の行動もなぞだけど、晶、あなたもいろいろと謎が多いわね」
「じゃあこれからは謎多き女スパイって呼んで頂戴」
「晶でいいよ・・・」
「さて、じゃあ場所を変えて沢近の恋愛日記でも聞かせてもらいましょうかね」
「そうね、愛理、これから弄り回すから覚悟しておくこと、いいね」
「どうせ・・逃げられないんでしょ・・」
「・・・で?なんでここなのよ」
「いつものたまり場じゃん、エルカド」
「別に話をするだけならどこだっていいんじゃないの、愛理
それともやっぱり播磨君がらみのこととなるとライバルの八雲が
いない場所のほうがよかった?」
「・・・べつに、どこだっていいわよ」
「でだ、沢近にとって、播磨はどんな存在なんだ?」
「べつに・・・ただのヒゲとしか・・・」
「ぶーーー!」
「愛理のこの発言には多大な嘘が含まれています」
「そんなん思ってるなら、ここで口ごもったりしないよな」
「そうね、愛理の性格だったらさらっと嫌味っぽく【なにそれ?】とかで返すもの」
「・・・わかっててやってるわね・・・」
「あの、ご注文なににいたしますか?」
「八雲、じゃあ私はマグロのムニエルで」
「お、八雲ちゃんじゃん、今日は何の衣装だ、それ?」
「今日は店長の趣味でイヌイットとか・・」
「だいぶ変わった店長だな・・・じゃあ私は、アイスコーヒー
愛理はどうする?」
「・・・なんでもいい」
「愛理、どうしたの?八雲、とりあえず愛理は何もいらないみたいだから
私たちの注文だけで」
「わかりました、高野先輩」
「で、八雲ちゃんと播磨がうまくいっているようなそぶりを見せているから、嫉妬と」
「愛理は本当にわかりやすいからね」
「な、なんでもないわよ」
「もうここまできたら隠しきれないよな」
「そうね。そろそろ話してもらいましょう」
「わ・・・わたしだってわからないわよ・・・」
「まあまあ、最初はわからないって物よー」
「美琴はだまっててあげて、愛理はこういうときには話しかけられるのを嫌がるから」
「へいへい、じゃあ洗いざらい話してもらいますか」
「ヒゲは・・・相性最悪で・・・話すとすぐ話がこじれて
ながく話が続いたこともないし
なにかというとヒゲとトラブルになって・・・
あいつ、本当にいつもムカつくのよね
別に特別かっこいいってわけでもないし
(ここで播磨の顔を思い浮かべて少しドキっとする)
頭もいいわけでもないし
・・・だけど・・・
あいつ・・・妙に優しいところがあって・・・
とくに体育祭のとき・・・本気で走ってるあの背中がちょっといいなって・・・
いつもさえない背中がそのときだけカッコよく見えて
それに・・あいつと話してると・・・別に気を使うこともないし
自然っていうか、口げんかするだけでも楽しかった
うん、わかった
私はきっとヒゲのことが・・・」
「あの・・・マグロのムニエルお持ちしました」
「くけーーーーーー!(奇声を発した沢近)」
「超バッドタイミングね、八雲」
「す、すいません・・」
「別にいいのよ、ここまで聞ければもうわかるから」
「まあ要するに沢近は播磨のことが大好きと」
「途中で止まったから言ってないじゃない!
もしかしたらここでヒゲが大嫌いって言うかもしれないじゃない」
「しれない・・ってことは好きというつもりだったのね」
「・・・」
「まあまあ、わかってたことだし
で、最初に言ってた高野の作戦ってなんだったんだ?」
「さて、感動のご対面と行きましょうか」
「・・・?」
「愛理、美琴、後ろをみて」
「!!」
「は、播磨?」
「い、い、い、いつからそこにいたのよ?」
「んーと、私がマグロのムニエルを頼んだ辺りから」
「播磨が来てるのを知っててあれを?」
「当然」
「わ・・わ・・わ・・わ・・わ・・」
「沢近がさっきからおかしいぞ。【わ】しかいわない」
「やっぱりその後姿、お嬢と周防だったのか・・」
「あ、あ、えっと・・その・・・あの?」
「どうした?お嬢」
「さっきの・・・」
「ああ、さっきのことか、あれは驚いたな」
や、や、やっぱり聞かれてたのね・・・
・・・え?でも・・・どうして・・・?
そんなこと聞いててどうして普通なの?
