〜4月4日〜


遙「桜・・・きれいだね・・・孝之くん」

孝之「うん・・・でも、遙のほうが・・・」

遙「もぅ・・・孝之くんたら。」

水月・慎二「はぁ・・・」

それは、4人で花見に来ていた日のこと

もちろん、孝之+遙は相変わらずのラブラブっぷり

周りに人がたくさんいるというのに、小突き合いのようなものを始めた

相変わらずだ・・・

慎二「孝之も・・・あのころと・・・ぜんぜん変わったな・・・」

孝之と遙はは晴れて同じ大学に合格。

その影響からか、当社比500%ぐらいラブラブ度が上がったみたいだ

学力のほうもあるが、本当に孝之の性格は180度といっていいほど変わった

水月「あのねえ・・・遙も孝之も、こんなところでラブラブしているんじゃないわよ・・・」

孝之・遙「えっ?」

水月「え、じゃない。周りだって見てるんだから・・・」

孝之「まあ、いいじゃないか・・・偽りを見せるより真実を見せたほうが・・・」

水月「そういうことじゃなくて・・・はぁ・・・」

今日は寒い朝だったというのに、二人の熱々ぶりで、気温が15度ぐらい上がっている

水月は桜のほうを見た

ただ、桜よりも隣の遙と孝之のラブラブッぷりのほうが数倍目立っていてる

花見に来たというよろも、熱々見ということだろうか

遙と孝之は肩を寄せ合って、メトロノームのように左右に動いている

ただ、慎二も水月ももうこれ以上突っ込む気力もない

慎二・水月「はぁ・・・」

水月「でも、ちょっとうらやましいな・・・

水月がぼそりと一言

慎二「速瀬?」

水月「だってさ・・・まあ、恥ずかしいけどさ・・・遙も孝之もすごく幸せそうだもん」

あのラブラブぶりは確かに大げさかもしれないが、でもすごく幸せそうだというのは
感じ取ることができる
笑顔が途切れることがない二人

そんな二人を見ていて、うらやましく思わないはずがなかった

慎二「・・・そうだな・・・孝之だって、前はさ、ほんとになんもやる気がなさそうだったけど
   でも、一緒にいたいという目的を見つけて、必死になってがんばってたし
   新学期のテストだって、いつもは100点中40点ぐらいだったのがいきなり98だし
   まあ、一時期はカンニング疑惑も持ち上がったけど、それからもずっとがんばり続けて・・・
   あいつはあいつなりに幸せを見つけて、それを努力して得てきたんだ・・・」

水月「・・・」

慎二「速瀬。言おうか言わないか迷ってたけど・・・」

水月「慎二君?」

慎二「ちょっと、これから言うこと、聞いててくれ」

水月「・・・」

慎二「これから、速瀬とはほとんど会えなくなるかもしれないって思った。
   実業団に入ってしまえば、練習だって大変になるだろうし、
   自分の時間と合う時間もどんどん減っていって、気軽に会うことができなくなる。
   だから、俺の気持ちは伝えようと思ってた。
   でも、やっぱり自信がなかった。
   このことを言ってしまえば、今度会ったときバカやって笑えることもなくなっちゃうだろうし
   正直自分の気持ちを言う自身もなかった
   だからこそ、言っちゃう
   俺、速瀬のことが・・・好きだ。」

水月「え・・・慎二君?」

慎二「俺の気持ちは・・・本気だ。俺と・・・付き合ってほしい」

水月「・・・・・・」

慎二「・・・・・・」

水月「・・・うん」

孝之「おっ、カップル成立!!」

水月「ちょ、ちょっと・・・聞いてたの?」

孝之「ずっと俺たちここにいるのに、聞こえないはずがないじゃないか・・・」

水月「あんた達、メトロノームは?」

孝之「メトロノーム?よく分からん・・・。
   まあ、でも、慎二もよくやったなぁ・・・こんなところで告白なんて」

慎二「あのなぁ・・・お前らみたいにいちゃいちゃするよりはぜんぜんだぞ・・・」

孝之「どうだか・・・」

遙「よかったね・・・水月」

孝之「じゃあ、カップル成立を記念して、チュウ見せてもらいましょうか。」

水月「ちょ、ちょっと、孝之!!」

慎二「あ、あのなあ・・・」

孝之「まあ、いいじゃないか、初々しさを見せてもらいましょうよ。
   あなた達はチュウをしなければなりません。
   3、2、1、はい。」

水月「ぶっとばすわよ!」

遙「まあ・・・でも、水月・・・おめでとう」

水月「ありがと・・遙」

孝之「じゃあ、早速桜の下でらぶらぶっぷりを見せますか?」

慎二「いっとくけど、お前らみたいに公衆の面前でいちゃいちゃするようなカップル
   にはならないからな」

孝之「まあ、先のことは分からないけど、そういうことにしておきましょうか」

遙「じゃあ、慎二君と水月は、カップル記念日だね。」

慎二・水月「・・・?」

遙「えっとね・・私達は・・・8月6日はミー・・もがっ」

孝之「あっ、なんでもないから。とりあえず、記念日の話は2人だけのときに・・・

遙「・・・?」

じゃあ、カップル成立を記念に写真を撮るか。

慎二「なんか、そんなに色々といわれるとちょっと恥ずかしいなぁ・・」

パシャ。

桜の木の下で、私達はまた一歩進みだした

桜の花が散ってしまっても、それらは消えることはない

明日・・・あさって・・・未来・・・

私達はそれらの日のことを予測できない

でも・・・いつまでも4人の仲が続いていることを信じることができる

桜の木の下で私達は4人で笑った。


あとがき(変更)

「もがっ」というところは、孝之が遙の口を押さえたところです。

さて、慎二+水月ですが、これはif話ということになっています
この組み合わせ、意見が分かれるところだと思います。
ただ、孝之が遙のことをずっと好きでいて、その想いが続くとしたら
水月は結局はあきらめなければなりません
そんなとき、孝之を遙から奪ってしまえば、悪役になってしまいますし、
1章のノリから、孝之が遙と別れようとすることはないと思うのです。
(BAMの話では、誕生日(学生時代)結婚でした。
 そこまではいかないとしても、このままだとやはりかなり早い結婚になると考えられます)
それと、水月は、そのこともありますが、実業団のこと、嫌がらせのことから
きっと誰かの助けを求めているはずです。
孝之も水月のことを1人の友達として大事にしていますが
慎二もそのようにすると思います。
それで、好きになるかどうかといえば、それははっきりと「なる」とはいえませんが

続編は書きません
ちゃんとした設定で書いたのですが、続編は書きません
でも、これだけは最後に付け加えておきます
4人ともみんな幸せになって、4人ずっと仲良かったということを