孝之「どうだ?そこ出来たか?」

遙「うん。孝之くんが手伝ってくれたおかげだね☆」

孝之「・・・(照)【くぅ・・遙の笑顔は何度見てもかわいいぞ】」

そう、遙宅では大掃除をしていた

孝之と遙は、遙の部屋担当

茜が「お兄ちゃんとお姉ちゃんを一緒の場所にするといちゃいちゃするから」
との理由で猛反対したが、その反対は却下されていた

いちゃいちゃする時間はあったのだが、
そんな時に茜ちゃんに覗きにこられては困る

2度ほどそっと歩きながらこの部屋の前まで来て、
耳をドアに開けて中の雰囲気を感じ取ろうとしていたのは気づいた

つまり、茜ちゃんがいる限り油断は出来ない!

結局念入りに掃除をするしかないというような状態だ

遙「?」

遙はなんだかきょとんとしたような顔つきで、押入れの中を見ている

孝之「遙、どうした?」

遙「見たことない箱が・・・」

孝之「・・・」

こういう展開、もしかして、小判が見付かるとか、

遙の幼いころ遊んでいたおもちゃとかが見付かるとか

どっちでもいいかも。

遙「地図?」

孝之「えっ?」

あの、冒険系のアニメとかでよく出てきそうな地図だ

地図の中に×マークがある

孝之「えっ、これってここの家の地図だよね?」

遙「うん、そうみたい」

孝之「で、屋根裏部屋があるところに×が書いてあるんだけど・・・」

宝の地図なのか?

なんで遙のうちに・・・

もしかして、家の大きさから金持ちなのかなというのは分かるけど、
それ以上にお金持ち?

宝とか隠されていたり?

孝之「行ってみるか」

遙「えっ、でも?」

結局、遙は、孝之の誘い(孝之は十分やる気に満ちていた)を断ることが出来ず、
結局遙と孝之は、探索に入ることにした

孝之「屋根裏入るの初めてだな。」

孝之は、屋根裏の存在は知っていたが、入ったのは始めて

というか、屋根裏自体どんなものなのかを詳しく知らなかったので、
余りの狭さに驚いていた

孝之「こんな狭いんじゃ、何もないかな?」

遙「孝之くん、あれ・・・」

遙が指差した方向には、人が一人くぐれるだろう狭さの隠し扉のようなものがあった

孝之「なにこれ・・・
   とりあえず、真相を調べるため、いってみよう!」

孝之は行動が早かった

遙「あっ、待ってよぅ・・・」

その扉をくぐると、また屋根裏のような広さの場所が広がっていた

孝之「なんだ、もう一つあったんだ」
遙「初めて見た・・・」

孝之「これ・・・どこに繋がっているんだ・・・」

屋根裏部屋2の壁際に、また人が一人くぐれそうな隙間があった

そして、先は滑り台のようになっている

この家・・・どうなってるんだ?

遙「たかゆきくぅ〜ん」

遙がこの言葉を言ったとき、孝之はもう滑っていた

孝之「遙ぁ〜大丈夫だぞ〜」

遙「じゃあ、今から行くね。」




孝之「ここは・・・?」

遙「・・・」

涼宮家、恐るべし!

からくり満載、というか、滑り台をくぐった後、洞窟のようなところが広がっている
というのはかなりおかしい

どうなっているんだ?

遙「たかゆきくぅ〜ん」

遙は甘えた様子で俺の腕を組んでいる

そんな遙もかわいくてかわいくて、つい頬が緩む

遙「ここどこ・・・」

遙がちょっと怖がっているような口調で甘えてきた

孝之にもいきなり恐怖が襲ってきた

まず、遙のうちを探検している時点で、このような洞窟が出てくるはずがない

そして、ここはどこなのかが分からない

さっき滑り台で降りてきたのだから、戻るにはどうすればいいのか分からない

茜ちゃんに会うことはない、つまり誰にも邪魔されずに「いちゃいちゃ」できる
という利点も、このような気味の悪いところではつかえず、
自分の行き当たりばったり的な性格に後悔を感じていた

とりあえず歩いていた

どこまで広がっているんだ?

この洞窟

先がどうなっているんだ?