特別な違和感とかないし・・・
え・・・もしかして・・・ヒゲ・・・
え・・・え・・?
「ああ、さっきのって【くけーーー】とか言う声だろ
耳栓してたってのによく聞こえたぜ
ほかはよく聞こえたなかったがな」
構えてシャイニングウィザードを決めた
「ぐは・・・」
「ちょ、播磨!」
「播磨さんー」
「一発KOね、愛理」
ヒゲが悪いんじゃないの・・・私がどれだけドキドキしたと思って・・・
でも・・・悪かったかな・・・
〜1時間経過〜
「ん?」
「あ、目が覚めた?」
「ってここはどこじゃー」
「エルカドの秘密基地だって」
「ふーんエルカド・・・エルカド・・・あーっ!
そうかお嬢に会心の一撃を食らって」
「だ・・・だってヒゲが悪いんじゃない・・・」
「んあ?俺が悪い?
別に何もしてねぇぞ
・・・まあ本当に俺が悪いっていうなら謝る、ごめんな」
やけに素直じゃない・・・
「人に謝るってのは癪(しゃく)だが、
本当に悪いことしたってなら謝らんといけないからな」
「・・・私もごめん・・・」
「お、今日のお嬢はやけに素直だな」
「別にいいじゃない・・・」
少し照れる
「やっぱり今日お嬢熱でもあるんじゃないか、朝からおかしいし」
「べつに・・・なんでもないわ・・・
だけど・・・心配してくれて・・・ありがと・・・」
「ん?なんかいったか?」
「別に言ってないわよ!(どうしてこう・・力振り絞っていったのに)」
ぐー
「ヒゲ、何も食べてないの?」
「まあ、今月いま金欠だからな」
「で、喫茶店で何してたの?
もしかして八雲とデート?」
「いや、妹さんに関係あることだが、デートとか、そんなものじゃねぇよ
第一、どうして妹さんと俺が付き合ってるみたいに思うんだ」
「そりゃ、まわりから見るとそう見えるわよ」
「・・・そうなのか・・・でも断じて言う
俺は妹さんと付き合ってるわけじゃないぞ」
トクン・・・トクン・・・
力強い言葉・・・これって・・もしかして・・・?
「な、何か食べてないって言うなら何か食べに行きましょ」
「腹が減っては何にもできぬっていうからな」
※正解は腹が減っては戦はできぬ
「あ、もちろん、お金は自費でお願いね」
「ってこういうオチかよ・・・」
「嘘よ嘘、どうせお金ないんだろうから、今日ぐらいはおごってあげるわよ
さっきのこともあったし」
それから、ヒゲとラーメンを食べに行った
1分もたてば小喧嘩がはじまる
ラーメン食べてるとき、食べ終わるまで何回喧嘩したのか覚えてないほど
まったく・・・ヒゲとは相性最悪よね・・・
でもなんか安心できるというか・・・
これはこれで楽しかった
帰り道、少しだけヒゲの後ろを歩く
そこから見えるヒゲの背中は、なんか少し弱々しくて
でもすごくあったかそうで・・・
「ん?お嬢?なんか背中についてるか?」
「な、なんでもないのよ、ちょっと背中の英語を読んでただけ」
「そうか・・・
でもお嬢が普通にもどってよかったぜ
今日はいつものような張り合いもないし、
具合悪そうだったし」
「べつにーちょっと長い間ヒゲに勝つ方法を考えてただけよ」
「なにー、道理でさっきは言葉の切れがよかったわけか」
「そうよ、私だってヒゲに負ける気はないから(何を・・・?)」
「そうだな、おれだってお嬢には負けてられない(だから何を?)
お嬢、家どこだ?」
「えっと・・・もっと向こう?」
「ここから遠いか?」
「うん」
「じゃあそこまで送っていってやる」
「えっ?」
「いくらお嬢みたいなやつでも、お嬢のことをなにもしらないやつとか
とんだトチくるったやつがお嬢のことを1%以下の確率で襲ったりするかもしれないからな」
「ヒゲ・・・厚意はありがたいけど一言多いわね
まあそこまでヒゲが私のことを送りたいっていうなら送ってもらってもいいわよ」
「あーじゃあやめておこう」
えっ・・・
「っていっても一応お嬢の家は金持ちだし、【身代金目的】でさらわれる可能性だってあるからな」
「どうしてそこ強調するのよ!!」
でも・・・なんだかんだいって送ってくれるんだ
「ここでいいわ」
「ってここがお嬢の家か?
どうみても空き地にしか見えないが?
