「はいっ!」
これから、孝之2人+その世界の住人による世界の平和を守るための戦いが始まる
隊長「これから出発だ、この特別な装置を使うことで、4年前の過去に戻る」
部下「わかってはいるが、どういう仕掛けなんだ?
そもそも時間を戻るというと未来に影響を与えてしまうように感じるが」
隊長「そうだな、特命リサーチとやら番組ではタイムマシンは不可能だと
そういう話もあったな」
部下「そもそも昔に戻るんだったら、これらの敵は3つめの世界へ
2つほど来ていることになる
第3の世界には俺たちはまだ行っていない、つまり
助けのない第3の世界では彼女たちの未来はないのでは」
隊長「それが不思議なところなんだ
そもそもその理屈のとおりになると、君たちの世界も滅亡している
君たちが生きているということはどういうことかわかるか?」
部下「は、はぁ。」
隊長「あくまでこれは俺の仮説だが、歴史とは未来から決まる
未来あってこその過去なのだ。
人間自身が動くことができる世界は過去から未来への一方通行
だから、過去があってこその未来だという考えもある
だが、こう考えてはどうだろうか。
未来はもう決まっている。ひとは言わばプログラムのとおりに
決められた時代の流れを動き、こなしていく
結果があってこその過程であり、過程の「結果」があってこその
その過程である。つまり、結末は全て未来から決まっていくのだ」
部下「少しは納得できるが、少し悲しい考えだ
人間は知的な動物だというのに、結局は動かされているなんて・・」
隊長「もちろんこれは仮説だし、そのようなことを意識しなくても人間は
生きていける。深くは考えないほうが幸せかもしれない」
部下「そうだな」
隊長「さて、話はやめて、目指す世界へいくとするか」
部下「はい」
隊長が赤いボタンを押すと、その世界へ旅立った
・・・んっ?そういえばなんでボタンを押すだけなんだろう
日時とかを指定しなくても大丈夫なのか?
ああ、4年前にしか飛べないのか。
一瞬だけ世界全体が白い世界となり、
その後、自分たちの世界でいう組織の地下というようなところに着いた。
誰も居ない。
それもそのはず、この世界でもここは「貸店舗」であった。
隊長「さて、準備でもするか」
部下「準備って何を?」
隊長「これから数日の間にお前たちの世界と同じような
組織のようなものを作らなくてはならない。
そのためには人手も必要だし、建物も必要だ」
部下「それはわかるが、どうやって人を勧誘するんだ?」
隊長「洗脳するしか・・・ないんだよな。こればっかりは」
部下「宗教団体のような活動をするのか?」
隊長「それじゃあ、期日までに人が集まるかどうかわからん
しょうがないがそっちの世界でやったことと同じような
ことをするしかないか」
部下「どういうことをしたんだ?」
隊長「それは、これだ」
隊長はタイムマシン(?)の後ろの荷台に積んである鞄のなかから
ネコミミ・・・じゃなくて、団子のようなものを取り出した
部下「もしかして、この団子をやるから、仲間になって〜とか
そんな話じゃないだろうな?」
隊長「近いが、ちがうな。この団子を食べたら仲間になってしまうんだ」
部下「・・・」
隊長「この団子は上からもらったもので、
この団子を食べた人は、この組織の員となって働いてもらう
もちろん報酬はだす。組織は金持ちみたいで、
億単位の金額なら、軽く出せるみたいだからな
あ、そうそう、女・子供には効力がないようになってるぞ」
部下「・・・すげぇ・・」
隊長「やってることは少しえげつないことかもしれないが
一応この世界の平和もかかっているわけだ
結局普通に募集しただけじゃ『誰かがやるだろう』という考えが先行し、
だれもやらない。
そんな結末は目に見えてるだろ」
部下「俺も関係なかったら首を突っ込みたくないし
組織の存在意義自体も最初は怪しく思ってたからな」
隊長「問題は3人娘隊の人たちだ
彼女たちにはもちろんこの団子も利かない
結局自力でつれてくるしかないんだ」
部下「どうやって誘ってくるんだ?」
隊長「それはもう、おだてるしかない・・な
君たちの世界でも「地球を守る素質がある」とかいって
彼女たちにこの組織の存在を教えた
そして、敵が襲ってきたときに彼女たちにそれが本当であると
信じさせ、戦いをさせた。
この世界でもそうするしかない」
水月と涼宮家の2人に手紙を送る
「親展」として、手紙をおくり、手紙自体は10月19日朝に直接ポストに投函する作戦だった
※3番目の世界の茜視点
「これは何なの?」
姉の遙とともに、2人に届いた手紙。
そこには奇妙な手紙が入っていた
「世界はあなたたちにかかっている」
どう考えてもいたずらや、宗教の勧誘にしか見えないのだが
