〜授業開始初日〜

結局孝之は、庶務係という、ついさっきとってつけたような係に任命される

その理由は、先生による「ただ頼みやすいから」という理由だそうだ・・・

というわけでかなりめちゃくちゃな状態なのに割と普通に学校生活が始まった

で、今は物理の授業中

そして、もう暇になっている

だいたい、1度受けた授業をもう1度受けたら暇になるに決まってるし・・・

俺は、白陵大に進むために、1年から3年までの勉強を猛勉強して、
一応覚えたつもりだ

だから、その「覚えた」ことをもう一度やられると暇なんだ!

指名するときも、「鳴海にはこのことはわかっているから」という理由で飛ばされるし・・・
俺が授業を聞いている理由は何なんでしょうか・・・

ある意味地獄の時間が続いている


しかし、そんな時間が終われば、楽しい日々が待っているわけで・・・

茜「孝之。一緒に帰ろう。」

女子1「おーおー、これからいちゃいちゃタイムですか?」

孝之「どうする?なんか反応返す?」

茜「・・・?」

孝之「あえて、ここでいちゃいちゃしてみるとか?」

茜「!?」

孝之「じょ、じょうだんだって・・・」

茜「もぅ・・・」

女子2「早速ラブラブタイムだね、じゃあねー茜。お幸せに→」


俺たちは坂を歩いていた

明日から、茜はもう水泳部の練習に参加するということで、
こんなに早く帰れるのは、もうほとんどないだろう
というわけで、今日はデートがてらに橘町に遊びに行くことになった

孝之「で、ここ見るのか?」

茜「もちろん孝之も見るんだからね☆」

限りない笑顔は地獄への誘いか・・・
ということで、二人で競泳用の水着コーナーに行くことになった

孝之「はぐれるなよ」

茜「子供じゃないんだから!」

いや・・・茜にはぐれられると、こっちが別の意味で見られる可能性があるからいやなんだが・・・

というわけで、茜のそばを離れないように歩く

そういえば、速瀬のときも関心してたっけ・・・

競泳用水着の薄さ・・・
どこまで薄くなるんだか・・・

というか俺の目から見ればどの水着も同じような気がするのだが、違うのだろうか?

さっぱりわからない


そもそも、なんでこんな八越とかいうデパートに競泳用水着の専門店があるんだ?

やっぱり、速瀬や茜ちゃんの影響か?

水泳をやっている人以外は入りくいぞ、この店

と、いろいろと愚痴をこぼしながら、結局は茜の笑顔に負けて2時間二人で選ぶ
外へ出るともう6時半だった

茜「孝之、今日も付き合ってくれてありがとッ」

チュッ

茜がほほに軽くKiss

もう、これだから恋愛は素晴らしー!

ラブラブ万歳!


〜5月6日(水)〜

というわけで、今日から体力テストなのだが
一応体力には自信があった

茜といっしょに何度も水泳やったり(ほとんど勝負して負けてるけど)
そのためにはかなり鍛えたりしてたなぁ・・・

そんなこんなで、今回の体力テストは異常に自信があったのである

茜に体力のあるところを見せて格好つけようと思った

そのために事前に言ってあったのだが・・・

秋田先生「えーっ、今年から、体力テストの行動は、男女別れて移動します
     まあ、去年と概要とかかわらないからほとんど関係ないだろうが・・・」

孝之「・・・」

秋田先生「あと、鳴海はこっちへ来るように」

今度は何だ?去年はふざけてたからな・・・でも今年はまじめにやるって言うの・・・

孝之「なんでしょう?」

秋田先生「まあ、いつもならまじめにやれって呼び出すんだがな・・・」

孝之「はあ・・・」

秋田先生「今年はまじめにやるんだろう」

孝之「・・・」

秋田先生「でも、残念だったな?」

孝之「・・・?」

秋田先生「女子と男子が別々で・・・ほら、同じクラスの涼宮と付き合っているんだろ?」

孝之「えっ!?」

秋田先生「何で知ってるんだ?って思っただろ?
     まあ、見てればわかるんだよ
     まったくお前も隅に置けないな・・・卒業したと思ったらまた入ってきて
     今度は彼女と同じ学校ということで入学してきて・・・」

孝之「あっ、いや・・ただ間違えただけですけど・・・」

秋田先生「とにかく・・・残念だったな・・・でも・・・これから幸せになれよ!」

孝之「はあ・・・」


秋田先生ってこんなに親近感湧く先生だったっけ?