遙は、俺と1cmも離れないような距離で歩いている

するといきなり遙が少し離れた

孝之「遙?」

遙「たかゆきくぅ〜ん(泣)」

そこには、遙・・・と、犬が20匹前後・・・

あの公園で、ハトにたかられた時のように、犬に囲まれている

この洞窟にこんなに犬がいるとは思えないし、というか、こんなに囲まれるなんて・・・

遙「うぅ・・・」

ごめん・・・遙・・・この伝説・・・笑い・・・こらえられそうにないよ・・・

伝説だよ・・・すごいよ・・・

結局、犬20匹が遙から離れるまで5分かかった

遙はすごい・・・

意外なところで遙伝説を見てしまった

レジェンドだよ・・・

犬にたかられたせいで、遙の服が一部分破けていたり、しわしわになっていたりで

孝之の心もかなりくすぐっていた。

でも、やはり恐怖は取れなかった・・・

どんどん暗くなっていく

遙「孝之くん・・こわいよぉ・・・」

遙はなきそうだった

孝之「もし、何かあっても遙だけは絶対守るから
   俺にとって遙は何よりも、誰よりも大切
   だから、うん、遙だけは守るから!」

確証はない、でも遙だけは守るという自身はあった

遙「うん。」

遙はしだいに笑顔になっていく
キスをした・・・

どんなに恐怖を受けていただろうか

お互い、信じあっていた

孝之「よしっ、じゃあ、いくか。」

遙「うん。でも・・・えっと・・・(照)」

孝之「えっ、なんだ?」

遙「えっと・・・うんと・・・(照)」

遙はもじもじしながら、言おうか言わないか迷っている

孝之「・・・?」

遙「そのまえに、ぎゅーっと、して、そのあと、頬にキスしてほしいなぁ(照)
  茜も見てないし(照)」

強い・・・さっきまで恐怖だらけだったのが、いきなり恐怖すらなくなっている

孝之「よしっ、遙は甘えん坊だなぁ(笑)」

遙「だってぇ(照)」

結局、その場所でいちゃいちゃしていた時間が30分前後・・・

自分達のおかれている状況を分かっていたのかどうか・・・

それから、また歩き出した。

遙「孝之くん、あれ!」

孝之「えっ、あっ!」

遙の指差す方向に、マンガやゲームで見る宝箱とは少し違うが、
宝が入っていそうな箱がおいてある

罠かもしれないが、そこは行き止まりとなっているので、開くしかない

今度はどんな仕掛けが・・・

孝之「・・・なにこれ・・・?」

遙「・・・」

宝箱には、何故か、某遊園地のパスポートチケットが2枚入っている

孝之「宝?」

遙「・・・・」

茜「はいはい、お姉ちゃん、お兄ちゃん、おかえり。」

普通に、茜ちゃんが来た

どうやら、隠し扉のようなところからこっちへ来たらしい

茜「ほらほら、こっちこっち」

遙「・・・」

孝之「・・・」

茜ちゃんに導かれるまま進むと、そこは涼宮家リビングだった。

遙「出られたんだ・・・」

孝之「なんか、わけわからないけど・・・」

遙父「はっはっはっ、きみたち、肝試しはどうだったかい?」

孝之「き、肝試し?」

遙父「いやぁ、うちに伝わる伝統でね。結婚をしてから9ヶ月たったら
   この肝試しのところへ行かせるというしきたりがあるんだ
   私のときもねぇ、母さんと一緒にいったよ
   そのときはねぇ、もっとすごい仕掛けがあって
   宝も用意してなかったんだが・・・」

孝之「はぁ。」

遙「・・・」

茜「お姉ちゃんとお兄ちゃんの行動、あっちの部屋でモニターで見てたよ
  誰もいないからってずいぶんいちゃいちゃしていたみたいだけどね。」

遙・孝之「!?」

茜「キスした回数・28回。抱き合った秒数・合計14分、連続最大5分
  えっと、あとは・・・」

遙「もぉ・・・(泣)」

孝之「茜ちゃん!!」

遙父「はっはっはっ、見てると昔の母さんとの思い出を思い出すよ」

茜「お父さんがお母さんと入ったとき、中でどんな感じだったの?」

遙父「いやぁ、母さんがずっと甘えてるような声を出してて・・・
   でも、いい思い出だ」

孝之「で、お父さん、このパスポートは?」

遙父「それは、私からのプレゼントだ。
   大掃除もがんばっていたし、それよりもあの試練をクリアしたから・・・
   明日は楽しんできなさい」

次の日・・・あったかくはないのだが寒くはない日になり、天気も快晴だった

絶好の行楽日和、2人は子供のように楽しんだ



―――あとがき―――

書かれていない設定を・・・
まず、これらの肝試しのようなものは涼宮家に伝わる伝統で、
結婚9ヶ月でこのような儀式をするということです
仕掛けについては、リフォームの時、屋根裏に入り口が移動したのですが、
昔は、祖父の部屋に入り口があったそうです
(畳を開けて入る)
そして、重要な部分
もし、孝之や遙が地図を見つけても「行かない」という状態になってしまっていた場合の
作戦などは、一応考えてあったみたいです

ということで、裏設定は充実していました

さて、この作品は、
第1回奇妙な投票所の結果で書くといってましたが、
実現するまで半月かかってしまいました
ネタ自体は、締め切ってから考えたもので、
ほかの人が1位になっていた場合、
ぜんぜん違う作品になっていたことが考えられます

質問の2問目
(新婚旅行の話)が出ています
このSSを読んだ人は、その後、投票してくれると嬉しいです



SSの部屋に戻る     TOPへ戻る