〜2年後・・・SFD後〜
(孝之視点)


孝之「水月がんばれーーー!!!」

遙「がんばって、水月ぃー!」

茜「水月先輩、ふぁいとー!!!!」

慎二「速瀬、がんばれーー」


ここはオリンピック選手選考会

シドニー五輪(2000年)に向けて水泳100mクロールの選手を選ぶのだ

水月は、フォレックスの進学をけって白陵大へ進学した

周りは批判が多かったが、水月の名言は心に残る

そんな批判組に見せ付けてやるように、どんどん記録を残している

フォレックスにいるのと同じか、それ以上の功績を残しているかもしれない

もしここで、2位以内に入ればオリンピック出場決定だ

というわけで、うちらの仲間総動員で応援に来ている

水月の両親も、そしておれの両親(なぜ来ているんだ・・・?)も来ている

なんか、うちの母親、水月の両親に挨拶してたな・・・


この100mを泳ぐ1分間、実際にはそんなに短い時間ではない

水月にとってはこれからの1年間のための1分間である


おれたちの応援は水月に届いただろうか

いや、きっと届いたはずだ

だって、水月はそのとき、華麗なターンを決めて、後続を突き放して・・・

そしてそのまま見事オリンピック出場を決めたんだから・・・


泳ぎを終え、着替えを終え、水月がおれたちのところに帰ってきた

おれの脳内では


〜孝之「水月 おめでとう」といって水月を抱く
 水月「もぅ・・・孝之、みんな見てるよ・・・」といいながらもほほを赤める水月
 そして歓迎する3人
 そして1回だけ口付けを交わす〜

というストーリーが出来上がっていた


というわけで、水月を抱きしめようと水月のところへ走っていく

しかしその直後、

茜「水月先輩おめでとうございます!!」

と、茜ちゃんがおれを15m31cm吹っ飛ばして先に水月に抱きついた

いや抱きついたというか・・・タックルしたというか・・・

くそぉ・・・計画が実行できなかったじゃないか・・・

とりあえずもう帰るモードだったので、水月の隣に行って歩き始めた


家に帰った

それからニュース番組をいくつか録画設定して、涼宮さんの家に行く

涼宮さんのお父さんやお母さんの有志により、
「速瀬水月 オリンピック出場記念パーティー」というのが開かれた

そこにはおれの親も出席している

料理は軽く20人前ほどあり、たぶん食べきらないだろう

そしてなぜか、「アンソニー猪木」という活を入れる系の有名な人も出席しているもんだから
もう、どこまで力はいっているんだか・・・


うちの父親は途中から酔っているんだか、なきながら「うちのせがれも本当にいいお嫁さんを得た」とか

別にこれは結婚披露宴じゃないぞ!

おれは水月の両親にも、歓迎されているみたいで「娘を頼む」といわれた

この二つの言葉でおれたちは少し顔を赤らめた


家に帰る

水月もついてくる

おれは適当にビデオテープをまき戻して、ちょうどいいところで再生する

そこには「期待の新生 速瀬水月オリンピック出場決定」のようなテロップのニュース

水月のほうも最初は「映ってる映ってる」と嬉しそうに見ていたが

ビデオテープが磨り減るぐらい(もう30回は見てる)おれが見ていると

飽き飽きした感じで「まだ見てるの?」と聞いてきた

でも水月は顔を赤らめてうれしそうだ


それから、いろいろ記者会見・インタビューやら、
オリンピック出場のための手続きやらが続く

しかしそのとき、信じられない事実を知った


おれは家に帰ってから速瀬に甘えながらちょっと涙入っていた

おれ・・・速瀬と一緒にシドニーへ行けない・・

なんでも選手村は、マネージャと選手しかいけないそうで、
おれは一応大学ではマネージャということになっているが、オリンピック出場ということで
一時的にマネージャが変わる

おれがマネージャだと主張したが、水泳経験がまったくない俺には適さないと却下された

というわけで、日本で速瀬のいない寂しい期間を過ごさなければならない

速瀬のいない期間・・・

想像できない・・・

頭の中では
廃墟と化したビル・・・
スラム街のような路地裏・・・
何もかもなくなり荒れ果てた荒野・・・

そのようなものが想像される

おれにとって一大事だった!