とりあえず、この日は今まで最高の記録を出した

せっかく、ハンドボール投げなんか、計測用に引いてあるラインを超えて行ったし、

100mも俊足で走ったし・・・

後は茜が見ていればよかったのだが・・・

まあいいや・・・よしっ、部活だ部活!


ちなみに俺は水泳部に入部した

マネージャーとして

たまに泳ぐことはあるが、めったに泳がない

そんでもって、マネージャーといっても、ほとんど茜専用マネージャーだ

もちろん、茜の水泳のすごさから、誰も文句は言わないが・・・

というわけで、茜と一緒に部活のほうへ行く

茜「今日は、どんなメニューですか?マネージャーさん(はあと)」

孝之「今日はこのメニューだ」

といって、紙を渡す

茜「わかった」

孝之「よしっ、今日もがんばろう!」

茜「うん!」

孝之「そこまで!」

茜「はぁはぁ・・・」

孝之「一分休憩、それから3分流し」

茜「はぁはぁ・・・」

孝之「40,41,42,・・・」

茜「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」

孝之「58,59,60,・・・よしっ、3分間の流し」

茜「よしっ・・・」

孝之「よしっ、5分休憩して・・・最後100mのタイムを計る
   それで今日のメニューはおしまいだ」

茜「はい!」

孝之「終了!」

そのころもう8時を回っていた

ほかの部員は帰っている時間だ

茜だけは別メニューということで、時間をオーバーしてもいいことになっている

顧問の先生「終わったか?じゃあ、お疲れ様でした!」

顧問の先生に挨拶をしてプールを出てくる

それから、もうすでに暗くなったあの坂道を茜と手をつなぎながら歩く

茜「孝之だいぶマネージャーらしくなったね」

孝之「茜のことは何でもわかるからな」

茜の手の握りが少し強くなった

茜の方を見るとすこし照れた様子で微笑んでいる

その笑顔を見てこっちも照れそうになったが照れ隠しで話を続ける

ゆったりした空気が流れる

橘町のほうはまだ明かりが残っているが、こっちは少し暗く、音ほとんどしない

まるでここは茜と二人だけの世界のようだ

おれも茜の手を少し強く握り締めた

そうすると茜も対抗して少し強く握る

その繰り返しが何度か続く

そして、そのあとに二人でお互いを見て少し笑いながら微笑む

茜と一緒にいられて本当に幸せだ

茜も同じようなことを考えていてくれてるなら・・・うれしいな

そんなことを考えていると、茜の家の前に着く

今度は俺から、

孝之「おやすみ、茜」

こういって茜を引き寄せ、口づけする

茜「おやすみ、孝之(はあと)」


それから、自分の家に帰る

毎日が楽しくて仕方がない

茜の家から帰るときは常時にやけ顔だし・・・

というより、誰か俺のことを見たらきっと変人だと思うだろうな・・・
こんな夜ににやけながら歩いているんだし・・・
まあいいや。ラブラブ万歳だ!

家に帰り、飯を食べたりいろいろ済ませて、今日も早めに寝た

もちろん、茜と夢の中でも会いたいので、枕元には茜の写真

今日もいい夢を見られますように・・・

〜7月17日(金)


校長「・・・というように、夏休みになっても気を緩めず、引き締まって生活してください。」

いや、長かった校長の話が終わった

まったく・・・終業式の予定時刻より15分も長引いているじゃないか・・・
暑いときにこんな蒸し暑い体育館に全員集めて・・・何の陰謀だ?

というように、文句を言いたかったが、何とか倒れる前に終わったので、よしとしておこう

そして、校歌斉唱の後、教室に帰る

これから成績通知表が返ってくる

というより、テスト楽勝だったからな・・・

ちょっと楽しみだ

予想通り、5・5・5・5・5・5・4・5

まあ、苦手だった日本史はしょうがないが、それ以外は5だったのでよかった

もう、こんな成績初めてだ

いままでは2だの3だのがうようよしていて、開けるのさえも怖かったのに・・・
もう怖いものなしだ!

