朝比奈さんは用事があると帰ってしまった
いまさらオセロをする気にもなれず(そもそもだれとやるんだ?)
長門の読書シーンを観察していても面白くもなんともなく、
だから俺もさっさと帰ることにした
「じゃあな」
「本読んだ?」
足が止まる。長門有希の暗闇色をした目が俺を射抜いていた
本。というと、いつぞや俺に貸した異様に厚いハードカバーのことか?
「そう」
「いや、まだだけど・・・返したほうがいいか?」
「返さなくていい」
「今日読んで」
「わかったよ」
俺が答えると長門はまた自分の世界に入っていった
俺は自宅に戻った後、晩飯を食ったりして、だらだらしたりしたあと
長門に貸してもらった、いやこの場合は押し付けられたノートのようなものを開けることにした
上下段にみっちり詰まった文字の海にめまいを感じた
・・・ん?よくみると人の名前か?
なんだろうとぱらぱらめくっていると半ばぐらいに挟んであった栞がじゅうたんにおちた
まあある程度は感づいていたさ
この名前がびっしり載ったノート
心当たりはあった
だけど認めないでいた
ただ、その栞は確証に変えた
「このノートに書いた人は死ぬ」
「デ●ノートかよ」
最後のページに書いてあった名前を見て、俺は大声で叫んだ
「谷口ぃいいいいいいいいいいいい!!!」
時すでに遅しだった