前日終業式だったということで、今日から冬休み!
遙とこれからずっと一緒にいられるぞ!
(といっても、学校の間も結構一緒にいたけど・・・)
で、今日は明日のパーティーの準備のための買い物に行くことにした
明日はクリスマスイブ!ということで、茜ちゃんが「クリスマスパーティーやろう」って言った
遙とずっと二人きりで過ごそうかなと思っていたが、まあこういうのも悪くない
パーティーといっても、そんな夜遅くまでやるわけではないと思うので、その後は遙と部屋で二人きりで
過ごしていよう
まず、橘町へ行った
このあたりは、商店街や百貨店が集まっている
そのなかのあちこち、というよりほとんどの店でクリスマスに関するフェアをやっている
クリスマスツリーが飾ってあったり・・・
サンタクロースの人形や、サンタクロースの格好をした人
あっ、遙がサンタクロースの格好をしたら・・・
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やばっ!かわいすぎる・・・!
やべぇ・・・頭の中からその想像が離れない!
みるみる顔が赤くなっていくじゃないか!
遙「孝之くん、どうしたの?
顔真っ赤だよ?」
「な、なんでもないよ!」
遙「?」
頭から離れろ・・・
せめて今だけでも頭から離れろ・・・
それには10分以上かかった・・・
気を取り直して、百貨店に入った
下の階のほうは、高そうな専門店があつまっている
貧乏学生がこの店に関わっても、明らかに「0」の数が1個から2個足りないことが多い
ただ、クリスマス前ということで、客の数がすごい
まったく・・・景気が悪いってのに、こういう店は景気いいもんだな
で、俺たちはまず6階に向かう
6階にパーティーグッズをたくさん扱う店がある
茜ちゃんは結構その店で、今回その店に買い物をいくつか頼まれた
買い物リストを見ると、
クラッカー…まあ、定番だな
トランプ…このまえ、茜ちゃんがカードをきっている間に、一枚折っちゃったからな。
変装セット…自分で着る気なのか?それとも俺が着せられるのか…?
ツイスター…もしかして、最近CMでやってるやつか?
というように、いろいろな買ってきて欲しいものが書いてあった
まったく、本当に茜ちゃんはこういう商品好きだなぁ・・・
次に、二つ階を降りる
今度は、服などを売る専門店が集まっているフロアだ
やはりどこの階もカップルだらけだ
というわけで、この中で俺たちが一番ラブラブなんだといわんばかりにくっついて歩く
ここではまず買うものを決めていた
そう、マフラーである
遙の手編みのマフラーも捨てがたかったが、なにしろ、遙のうちにずっと泊まっているのだから
いつもいちゃついていて、遙が編む時間すらない
だから、今回は市販のもので・・・ということで、かなり長いマフラーを買うことにした
長さにして、1m50cmぐらい
遙と二人で一緒に巻くのだ
ああ・・なんて俺幸せなんだ!
想像だけでも幸せだ
遙と相談し、マフラーを3本買った
で、外へ行き、商店街を歩く
もうすでにマフラーを2人で巻いている
きっと、前にいるカップルにも、後ろにいるカップルにも負けてないぞ
俺たちのラブラブパワー
いろいろな店の人から「おっ、ラブラブだね、お二人さん」などといった声を掛けられる
そのたび、遙が照れる、その表情がかわいくてやっぱり俺も照れる
本当に・・・なんて幸せなんだ!
すべての買い物を済ませ、家に帰る
今日は茜ちゃんも練習が休みみたいで、家族全員が集まっていた
茜「あっ、お兄ちゃん、お姉ちゃんお帰り!って、二人でマフラー巻いて・・・
本当にラブラブだね」
昔はここから冷やかしモードに入ったのだが、もう飽きたのか、慣れたのか、普通の対応
茜「ケーキも買ったし、ほかのものもそろったし、明日楽しみだね☆」
茜ちゃんはすごくうれしそうだ
茜ちゃんから聞いた話によると、遙のお父さん・お母さんはクリスマスパーティーの時には
食べきれないほどの料理を振舞うらしい
そして、俺が来たということで、今年はもっと量を増やすと張り切っているみたいだ
どれぐらいの量になるのか・・・想像つかないな・・・
まあ、明日を楽しみにしていよう
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〜12月24日(木)〜
遊園地にいる
朝、茜ちゃんに「遊園地いくよー」と起こされた
これも毎年恒例で、
なんでも、パーティーの料理をしている間は見てはいけないという決め事があるらしい
つまり、パーティーが始まるまでは、俺たちは料理の量や種類などは知ってはいけないというらしい
こんなのもパーティーらしくていいかな、ということで遙・茜ちゃん・俺の3人で遊園地に来ている
茜ちゃんは何かと絶叫系のを乗りたがる
でそういうときには、茜ちゃんは遙を説得し、3人で乗るのだが、
遙は半泣&常時しがみつき
そんな状態で帰ってくる
それでもまた茜ちゃんは絶叫系に乗ろうとする
茜ちゃんはこの状態を楽しんでいるのか?