先生の話が終わって、さようならして、これから自由時間だ
そんでもってこれから夏休みだ

まあ、ほとんどが茜のマネージャーとして部活に来る時間になるが、
茜とずっといられるということなので、逆にそっちのほうが楽しみだ

さて、茜の方にでも行きますか! 孝之「茜ー!」

茜「あっ、孝之?孝之は成績どうだったの?」

孝之「じゃーん!5・5・5・5・5・5・4・5!」

茜「すごいっ、でも私も負けてないよ!」

茜の成績表を見る。
オール5ですか・・・
はいすみません、かないません

お昼ごはんを食べて、今日もプールに行く

そして、茜のマネージャーという任務を果たす

今日は部活が早く始まったので、茜の体力や昨日・今日の状況を考えて、早めに切り上げることにした
というわけで、今は最後の練習内容である5分流しである
カチッカチッカチッ・・・ピピピピピ・・・
孝之「そこまで!」

おれの声がプール中響く

昔はそのたび周りがビックリしていたが、もう慣れたのだろう

むしろ、おれの声が響くのが日常かもしれない

茜「はぁ・・・はぁ・・・」

孝之「お疲れさま」

といってタオルを投げる

そして、茜はタオルをキャッチする

孝之「最近泳ぎが前よりももっとよくなってきているぞ
   今日、中盤で計ったタイムは3回とも好調時のタイムを維持していたし
   5分間の流しもばてた様子もなかったし・・・」

茜「孝之がいるからだよ。ほら、孝之にがんばっているところを見せたいから(はあと)」

孝之「ほ、ほら、早く着替えて来い、外で待ってるから」

茜「照れ隠し?なんか顔赤いよ」

孝之「い、いいだろ」 茜「じゃあ外で待っててね☆」

孝之「まったく・・・あんなふうな甘えの声に俺が弱いのを知ってて・・・
   まあ、こうやって俺だけに茜の想いが向けられてるってことだから
   こんなにうれしいことはないんだけどね・・・」


こうやって待っている時間、茜とどんな話をしようかとか、考える

もちろん、結局は考えたとおりにはまったく行かないのだが、
茜といるときのことを考えるだけでも幸せだから、結局考える

本当に俺は茜のことが大好きなんだな・・・


茜「孝之、お待たせ!」

茜が最高の笑顔で登場
こんなときは毎回ドキッとさせられるのは言うまでもない
照れ隠しにちょっとそっぽを向くと、茜がよってきて
「あっ照れてるんだ☆」と笑顔で言いながら
耳元で「大好きだよ」っていう

そしてまた大きく照れる

まったく・・・俺すごく幸せだよ!


茜「どこ行く?」

孝之「そうだな・・・もう今日は遠くに行っている時間ないし、駅前でもぶらつくか?」
茜「うん、そうだね」

孝之「ほら、夏休みは長いんだ、よし、約束。夏休みは二人でいろんなところへ行こう!」

茜「うん☆」


二人は歩く

お互いを信じることができた
偽りのない透明な心でお互いを思いやる
そんな心が二人の愛をさらに大きくしていく

二人には希望があった
ずっと一緒にいたいという希望があった
夏休みに入った・・・
きっと今年の夏も楽しくなるであろう




―――あとがき―――

テストインラブのときはすんなり壊れられたのですが、
こっちの設定だと難しいですね

いやあ、本当に難しい
遙×孝之の場合、壊れ系の話が結構書ける(BAMもテストインラブも壊れ系ですし・・・)
のですが、茜×孝之だと、どんな風に壊れるのかが思い浮かばない部分もあるんですよね
そんでもって、壊れ方を見つけると今度はその壊れ方の使用場所が見つからない
といったように、壊れを入れる場所がありませんでした

さて、今回のSSですが、設定のハチャメチャさが目立たなくなってきましたね
もともと、この作品は孝之の大きな勘違いによって引き起こされたものですが
孝之の学校生活の溶け込み具合から、そんな設定あったのか?
と忘れてしまうぐらい目立たなくなってきました
まあ、茜と孝之が一緒の学校に入る口実だったと思えばいいのでしょうかね・・・

茜は水泳をがんばっています
そして孝之はマネージャーとして茜とともにがんばっています

この二人のペアで水泳全国制覇できるのか?
そんでもって二人の愛はどんどん深まっていくののでしょうか?
いや、愛が大きすぎて壊れてしまうのでしょうか?

それとも、秋田先生が何かしでかすのでしょうか?

最近忙しいので、次のSS公開もまた1ヵ月後になってしまうかもしれませんが、
ちょくちょく書けるようにがんばりますのでご期待ください

P.S これを書くのに5〜6日かけました
それも、連続ではなく途切れ途切れで書いていましたので、
表現が少し変わってるかもしれません
おかしなところがあったら掲示板orメールで教えてくれるとうれしいです



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