慎二に相談したら、真剣に相談したのに、笑い・あきれながら、「じゃあ選手になればいいんじゃん?」
といった。



〜2年後 9月7日〜
(慎二視点)

慎二は家で寝そべりながらテレビを見ていた

今日はやることはあったのだが、急きょ約束が中止になり、そのため暇だった

テレビを見ても特に面白いものがやっていない午後6時台

適当にニュースを見ている


〜続いてスポーツです
 オリンピック出場選手が続々と決まる中、今日はマラソンの選手が決まりました〜


慎二「お、どんどんオリンピックに近づいているんだな・・・
   この中に速瀬がいるなんて、前までおれたちと同じ学校だったなんて夢の話みたいだ」


〜快調に飛ばすのは谷中選手・・・得意ではないスタートダッシュを決めていきました
 谷口選手は追い込みが得意のもので、スタートダッシュ後も余裕の表情
 きっとさらに追い込みを決めて日本記録がねらえるかもしれないという期待の持てるところでした
 谷口圧勝とみられた28キロ地点なんと無所属の鳴海孝之選手が、猛烈なスピードで追い込んでいます〜


慎二「・・・?」

慎二「えええええええええええ!!!!!」

テレビにはあの、孝之の猛烈に走る姿

まるで燃えているような・・・

ちょっとまて・・・なんだこれは・・・

でもあの孝之・・・だ・・・


〜鳴海孝之選手はそのままのスピードを維持し、競技場へ入ります
 無所属でかつ、初出場。まったく期待されていなかっただけに、競技場は一部どよめきが
 しかし世界記録決定のゴール時には大きな歓声が上がりました〜
慎二「いきなり世界記録かよ・・・」

一瞬心臓が止まりそうになった

だってありえないだろ・・・



それからまた緊急パーティーが実行された

「鳴海孝之 オリンピック出場記念パーティー」

孝之の両親はもう何かが吹っ切れたようにおかしくなっている

だって本当にありえないだろ・・・

なんでマラソン始めて1ヶ月ぐらいの孝之が世界記録なんか出しちゃうんだよ・・・

そして孝之は「水月についていけるー!」とかいいながら速瀬に甘えている

孝之はもう、速瀬のことが好きすぎて、完璧壊れてるな・・・

速瀬も速瀬で、最近孝之とともに壊れ気味・・

とはいっても水泳だけはちゃんとしている


遙「鳴海君は、すごいんだね☆」

まあ確かにすごいよ

すごすぎるよ

だけど、そのすごいの規模が違うよ・・・

遙「水月のためにすごいがんばってるもん!水月も幸せだね☆」

まあ、確かにすごいがんばったみたいだ

もう孝之のこと「神」としてまつらなくてはいけないかもしれない・・・

いまだに信じられない

あの、いつもだるそうにしていた孝之がこんな・・・


これからインタビューがたくさん続いた

孝之は「好きなことの継続のために・・・この優勝を勝ち取りました」といった

大体の記者は、「マラソン」のことだろうと思っているだろうが

孝之のことだからこの「好きなこと」は速瀬と一緒にいることだろうな


しかし、現実は厳しかったみたいだ

逆に出場選手になってしまったもんだから、孝之も練習が厳しくなったという

しかし孝之はたまに忍者のような技術で抜け出し、速瀬に会いに行くらしい

速瀬に電話したときそのようなことを聞いた

速瀬はあきれてはいるものの、とてもうれしそうだ


で、何度も何度も抜け出しているのに抜け出さないように監視が厳しくならない理由は
抜け出すたびにタイムが速くなるからだ

速瀬のところに会いに行くたびにタイムがドンドン縮んでいくらしい

孝之は「愛・エナジー」だとか言っている


きっと速瀬に会いに行って「速瀬分」を充電(?)するのだろう

孝之には鉄分、糖分、エネルギーとかと同じように「速瀬分」も必須の栄養なのだろう


そしてついに戦いの舞台がやってきた



〜2000年 8月〜
(慎二視点)


