「涼宮遙」、彼女に決定する
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「ざわっ・・・ざわっ・・・」
どよめき、歓喜がいりまじる東京ビッグサイト
そこで彼女は認定生徒、つまり魔法学校の最優秀生徒に選ばれた
「やったな遙」
「うんっ!」
一緒に喜んでいるのは鳴海孝之という同じ魔法学校の生徒、
彼の成績は上から数えて2番
彼女と付き合うまでは下から数えて2番だったため、大きく成長した
言い換えれば単純な男だ
そんなこんなで魔法学校の授賞式が終了した
それから2人はフジテレビのあの球みたいなやつを四角い形に変えたあと
神奈川県にある自宅へと帰っていった
「おいーすっ!!」
「遙、やったわね」
フジテレビの社員を驚かせている間に帰宅した2人
【涼宮茜】・・・彼女の妹で、天界の大天使
大天使法は廃止されたんじゃないかという突っ込む人もいるかもしれない
「あれはあれ、これはこれ」だ
【速瀬水月】・・・海に眠る人魚姫という噂があったが去年から魔法学校へと
入学することになった生徒だ
かなりの水泳狂で、水であればどんな水でも泳ぎだすという
前とは違った噂をもたれている。なお、この噂は本当である
まあそんな2人に遙は胴上げされた
胴上げされること428m
森ビルよりも東京タワーよりも高い視点から彼女は神奈川県一面を見下ろし、
それからありえないぐらいの自由落下運動を行って着地
魔法使いにとってこのようなことはたやすいことなのである
「じゃ、私大天使、ブリッツ様の部屋の掃除があるから!」
そういって茜は帰っていった
「私も海に帰るわ」
どうやら、人魚の噂も本当らしい
きっと2人は気を利かせてくれたのだろうが、そんなこと孝之と遙には気づいていない
話は180度変わる。
遙たちは今度、白雪姫の劇を演じることになっていた
それらの劇は、魔法学校の文化祭で行われる
魔法学校の文化祭は、どっかの早大とか呼ばれるところよりも盛り上がるらしい
そんなわけで、大天使やら、人魚やら、台詞の与えられていない慎二やらも見に来るらしい
というわけで、「魔法学校3ねんほしぐみ」の劇をご覧いただこう
※「」がない部分はナレーション
「それはー。親が貴族だからよー」
「おお、王子よ王子・・・なぜあなたは王子なの?」
「それはー。親が王だからだよー」
彼女たちカップルは世間的にも公認カップルになっていました
土日は映画館やゲームセンター、バッティングセンターやゲートボール場
その他、マルキューやハンズなど、さまざまなところに一緒に行く仲でした
「鏡よ鏡、この世で一番タモリの物まねがうまいのはだれだ」
「(姫様)です」
「なんじゃっ!もう私は怒ったぞっ!」
こうしてまるいわじょ・・・失礼しました、悪い魔女は青酸カリが塗ってあるリンゴを
持って、お姫様のところへと行くのでした
「こんにちはーっ」
「あ、(魔女)さんこんにちは」
「最近暑いですね」
「そうですねーっ!」
「東京は最高気温30度だそうですよ」
「そうですねーっ!」
「実家のほうからリンゴが届いたんでひとつどうかと」
「わあ、魔女さん、ありがとうございます」
すこしこの純真な笑顔にやめようかなと戸惑うも、自分が一番ではない
という、この悲しさが勝り、青酸カリが塗ってあるりんごを手渡したのです
「・・ペロッ、これは青酸カリっ!」
姫は一なめしただけでそれを見破ったのです
「いったんCMです」
そういうと姫は深い眠りに落ちてしまいました
「私よりタモリの物まねがうまい人なんてこの世からいなくなっちゃえばいいのよ」
そう捨て台詞を残して、魔女は立ち去っていきました
一方王子は、そのとき仕事終わりで、ケーキを買っているところでした
今日は姫の誕生日、姫を喜ばせたい一心から仕事が終っても寄り道をして
いろいろ買っていたのです
「姫は喜んでくれるかなー」
王子は少しにやけていました
頭の中には姫が喜ぶ姿しかなかったのです
だけど王子は、姫の家に行ったときに異変に気がつきました
いつもなら姫は王子が家に着けばそれをすぐにみつけて、
飛んでくるのです
「おかしいな」
チャイムを鳴らしても姫は出てきませんでした
いやな予感を感じ、王子は太陽の10倍の早さで走りました
するとすぐに台所で倒れている姫を見つけたのです
「姫、姫、姫っ!!」
その隣に魔女が落とした名刺のようなものが置いてあったのです
「くそ、あいつが・・・」
そしてその隣には14:15と書いた時計が落ちて壊れていました
「くそっ・・・おれが・・・おれが寄り道なんてしなければ・・・」
王子は自分への責任と、姫を自力で助けたいという想いから
魔女のところへと旅立つことにしました
王子は何の武器も持っていません
まず王子はアイテム屋に行くことにしました
「いらっしゃい。何を買っていくんだい?」
「これください」
「おう、60Gだぜ」
「60G!!高くないか、まだ冒険開始時だぞ」
「こっちは慈善事業じゃないんでね、ちゃんと儲けがほしいんだよ
お前さんいくら持ってるんだ」
「30G」
いくら王子様といっても最初からお金を持っているのは卑怯なので
30Gからのスタートなのです
「ああ、とりあえず武器がほしいなら皮のマントと鉄の棒にしな
これならあわせて20Gだ
あとは薬草1つ10G、それで30Gだぜ」
「わかった・・・じゃあそれでいただこう」
「まいどありーっ!」
現実とは厳しいのです
さて、いくら安物の武器であっても、王子はそれを使いこなし
たくさんの敵を倒していくのです
敵は途中でお金を落としてくれるので、王子様はそれをつかって
どんどん武器を強化、またレベルもアップしていきました
しかし、彼も疲れることがあります
彼は宿屋を見つけ、休むことにしました
「ホテルニューオ○タニへようこそ
用件はなんでしょうか」
→宿泊する 30G セーブをする ロードをする 話す 外へ出る |
彼はそう誓い、一晩の休養をとったのである
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夜が明け、彼は全回復しました
宿屋(ホテル)の売店でアイテムの買い物を済ませ、
セーブも済ませ、魔女のいる新潟県へ向かいました
新潟県までは新幹線で一本でした
途中新幹線内で敵がエンカウントすることも何回かありましたが
姫を助けたい一心で、一度もゲームオーバーにならずに新潟へ
ついに魔女の住む森へ着いたのです
森では、こうもりやら野生のオオカミやらが登場し、王子様の行く手を阻みました
それでも王子は屈することなく、ただ一直線に魔女の住む城へ向かいます
右肩に少し怪我を負いながらも、ついに魔女の城の前に到達したのです
【ピンポーン】
王子はチャイムを鳴らしました
「はい?」
何も知らない魔女は応答してしまいます
「よし、いるんだな、これから強行突破する」
「はいどうぞー」
魔女はドアの鍵を開け、出迎えました
「ずいぶん余裕だな」
「何のことかしらね」
「しらばくれるなっ!お前が姫を眠らせたのはわかっているんだぞ!!」
<魔女証人喚問>
「私は、あなたの姫に何もしてないわ。
だいいち、そんなことをして何の得になるっていうの?」
「待ったっ!!