一方遙は子供向けのゆっくりの乗り物に乗りたいという
そんな状態が4時間以上続き、結局遊園地のすべての絶叫系の乗り物&子供向けの乗り物を制覇してしまった
絶叫系に疲れ、腹減ったので、遊園地内のショップで食べ物を食べようかと提案したら茜ちゃんからSTOPがかかった
なんでも、昼飯を食べたら、今日のパーティー料理が食べきれないらしい
本当に、量がすごそうだな・・・
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夕方の五時になった
もうくたくた&かなりおなかすいている
家に向かうことにした
玄関の扉を開けると、食べ物のいいにおいがかなり充満している
茜ちゃんは急いで自分の部屋に行き、クラッカーを持ってくる
一人1個ずつ持って、いつもの居間に行く
うわっ!なんだこの量は・・・
料理の量が想像よりも明らかに多かった
このテーブルを埋め尽くすぐらいかな・・・と思っていた
が、この居間のテーブルを埋め尽くすだけではなく、台所にもまだ置いてある
そんでもって、置ききれなかった分は違う部屋においてあるらしい
茜「うわっ・・・今年はがんばっちゃったね・・・」
茜ちゃんによると、去年はこのテーブルを埋め尽くすぐらいだったらしい
本当に・・・なんだこの量は・・・
あの短い時間で、どうやってこの量の料理を作ったのかという疑問はあったが、
あるものはある!ということで、深入りしないことにした
真ん中には遙のお父さん特製の大型ケーキがある
本当に力入ってるなぁ・・・
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いや、食べても食べてもなくならない!
食べきるのか?
みんなで30分ぐらい食べてるのだが、まだ3割程度しか減ってないぞ
遙はもうおなかいっぱいって言っているし、茜ちゃんは鶏肉系のものしか食べてないし
遙の父さんは「はっはっは、鳴海くん。君はまだ若い、どんどん食べてくれ」といって、
たくさん俺の皿に乗せてくるし
もうそろそろ、俺も食べられなくなるぞ!
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結局、食事のほうは半分食べてリタイア
あまったものは近所に分ける、これも毎年恒例らしい
そのために、近所の好みリストというようなものがあって、その好みに応じて分けるみたいだ
遙のお母さんだけでは大変そうなので、俺が半分手伝うことにする
で、配り終わって、帰ってくると、部屋に誰もいない
どこいったんだろうと探しているといきなり
茜「お兄ちゃん、メリークリスマス!!」
「うわっ!」
さっきまでいなかったのにいきなり茜ちゃんが抱きついてきた
って、その格好かい!
茜ちゃんは、昨日買ってきた変装セット(めがね・カツラ・ひげなど)をつけている
ウケる・・普段の茜ちゃんとのギャップが・・・大きすぎる
その後は、遙のお父さんが出てきた
って、なんでお父さんまで!
今度は体に当てるプラスチックのやつと、変なはちまき、かつら、あとはほほにマジックで渦巻きを・・・
やばい・・・遙の家族って普段も少し壊れているけど、壊れすぎだぞ!
遙のお母さんが扉を開けてきた
「お父さんも茜ちゃんもどうしちゃったんだ?」といったことを聞こうと思ったがやめた
やっぱりお母さんまで変装してる
そんでもって、お父さんよりも強烈だ
かなりの厚化粧をかけ(白すぎ)、ほほの部分は赤く塗ってあって
なぜかいつの間にか着物に着替えている
仮装大会なのか?
その仮装の内容も全くクリスマスに関係ないし・・・
3人が来たということは、次は遙か
まてよ、一人一人来るたびすごい仮装になっていくということは・・・
遙はどんな仮装をしてくるというのか?