開会式

結局応援に駆けつけた

途中同じ飛行機で秋田先生に会った

なんでも、速瀬のオリンピック出場は予測できたにしても
孝之の出場は予測できなかったみたい(つうか予測できないだろ・・・)で、
目を丸くしていた

「すごくやる気のなさそうな生徒だったが、そんな・・・走力があったなんて・・・」とか言っていた


さまざまな国の選手が入場している

日本勢には白陵卒の人が二人いる

始めに速瀬のほうがでてきてつぎに孝之が出てきた

孝之のほうは、胸を張って行進

孝之らしい歩き方といえば孝之らしい歩き方だ

選手の入場やら、華やかな演出やら、開会式は盛り上がった

いつもはただテレビで見ているだけだが、こうして間近で見る
そして、その中におれたちの知っている人がいるというだけで、とても感じ方が違う

こんなにすごいものなのかと、改めて感じる


開会式の後、孝之たちと話す時間があったので、いろいろ聞いてみた

なんでも、速瀬と孝之は選手村の中で大きく離れているらしい

ただ、特別にということで、会いに行くことを許されているらしい(11時まで)

・・・修学旅行みたいじゃねーか・・・

孝之は速瀬がいないと駄々をこねる(どういう状況だ・・)らしく、
かつ、自称・愛エナジーのおかげで大きな記録を出しているので、
こういった特別措置が取られているのだ

一方速瀬のほうも同じような状況で、孝之に会った後は調子がいいらしい

最近ではこの二人の話題が週刊誌が追っかけるようになってきた

まったく・・・あるいみ次元が違う・・・


おれたちはこのままこの場所に残って、孝之や速瀬の勇姿を観戦するという手もあったが、
涼宮の妹の水泳の練習があるのと、ぶっちゃけ、とどまっているほどお金がないので、
これらはテレビで観戦することにした

とりあえず地元へ帰ろう


〜水月大会当日〜
(孝之視点)

おれはこの日々、何度も抜け出して水月のところへいった

11時までという規制があるが、最近マラソンの練習が厳しいためそんなには起きてられない

とはいっても、水月に会いに行くときは元気満々で、癒される感じがする

そうだよ、水月はおれのマイスウィート(死語?)なんだ

さて、そんなこんなで今日は水月の大会予選

今日ここでいいタイムを出せば決勝へいける

水泳の関係者には「きみが大声を出して応援すればきっと水月のタイムがあがるだろう」という
ことをいわれた

まあ、もともとそうするつもりだったが・・

水月は6レーンにいる

なんだかんだ行っても、世界の壁は厚い

日本での大会のように常に4レーンというわけには行かない

世界ランクもまだ低いだろう

でも、そんなことは関係ない

水月は優勝する

絶対に!!

おれは水月を信じている

だからこそおれは・・・一生懸命応援する


Ready・・・

それから開始のシグナルがなった

スタートは・・・普通だ

調子がいいわけでも悪いわけでもない

今の順位は・・・

3〜5番前後

とはいっても、一位にそんなに差をつけられたわけでもない

孝之「がんばれえええええええええええええええ!!!!水月ぃ!!!!!」

おれは息を思いっきりすった後、地響きがなるほど(?)の大声で水月を応援した

周囲2mぐらいの人たちは全員耳ふさいでたな

その応援が効いたのか、水月のスピードは若干上がった

水月はいま2番手、少し前方にトップがいる

これは・・・いけるか・・・

いや・・・この距離じゃ・・・つめられない・・・

トップがゴール後0.4秒後に、水月はゴール

惜しくも2番手だったが、惜しいところまで行った

なんでもそのトップも優勝候補の一人であり、その人にこれだけつめられたというのは
いい感じだ

水月はだいぶ疲れた感じだ

マネージャーからたぶん「明日もこの調子でがんばれ」とでも言われているのだろう

よし、今日は水月のところに乗り込むのはちょっとにしよう


〜大会2日目〜
(孝之視点)