少し恐ろしげな雰囲気をかもし出していた
手紙の全文は以下のとおりである
<1枚目> もし、この手紙の内容が嘘だと思うのならば、明日まで待って欲しい 明日までに何もなければ、この手紙をいたずらとして公表してもいいし 破いて何もなかったように捨ててもいい だが、たぶんそうはできない あした、見たこともないような敵がこの世界に襲い掛かる もしそうなったのならば、君たちには世界を守ってもらいたい 君たちには世界を守る能力があるのだ 突然の手紙で何もいえないかもしれないが、 ともかく、このことだけは信じて欲しい 明日この世界の危機に直面すると。 もしそのようなピンチになったら、次に同封する地図の場所に来て欲しい <2枚目> (地図とともに、しるしがふってある) <3枚目> 追加だが、この件については秘密裏にお願いしたい このことがばれてしまうとその人にはこの地球を守る組織に かかわってもらわないといけないからだ じゃあ、この組織の場所で待っているなんとも奇妙というか気持ち悪い手紙である
遙「わかんない・・・」
「孝之に相談してみようかな・・・?」
遙「でもここに秘密裏にって」
「この『何か起こる』っていっても
連続殺人とかそんなのが起こるだけだよね
あとで物的証拠として提出してやるっ!」
遙「・・・うん・・・」
遙には何か感じ取るものがあったようだ
そう・・・遙は明日本当に敵が襲ってくることをあらかじめ感づいていたのである
同じような手紙が水月にも届いた
「何よこれ」
不気味な手紙を開け次第、ざっと手紙を読んで、そのまま机の引き出しにしまった
こうして、3者にこの世界に危機が訪れることを「知らせる」ことが完了したのである
そして10月20日(日曜日)
まあ約束の日だ
「ほぉら、何もおこらなかったじゃん!」
と・・・・いえなかった
全てのチャンネルでニュース速報が流れたあと、数分後にはニュースになっていた
もちろんテレ○東京もである
「何・・・これ・・・」
テレビにはこの世のものとは思えない怪物がいた
人がゴミのようにみえるほど大きいのである
「これって・・・」
遙「地図のところへいかないとっ!」
「信じていいのかな?」
遙「でも結局そうするしかないよぉ・・・」
「そうだね・・」
その地図で示された場所へ行くと、水月先輩が待っていた
水月「遙っ、茜っ!」
「水月先輩にも来てたんだ」
水月「うん、地球を救えるとかどうとか」
隊長「お、きてくれたか」
部下「いまは一刻を争う状況だ。説明は短く行う」
※ちなみに隊長=部下でほぼ同一人物なのだが、これはまた
操作能力とやらで、孝之に見えないようにしてあるのである
隊長「これより、能力の解放を行う
信じられんかもしれないが、この装置を使うことにより
君たちは変身して秘められた能力を使うことができる
最初どれだけ能力が出せるかわからんが、
この能力をつかって戦って欲しい」
「私たちの能力は?」
部下「それはわからない。能力があるということはわかるが
それ以上のことはわからんのだ
戦っているうちにわかるだろう」
まるで、クリスマスプレゼントが妹だった主人公並の適応能力だが。
隊長「今回の怪物の出現位置は、知っているとおもうが、『岐阜』だ
ここから車とかで移動するとなるとかなり時間がかかる
というわけで自家用のヘリを出す。
戦いには我々が同行しないとわからんだろうからな」
3人「はい」
ちなみに現在の時間は午前8時13分
日曜日なだけに、寝ている人が多く、避難が間に合わずに被害も大きい
怪物の現れた地区の住民の25%が死亡という状況である
「何のために・・・こんな・・・怪物が」
隊長「わからない・・・でももうこれ以上被害を増やしたくない
だからこそ戦うんだ」
部下「目の前で人が死ぬのなんて見たくない
みんな思ってることは一緒だ」
「戦います。一生懸命戦います!」
到着するまで30分程度だった
少し距離があっただけに、時間がかかり、少しずつ少しずつ被害は増えていった
隊長「ここからは俺たちががんばるんだ」
道にはカメラマンとして出陣されたというような人が倒れている
隊長「彼らはまだ生きているようだ。気を失ってるだけだ」
部下「ここは俺の番かな
シールズアピアー」
部下、つまり第2世界の孝之がその言葉を唱えると、倒れている人に
目に見えない何かがかけらえた。
飛び交うもの全てがその見えない壁にぶつかる
水月「どういうこと?」
隊長「彼は、怪我を負ってるこの人たちにシールド、つまり守るものをつけました
こうすることで、この人たちはこれ以上の怪我を負うことはありません
まあ、あの怪物が踏み潰したりしたら別ですが」
水月「私たちもあんなことができるように?」
