〜3月7日〜

孝之は悩んでいた

どんなお返しをしようか?

テレビを見ていると、ホワイトデーのお返しは3倍返しとか、6倍返しとか・・・

っていうか、あの6倍って・・・どのくらい・・・?


もちろん孝之は料理などは「生きる」ためでしかしない。

だから、チョコなどを作ったことはない

その前に男がチョコを作ってお返しをするというのは・・・


よしっ。

俺が行こう

ダンボールの中に入って、誰かに届けてもらおう

それで、遙が箱を開けたら

「愛してる。遙」

みたいな感じで・・・


って、馬鹿か俺は?

誰が運ぶんだ?

まず速瀬に頼んだら・・・

学校にいけなくなるな・・・

一生、速瀬に迫害されて生き続けることになる・・・

じゃあ、慎二にでも頼もう

いや、慎二も危険だ・・・

「おまえ、かわったな・・・」

ってあきれられる・・・

じゃあ、自分から宅配便の業者のところへ言って

「運んでください」って言おうか・・・

いや、それだと、茜ちゃんが受け取ったら・・・

完璧に馬鹿にされる

そして、速瀬の耳に入る・・・

その前に、65Kg前後を運んでくれるのか?


食べ物でおかえしじゃなくて・・・

そうか!!

決めた

あれにしよう


そうと決めたら俺は行動がはやかった
俺は紙に何かを書いた
そして俺は、貯金を全ておろした

そのお金を持って、ある店に駆け込んだ・・・


「いらっしゃいませ。」

「あの・・・こんな感じのを作ってもらえませんか?」

「プレゼントですね?日付は?」

「3月14日ということでお願いします。」

「はい。あと、メッセージはこの絵のような感じでよろしいでしょうか?」

「はい。お願いします。」



俺はあのとき、家で、指輪のデザインについて書いていた

彫ってもらう内容・形など・・・

遙の指輪のサイズは知っている

二ヶ月ぐらい前、橘町の前の露天で、1000円ぐらいの指輪を買う時に、遙の指輪のサイズを知った



「えっと、出来上がるのが12日ごろになりますがよろしいでしょうか?」

「はい、じゃあお願いします」



買ってしまったよ

今までの人生で最大の買い物

下ろした貯金もほとんどなくなっていた

でも、遙に喜んでもらえるなら・・・



〜3月12日〜

プルルルルルルル。プルルルルルルル

「鳴海さま。指輪のほうが出来上がりました」

「はい。じゃあ、すぐにとりに行きます」


よし、これでプレゼントはできたぞ

でも、これを普通に渡すだけじゃあまり驚かないだろうな・・・

14日は盛大に驚かせてやろう


〜次回(最終章)へ続く〜



―――あとがき―――

バカップルぶりを書きたくて、書き始めたこの作品。
孝之のいかれたぶりを書きたかったのですが
なんだか、孝之がまじめになってきます
いつものことですが、孝之を書こうとすると何故かかっこよくなってしまうんです
最終章(3月14日編)は、明日までに書きます
挿絵のほうは、入れられたら入れようと思ってますが・・・
とりあえず最終章、ご期待ください・・。


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