得・損とかいう問題はまだわかっていません
昨日の事件の時間のアリバイ的なものを話してください」
「まあ、得にならないってのはわかってると思うけど
それじゃだめだっていうから・・・
そう、きのうの2時ごろはこの屋敷にいたわ
まあ、だれも見ていた人がいないからそれじゃだめっていうのかもしれないけど」
「異議ありっ!!!
・・・・あなたはなんで昨日の2時に犯行があったってのをしっているんだ?」
「にゅ、ニュースでみたのよ」
「たしかに、ニュースでも放送していましたね
それも含めて証言をしてください」
「今日の朝、その事件のことを知ったわ、青酸カリですってね
怖いですわ・・・ただ、そんな青酸カリなんて私が入手できるわけないってのは
わかっていただけますか?」
「異議ありっ!!!
・・・・・・・・
なんであなたは青酸カリによる事件っていうのを知っているんだ?」
「そりゃ、ニュースで・・・」
「彼女はなぜ倒れているのかわかっていません
そんな風にいうかもしれないと思い、犯行に使われたリンゴは俺が持ってきた
つまり、ニュースではそこまで詳しく放送されていない」
「司法解剖したかもしれないじゃない!」
「司法解剖?姫はまだ死んでないぞ!」
「!!!!!」
「これほどまで詳しい情報を知っているのは犯人以外ありえない
よってお前が犯人だっ!!!」
【ガヤガヤガヤガヤ・・・】
サイバンチョ「静粛に!!
魔女さん、あなたがやったのですか」
「・・・・・はい・・・」
【ざわっざわっざわっ・・・】
「というわけで、魔女、お前を倒して、姫を目覚めさせるっ!!」
【プルルルルル・・・プルルルル・・・】
「あ、もしもし、王子だが
なにっ、姫が目を覚ました。
わかった、すぐ行く」
なんと、姫が目を覚ましたようです
「わるい、魔女、お前と戦ってる余裕がなくなったようだ
じゃあ俺帰るわ・・・」
「なによー。せっかく来たんだからゆっくりしていきなさいよー」
「そんな暇ねぇ」
王子は魔法をつかって姫のところへと瞬間移動で向かいました
姫は目を覚ましていました
それから王子と姫は結婚し、最新の防犯設備を備えた家に住むことになり、
幸せにくらしたとさ・・・
−完−
「どこがよ・・・そもそもなんのために王子は新潟まで行ったのよ」
「そこがいいんじゃない?眠った姫のために敵を倒しながら一歩ずつ向かっていく姿」
「やっぱり茜のいうこと、たまにわからなくなるときあるわ・・・」
「にしてもお姉ちゃんすごかったね」
「・・・?」
「お兄ちゃんも一言一言がキレあったし」
「・・・たしかにキレがあったかもしれないけど・・・
遙が宿屋の女将で、孝之がアイテム屋のおっちゃん・・・」
「それがよかったんじゃない」
何を言っているかわからないかもしれないのでここで解説
別に王子=孝之、姫=遙だったわけではない
確かにこの2人はリアルカップルだったりするのだが、その2人が王子と姫をやるなんていう
漫画的展開にはならないわけである
また、台詞自体が太字になっていたのはわかりやすくするためである
「緊張したよ・・・」
「あ、お姉ちゃんおつかれさま」
「なんとかやりきったぜ」
「お兄ちゃんもおつかれ」
こうして、慎二の台詞がまったく無いまま、文化祭は終った
そして、2人は家に帰る
「よし、遙、溶かしつくしてって3回いってみて」
「うん!
とかしつくして
とかしつくして
とかちつくちて!」
「いえてないw」
「なによぅ・・・orz」
「ごめんごめんww」
「星空がきれいだな」
「そうだね」
「じゃあおまじないしよっか」
「ああ、そうだな(照)」
「いたいのいたいの とんでけーっ」
「・・・そっちなの?」
(終)
それからありえないぐらいの自由落下運動を行って着地 魔法使いにとってこのようなことはたやすいことなのである