孝之と茜は結婚し、茜は孝之と一緒に暮らすことにした
前済んでいたところは広さ的にも問題があったので、済むのをやめ
毎日涼宮宅でお世話になっていたのだが、ずっと世話になるわけにもいかないし
まあ2人で暮らしたいと話すと、茜のお父さんは
「うちに1週間に1度帰ってくるということならいいぞ」という条件が与えられた
そのため、少し広めのアパート的なところにまず住むことになった
(家賃は茜のお父さんが払う払うとノリ気である
ただ、今までもお世話になって、これからも世話になるわけにもいかないので
これに関しては就職したら少しずつ返していこうとおもう)
まあそんなわけで引越し作業がある
基本的に俺がいままで一人暮らしで使っていたものはある程度残っている
まあそれを含め、茜の部屋にあるものなどもあわせて持っていき、ないものは買おうと思う
まずないものを洗い出さないといけないので、今日は持っていくものを決めるために掃除をしていた
押入れをあけるといくらかアルバムが出てくる
茜の目を盗んでアルバムをあけて見ていたが、それに気づいた茜はすぐに顔を赤くして閉じる
「だめーーーっ!」
「えーっ、茜の子供の頃の思い出見てもいいでしょ」
「だめなものはだめーっ!」
どうやらかなり恥ずかしいらしい
そうでもないんだけどなぁ
「茜だったらこどものころからもかわいかっただろうし
いいでしょ?」
そういうと少し茜は照れて
「でもだめ☆」という
とりあえず茜の前でこれをやると一発ぐらい叩かれそうなのでやめた
これに関しては茜がいない時にこっそり見よう
そのあと、片付けもひと段落して、
「飲み物持ってくるわ」といって台所の冷蔵庫まで飲み物を取りにいった
そのとき、涼宮さん(遙)に、
「これから茜と二人暮らしだね
茜を泣かしちゃだめだよ・・・」
「ああ、わかってるさ」
「うん、鳴海君は茜のこと大好きみたいだから大丈夫だよね」
「うん・・って何言わせるんだ」
「ふふ・・でもよかった、鳴海君で。茜はすごく幸せなはずだよ」
そんな話をした後、茜のところに戻る
その時茜は小学校の時の卒業文集を読んでいた
俺が入るとそれをささっと後ろに隠す
やっぱり恥ずかしいのか?
でも・・・こっちはみちゃおー!
なんとなく茜が恥ずかしがってすぐ隠したのが妙にツボで
茜にちょっかいを出したくなったというのが事実か
茜の近くにいくと、押入れの方に文集を戻そうとの足取り
よし、その方法を封じちゃおう!
先回りして、茜の進行方向をふさぐ
「ちょっと、孝之」
でもこういう追いかけあいをしているのは楽しいらしく怒っているわけではない
茜の前に回りこむ
そして必殺コチョコチョ攻撃
ずいぶん子供っぽい攻撃だが、効果は絶大だ
それに絶えられなかったみたいで、持っていた卒業文集を落とす
「たーかーゆーきー!」
「いいじゃんいいじゃん、茜のことをもっと知りたいし
茜のことが大好きで大好きで、茜のことをたくさん知りたくて仕方がないんだ」
・・・いってて恥ずかしくなった
そして茜はそれ以上に照れていた
まあこの攻撃により、茜の卒業文集・アルバムなどを見るフラグを立てることができた
茜と肩を並べてまず、アルバムのほうを見る
「あー恥ずかしい」
でも茜はとてもうれしそうだ
それから卒業文集を開く
まあ知らない人ばかりなのは当然だな・・・
とりあえず、ぱらぱらとめくって「涼宮茜」をみつけた
好きな食べ物、嫌いな食べ物とか見てると今とぜんぜん違うことに気づく
やっぱり、知らないこといっぱいあったんだな・・・
そして将来の夢のところを見る