まさかお嬢・・・」
「なわけないじゃない!ここに中村(執事)が来るのよ
っていってもあと5分ぐらいこないけど」
「しゃーねー待っててやるか」
・・・どうしてここまでやさしいのよ・・
・
・
・
「今日は本当にありがとうね」
「ん?おれは何もしてないぞ」
「送ってくれたじゃない」
「そりゃ、お嬢のうちが身代金騒動になったら大変だからな」
ムッ・・・
「そうね、私だったらたくさんの犯人が狙って」
「そりゃ、家が金持ちだからな」
ムムッ・・・
「そんなこといってるとさっきのラーメン代」
「すみません、金欠なんです許してください」
「まったく・・・、あ、中村が来たわ」
「お嬢様、お迎えにあがりました」
「また明日ね、ヒゲ」
「ああ、しょうがねぇ、明日だって会いたくなくてもあってやるよ」
「そんな言い方はないでしょう!、私だって仕方なく会ってるんだから」
「って、やべ、あそこ(エルカド)に忘れ物したー!」
「あ、ヒゲ、まったく、じゃあねーヒゲ」
「おう、またな、お嬢」
・
・
・
「こんな別れ方でいいのですかお嬢様?」
「なによ、中村」
「せっかくなんですからここであの方のそばまでよってアツいキスを」
「な、なんでそんなことしないといけないのよ!」
「なんとなくです」
やっぱり私は・・・ヒゲー播磨君のこと・・・
〜おまけ〜
「にしてもまったく・・・沢近のやつはほんと、根性ないよな?」
「そうね、せっかく一人のキャラがメインのSSを書いてもらったというのに
この有様」
「とくにここの管理人、ハッピーエンドばっかしか書かないから
播磨と最後に手をつないで帰るとか、別れ際にキスするとかそんな
ストーリーかいてもらえばよかったのに」
「な、なんでヒゲとそんなことしないといけないのよ!」
「あれ?最後に【播磨君のこと・・・】とかいってなかったか?」
「あれは・・・・・・そう、あのあとに嫌いって言うつもりだったのよ」
「相変わらずベタなうそしかつけないのね、愛理」
「・・・」
「なになにー何の話してるのー?」
「あ、天満、烏丸君はいまブラックホールに吸い込まれないようにがんばってるわ
助けに行ってあげなさい
この宇宙船貸してあげるから」
「リョウカイで、あります!」
「高野、それどこから出したんだ?」
「知りたい?」
「うん、知りたいぞ」
「このことを知ったらこの地球が壊れるといっても知りたい?」
「・・・要するに言いたくないわけね、ならいいよ」
「で、沢近の問題だ。どうせ次回も沢近が最萌トーナメント勝利するんだろうから
またSS書かれるんだろ、そのときもこんな流れでいいのか?」
「べつにいいじゃない」
「よくない!(晶&美琴)」
「まあ、沢近のその心境もわからなくないぞ」
「愛理だって心の準備が必要だし
いまのところ播磨君を見るだけでドキドキしちゃうちょっと乙女心な感じだし
それに今日に限らずまた似たような夢を見たら
同じような感じになって結局話せないだけだし
このままじゃ進展しないのは目に見えてるわね」
「そこまではっきり言われると・・・少し・・・」
「それに沢近ー。このままぐずぐずしてると八雲ちゃんにとられちゃうぞ」
「ほかにも敵はいっぱいいる。もしかしたらもっと身近にも大きな敵がいるかもね」
(天満←播磨を賭けた戦いになったらたぶん最大の敵)
「だからさーもう、2作目になったら力づくで奪っちゃえよ
播磨のことも、播磨の心も、播磨の唇も・・・」
「!!!!」
「不意をつかれたからって顔を赤くする愛理のそんな乙女心もかわいいよ」
「高野・・・やっぱりなんか最近おかしいぞ」
「それは・・・恋の季節だから」
「・・・」
「しょうがねぇ・・・沢近のこともうちょっと応援してやるか」
「そうね・・・最萌トーナメントのほうは、次回対戦は余裕だと思うし
愛理の、播磨君との甘いスイートタイムのために私たちもがんばりましょ」
「・・・もう突っ込むのも疲れたわ・・・」
サブキャラ化してるのか・・・?
本当によくわからないキャラと化していますね・・
っと、あとがきがこれ以上長くなってもほとんど書くことがないので
この辺で終わりにしておきますね
ではまた応援Lv1以上のキャラが1位になったときー。