隊長「能力は人それぞれです。
でもみなさんは必ず何か特化した能力を持っています」
遙「それが私たち・・?」
隊長「そうです。判断材料などは禁則事項なのでいえませんが、
あなたたちはこのような能力をいずれか持っているのです」
水月「よくわからないけど・・・」
「やってみるよっ!」
隊長「お、話が早いね、茜ちゃん」
「茜・・・ちゃん・・・?なんで私の名前を?」
隊長「あーいや、こうやって特化しているってことを知っているのに
名前が知らないってのはおかしいだろ」
「ふーん、で、これどうするの?」
3人はよくある魔法少女アニメの変身道具のようなもの
(化粧箱に似たヤツと考えてもらってよい)を受け取ったのである
隊長「念じること。それでその能力は具体化する
まだまだ慣れてないかもしれないけど、一生懸命やれば大丈夫だ」
適応能力の早い3人は、すぐに変身を済ませた
飲み込みがはやいというのか、これを書いてる人が変身シーン慣れしたというのか
変身シーンがそっけないものである
「なんかこの力なら勝てる気がする!」
そういって3人は戦闘態勢にはいった 隊長「さて、彼女たちが戦闘に苦戦しているようだったらうまく加担しよう」
部下「加担してもいいのか?」
隊長「正確に言えばだめだ、だが、君たちの世界での1回目の戦闘
あーそうか、君はいなかったのか。
あの時、遙がかけた技が結果的に自分にふりかかって危険な状態に
いたから、それをふりはらうことをしたんだ
もちろん、敵にはまったく関与していない
遙を助けただけなんだ」
部下「少し・・へ理屈が通用するんだな・・・」
隊長「・・まあな」
「私の誕生日をこんな戦いに・・・許さないっ!
キャノンボールっ!!!」
茜が発した波動拳のようなボールは、敵へ一直線に向かい・・衝突して・・・
敵はそのまま消滅した
隊長「・・・はいぃー?」
部下「・・・なんか一発で倒しちゃったぞ?」
「・・弱・・・」
隊長「信じられん・・・
傾向から言って、俺たちのところの敵よりも
君たちのところの敵よりも強いはずなんだ
それを一撃とは・・・」
部下「破裂する寸前に怪物の能力分析をかけた
あと数十秒すれば、能力値が出るぞ
少し精度は劣るが・・・」
隊長「お、でたぞ」
Attack ・・・ 920
Defence・・・ 494
Magic ・・・ 20
Life ・・・1620
部下「・・・」
隊長「確かに敵は強くなっていた。ライフに関しては2倍近く
それを彼女は・・・一撃で倒してしまったというのか?」
変身が解除された後
茜「ねぇ、もう帰っていい?」
隊長「ん?ああ、恋人がいるんだっけね」
水月「うん、今日は茜の誕生日だから」
部下「じゃあ、いそいでヘリを出しますか」
事後処理は隊長、輸送係は部下がやることになった
水月「あの怪物ってなんなの?」
部下「それは俺にもわからない
よくわからないうちにこの現実を見せられて、手伝ってるだけなんだ」
遙「隊長とか言う人なら何か知ってる?」
部下「どうなんだろう。必要最低限のことしか教えてくれないんだ」
茜「これからも襲ってくるの?」
部下「隊長いわくの計算によると、ちょうど1年後あたりに襲ってくるだろうと。
そのときはまた力を借りることになるかもしれない。
まあ詳しいことはまた後ではなすよ
っと、忘れてた。これが世界を守ってくれた報酬だ
今は少ないが、いずれ組織長からじきじきに大量にもらえるとのことだ」
そういって部下は1人当たり10万円ずつの報酬
水月「・・って言っても私たち何もしてない気が・・・」
部下「戦闘にきてくれたんだ。それぐらいの報酬があったって罰は当たらんだろ
これでおいしいものでも食べなさい」
※2番目の世界の孝之視点
3人をそれぞれすんでいるところに返し、自分は隊長を迎えに行く
「そういえばこの世界の自分自身には会ってないな」というようなことを感じながら
30分程度かけた空の旅を終了し、隊長の元へ
隊長「おー、やっときたか。遅いぞ」
「とはいっても別に寄り道なんてしてないっすよ?」
隊長「早く組織のところへ帰ろう。少し急に話し合わないといけない部分が出た」
「茜、のことか?」
隊長「まあ、そうだな」
「・・・とはいえど・・」
隊長「ん?」
「疲れたのでまた1週間後にしないか?」
隊長「ああ、そうだな。自分たちの世界が少し恋しくなってきた気もする」
「じゃあ・・・帰りますか。」
青いボタンを押し、まず俺の世界へ、
第3の世界で経過した日数分だけ進んだ世界へ
隊長「じゃあ俺ももどるぞ」
そういって隊長も自らの世界へ帰っていった
「家に・・・帰るか」
少し肌寒くなってきた秋の日の帰り道
水月のことを考えながら一歩ずつ家への道を詰めていった