「あの人のように立派な水泳選手になるんだ」
そうか、そのころから水泳選手になるのが夢だったんだ
だからこそ、この夢だけはかなえなくちゃいけないんだよな
「・・ん?あの人って誰だ?」
えっとね・・・これは水月先輩のことだったんだ
詳しいことを知ったのはもっと後だけど、私ね5歳ぐらいのとき海でおぼれかけたんだ
なんでそこにいたとかは覚えてないんだ。
だけど、これだけは覚えてるの、誰かが助けに来てくれたこと
聞いた話によれば、偶然すごい波が打ち寄せて、ライフセーバーの人でも助けにいけないような
状態だったんだって
そんな状態なのに、一人の女の子が助けてくれたの
助けに来てくれた瞬間のことは今でも覚えてるよ
これが水月先輩だったってこと
初めて知ったことだった
これまで長い間一緒にいたけど、これほど大事なことを知らなかったわけで
茜ちゃんが水月先輩をあそこまで慕う理由、そうだったのか・・
「もし追いついたと周りが思ったとしても、それは追いつけてないんだと思う
水月先輩はもっともっと高い場所にいるんだ
でもだからこそ、そこに追いつこうとがんばるんだ」
さて、私のは見せたよ、じゃあ今度は孝之の見せてね。
・・・ああ
卒業文集・・・卒業文集
・・・あああああっ!!!!
小学校6年生の文集は最高潮にふざけて書いたやつじゃないか
あれを見られたらたぶん3日は笑われるぞ
速瀬に言うことはないだろうけど、言われたとしたら100日はネタにされるぞ
「あーーーーーー文集だけはだめだっ!」
「えーっ・・・わかった」
「ふぅ・・」
「なんて、引き下がったりしないよ☆
私も見せたんだから、孝之が見せてくれるまで」
茜はコチョコチョ攻撃をかましてきた
「見せてくれるまでやめないよー」
「よし、いくらでも耐えてやろうじゃないか」
「・・・・」
「・・・・」
(30秒経過)
「わ、わ、わかったっ見せるって」
茜はなんとなく勝ち誇った表情をした
そして文集を見せる
・・・はい、予想通り大爆笑されました
それから、茜はくすぐり攻撃に妙にハマったらしく、よく仕掛けてくるようになった
傍から見れば、なにやってるんだ、このバカップルは?って感じらしいが、
俺たちは俺たちでこれが楽しいからこれでいいんだと思う
さて、2人暮らしが始まって、初めての茜の誕生日がやってきた
茜を驚かすためにぬかりはない
茜が寝たのを確認したら、そーっと起きて、部屋一面を飾り付けにしはじめた
飾り付けが全部終わったのは4:00ぐらい
「4:00か・・・6:00ぐらいになったら茜を起こして驚かせよう」
あと2時間・・・適当に本でも読んで待ってよう・・・
・・・
・・・
コチョコチョっ!
「うわっ!」
時計を見ると7:00
どうやら眠ってしまったらしい
そしてコチョコチョっとやったのは茜のほうだ
「もう・・・最後の最後にねちゃうなんて・・・」
「あー眠気に勝てなかったみたいだ・・・ごめんな・・」
「昨日の夜から準備始めたの知ってたし
おきてたんだけど、目を開けたら悪いかなとおもってめをつむってたんだ
だって、布団に入ってから2分で眠ったと思うなんてはやすぎだよ
ケーキだって冷蔵庫に普通にはいっててバレバレだよ
冷蔵庫に開けるなとかいてあってもね・・・」
「いろいろとダメダメだったんだな」
「でも・・・ありがと☆」
茜からのキス
そして、離れた瞬間
コチョコチョ
「うわっ!」
「スキありだよっ!孝之」
「やったなー、おれからも」
「あーっ、腰だけはやめてーっ!」
まあそんな風に日々は過ぎていくわけで・・・
俺たちは、バカップルである。