〜7月7日〜


「お姉ちゃんなにやってるの〜ってうわっ、何その怪しい紙・・・」

「あっ茜ぇ・・・これね、こっくりさん」

「・・・」

「さっきテレビで、こっくりさんをやると真実が分かるって言ってたから・・・」

「あのねえ・・・でも、それ一人じゃできないんじゃない?」

うるうる・・・

「そんな目で見ないでよ・・・」

遙父「遙、茜、なにやってるんだ?」

「あっ、お父さん。なんかね、お姉ちゃんがこっくりさんやりたいんだって・・・」

遙父「おお、そうか、おいお母さん。ちょっとこっちへ・・・」

遙母「あらあら・・・呼びましたか?。あら、こっくりさんじゃないの・・・」

遙父「遙がやりたいそうだ。」

遙母「あらあら・・・じゃあやりますか」

【何でこんなに乗る気なの?】

遙父「あっ、でもあれは3人でやるものじゃなかったか?茜を入れると4人になってしまう」

【入れなくていいから・・・というか、何でそんなに詳しいの?】

遙父「まあ、いいか。3人寄れば文殊の知恵っていうし、4人によればもっと知恵が集まるだろ」

遙母「あらあら・・・さすがお父さん。うまいですね・・・」

【ってか、本当にお父さんは大学教授なの?】

遙父「よし、じゃあ、茜はここ。遙はここ。で、お母さんは私の正面と・・・」

遙母「昔を思い出しますねぇ。」

「昔って?」

遙父「いや・・・俺たち結婚する時のプロポーズがこっくりさんだったんだ」


遙父「話があるんだ・・・」

遙母「・・・?」

遙父「いや、これをやってくれないか?」

遙母「こっくりさん?」

遙父「ああ・・・これで話を聞いてほしい」

遙母「・・・?」

遙父「こっくりさん・・・こっくりさん・・・私の言いたいことを、かわりに示してください」

遙母「け?」

遙父「・・・」

遙母「っ・こ・ん・し・て・く・だ・さ・い。って!?」

遙父「ああ、これが俺の気持ちだ。」

遙母「じゃあ、返事もこっくりさんに・・・」

遙父「は・い。そうか。ありがとう。」

遙母「あなたと結婚できるなんて、夢見たいですわ・・・」

遙父「私もだ。」


【なにこれ・・・?ドラマチックなのかなんなのか良く分からないんだけど・・・】

「そうなんだ。こっくりさんてすごいんだね?」

遙父「じゃあ、コックリさんが信頼できるかどうか、まず私達の質問からいいか?」

「あっ、うん。」

遙父「こっくりさん・・・こっくりさん・・・私は、母さんのことを今でも愛していますか?」

遙母「・・・」

【つーか何この展開?って何でお母さんはまた照れてるのよ・・・】

「す・ご・く・あ・い・し・て・ま・す?」

遙母「あらあら・・・まあ父さんたら・・・」

遙父「はっはっは・・・まあ、そんなとこだ・・・」

遙母「じゃあ、私も・・・。こっくりさん、こっくりさん。私はお父さんのことを愛していますか?」

「す・ご・く・す・ご・く・あ・い・し・て・ま・す?」

遙父「はっはっは・・・すごくすごくか。こりゃ一本とられたな・・」

遙母「私は、あなたといられて幸せですよ」

遙父「わしもだ・・・」

【・・・はぁ・・・またはじまったよ・・・】

「こっくりさんて本当に当たるんだね・・・。じゃあ、次は私もやってみよっかな」

遙父「おっ、遙もやるか?何が占いたんだ?学校で好きな人でもできたか?」

「・・・・うん

遙父「そう、照れるもんでもない。好きな人くらいいて当たり前だ」

遙母「じゃあ、やってみますか。」

「こっくりさん、こっくりさん。その人は私のことを今好きですか?」

遙父「い・い・え?そ・・・そうなのか・・大丈夫なのか?」

「なる・・・じゃなくて、その人は私のことまだ知らないと思うし・・・
  実際友達にはなれたけど、まだ、そんなにアピールもしてないし・・・」

遙父「じゃあ告白したらどうなるか占ってみたらどうだ」

「うん!こっくりさん。こっくりさん。私はその人に告白した時OKをもらえると思いますか・・・」

遙母「は・い?」

「!?」

遙父「おっ良かったじゃないか!!よし、娘の告白成功を祝って、今日は乾杯だ!!」

遙母「あらあら・・・今日はお祝いですね・・・」

「今度告白するよ。うん。いつかお父さんとお母さんに紹介するから・・・」

遙父「よし、そのころのために知人が送ってくれた神戸牛を残しておくか」

遙母「そうですね」

【お父さん・・・お母さん・・・お姉ちゃん・・・わたし、3人のテンションについていけません・・・】


あとがき

本文だけではすごく分かりにくい表現があったので、あとがきで解説します
まず、こっくりさんは3人でやるというのは事実というか、定説で
本当は4人や2人でやるものではありませんが、遙父が遙母に告白する時は2人で
家でやったこっくりさんは4人で(一応茜も参加した)やっています
それと、プロポーズのシーンは回想です

また、こっくりさんには始めの挨拶、終わりの挨拶などがあったり、色々とあるのですが、
それらは省略しました

もちろん、いつもと同様【 】内は心の中の台詞です
茜はほとんどしゃべってません。
ほとんど突っ込みを心の中でしているだけです
遙父>遙母>遙(>は不等号) の順で壊れています
茜はこの中で1番しっかりしているというか、突っ込み役(正式には突っ込んでませんが)です
とにかく、誰かが壊れた作品を作りたくて、書いてみました
この作品では孝之と遙のバカップル(汗)SSよりは壊れることができませんでしたが・・・

最後に、分かりにくかったかもしれないこっくりさんPartの説明
>遙父「は・い。そうか。ありがとう。」のところですが、は・いというのは、
母さんの答えを読み上げたということです
ほかのこっくりさんの結果(す・ご・く・あ・い・し・て・ま・す など)も誰かが読み上げています

最後に気づいたのですが、今回の主役は多分・・・遙父だと・・・