ガチャ
遙が扉を開けて入ってくる
その服装は、俺にとって別の意味で衝撃だった
遙「に、似合ってる・・・?」
遙は顔を赤らめこっちを見る
その服装は、なんと、サンタクロースの服
か、かわいい・・・
昨日商店街のところで想像してしまったものよりもかわいい
似合いすぎだ・・・
思わず固まってしまった
俺が何も言葉を発しないため遙は「似合ってないのかな?」と心配な表情
茜「お姉ちゃん、大丈夫。お兄ちゃんはお姉ちゃんがかわいすぎて固まってるだけだからっ!」
遙「えっ?」
遙の顔はさらに赤くなる
やべぇよ・・・
一撃必殺を喰らったようなかんじだ
茜「ほらほら、お姉ちゃんのサンタクロースの格好、食べちゃいたくなるほどかわいいでしょ?」
「あ、茜ちゃん!」
茜「あーっ、やっぱりそう思ってるんだ!すごい顔真っ赤だもん」
遙「茜っ!」
あーっ、最高だよ
遙サンタは俺に最高のプレゼント、というより、最高の幸せをくれたよ
それから、いつものように娯楽タイム
まず、新調したトランプを使用し、ババ抜きやら、7ならべやら・・・
あとは、茜ちゃんと神経衰弱一騎打ちをしたり
その後は、昨日買ってきた「ツイスター」をあけて、遊んだ
楽しい時間は過ぎるのが早く、いつのまにか10時半
一人ずつお風呂に入り、後は寝るだけといった状況になったころは、もう11時半を過ぎていた
遙と部屋に行く
そのあと、ちょっとまっててと、遙を部屋に待たせ、遙のお父さんのところへ行く
そして、あるものを受け取る
「おまたせ、はい、これ遙に。」
遙「えっ?」
きれいにラッピングされた箱を渡す
遙「あけていい?」
俺の了解を取ると、遙はすごくきれいにラッピングを開ける
包装紙を少しも破かないで、きれいにといってくところが几帳面というか・・・
遙が箱を開ける
そこには、銀色のリングが入っている
リングには、「Eternal love with you...Takayuki」と刻印されている
それを読んで、遙はさっきよりももっと強く俺に甘える
すると、遙のほうも、引き出しからラッピングされた箱を取り出す
ラッピングをとくと、そこから時計が出てきた
こちらも、メッセージを入れることができるものだ
そこには、「Haruka loves you forever」とかいてある
なんか、すごくうれしかった
文自体は簡単な単語のみで構成されているが、その一つ一つから遙の想いが伝わる
俺も、遙にすごく甘えたくなった
夜であることは、いつもと一緒
遙の部屋にいるということもいつもと一緒
だけど、今日が12月24日というだけで、なんだかいつもとは違う、なんだか神秘的な気持ちに駆られた
人々は、サンタクロースなんていないという
そんなことないんじゃないか
この神秘的な夜
サンタクロースがいてもおかしくない
というより、いるんじゃないか
人々の暗い心がサンタクロースの存在を消しているだけで、
本当はいるじゃないか
いない、なんて誰も証明できやしない
だからこそ、いるって信じるべきなんじゃないか
サンタクロースはきっと来る
会うことはできないけど、きっと来るんだ
なんて考えたりした
子供のころは、日付の変わる瞬間まで起きてようかな、サンタクロースに会ってみたいな、
なんて思ったこともあったっけ?
でも結局眠さには勝てなくて、寝てしまって、朝起きるとサンタクロースが来た後
プレゼントに喜びながらも、今年もサンタクロースに会えなかったな・・・って
小学校3年生の時に親からサンタクロースは「親」なんだって聞かされてがっかりした
それから、サンタクロースに関する特集などがあっても、見ようとすらしなかった
でも今は、またサンタクロースの存在を信じている
だって、この方が夢がある
このことを遙に話したらなんていうかな?
もしかしたら、遙も同じようなことを考えているかもしれない
時計を見る
問題の時間、つまり日付の代わりまで、あと30秒を切った
20秒・・・・10秒・・・・
5・4・3・2・1・・・
日付がかわった瞬間、部屋のドアが開いた
茜「お兄ちゃん、お姉ちゃん、外、雪降ってるよ!」
遙「えっ?」
「よしっ、じゃあ見に行くか。」
遙「うん。」
遙と一緒に外に出る
本当に雪だ
天気予報では曇りって言ってたけど、雪、降ったんだ・・・
遙「ホワイトクリスマスだね☆」
「そうだな」
神秘的だ・・・
科学とか気象学とかでその当たりで解明しようとすれば、簡単だ
また、「偶然」という言葉でも片付けられるかもしれない
ただ、俺は「プレゼント」だと信じたかった
やっぱりいたんだな、サンタクロース
俺たちのために、サンタクロースは神秘的なプレゼントをくれたんだ
「遙、これからもずっと一緒にいような」
遙「うん(照)」
俺たちは雪の降る空の下、口付けを交わす
メリークリスマス・・・
そして、サンタさん、ありがとう
プレゼントの英語ですが「Eternal love with you」で、「あなたとの永遠の愛」を示します
Eternal=永遠の
with you=あなたと
なので、そういう意味になるわけです
ちなみに、「Haruka loves you forever」は、「遙はあなたを永遠に愛します」という意味になります
3人称単数だの、複数形だのといった解説はわかりにくくなりそうなのでやめておきます
で、最後にサンタクロースの話
これは、解説しないでおきます
文章のとおりということで、詳しく書いていないところは想像にお任せというようにしておきます
最後に、私からメリークリスマス