おれは今日、いい場所で応援させてもらえる

水月のそばがいいといったら、マネージャー席を譲ってくれた

ここならば泳ぐ前の水月にもおれの姿が確認できる

予選通過タイムは結局4位だった

この距離は強豪ぞろいで、最初は予選も通過できない可能性もあるといわれていた

それで4位というのはかなり高い順位である

メダルの可能性も期待できる

後は今日、本来の力を発揮するだけだ


選手紹介の後、位置につく

今日の試合は決勝だ

この中に金メダルを獲得する人がいて、それが1分後にはわかる

もしかしたら水月が世界一になれるかもしれない

そんな期待がある

今までは地方大会とかで実感わかなかったが、隣の世界中の人がいることから、
すごいんだなぁという実感がわく

そんななか「Ready」がかかった

パーン・・・

そして、ブザーの音で、一斉にスタートする

水月は・・・絶好調のスタートだ!!

これは期待できる

いまは前方から3番手

やはり決勝ともなると、スタートを成功しても一番手とはいかないか

いや、でも水月はターン後から伸びてくるのだ

いける

水月ならいける!!

孝之「水月いいいいいいいぃ!!ファイトーーーーーーー!!!」

これも地響きがなるほどの声で応援した

この地響き応援を許可してくれたマネージャの人もちょっと困った顔をしているぐらいだ

しかし、そんな不評とは裏腹に、水月はスピードを上げる

そして、ターン!!

最高のターンを決めた

あとは40ぐらい泳ぐだけだ

前方2番

水月にとってこの差は・・・縮められる可能性がある!!

水月はスピードを上げる

きっといまテレビ中継のアナウンサーは興奮しているころだろう

そしておれも興奮している

地響き応援を続ける

がんばれ、水月!!

ほぼ同時のタッチだった

目で見てもわからないぐらいだ

これなら同着といってもいいほどだろう

しかし、機械は正確な時間を表示する

オリンピック国際標準ウォッチは、水月が2位であることをさしていた

それも、0.01秒差・・・

それでも水月は嬉しそうだった

それもそうだ、世界で2番なんだ

おれだって嬉しかった

昔、テレビで観戦しているときは1番と2番には大きな差があるように感じた

実際あるのだが、それ以上のものがある

精一杯がんばった気持ちと、健闘をたたえること

試合後、水月とその1位の選手は握手をしていた

写真になればとてもいい絵といえるだろう


それから次の日、日本での新聞はどうなっているか慎二に聞いてみた

すると、「よくがんばった速瀬!次回へつなぐ銀」という記事だったそうだ

次回がある

きっと今度は水月は金メダルを取るのだろう


さて、この試合がおわって水月と話した後、マラソンのほうにもどった

おれの試合は【8月27日】

この日は・・・そう。水月の誕生日

おれはここでがんばって、金メダルを取ってやるんだ

水月のために!!


〜8月27日〜
(孝之視点)

ついにこの日がやってきた

おれはいろいろと準備や最終調整のために早く選手村を出ていた

最終調整には水月も同行している

そして大会にも水月は応援してくれるらしい

17km地点に応援する場所が確保されているからそこで応援するといっていた

よし、おれの速さを水月に見せてもっともっとほれさせてやる!


スタート位置についた

オリンピック、これの順位だけでメダルが決まってしまう競技だけにスタート地点はえらい混雑している

おれはこういう混雑したところは苦手だ

つまり、スタートダッシュはむりっぽい

水月がいるところではもう1位になっていたいから、混雑が終わったら仕掛けよう


(慎二視点)

「お、はじまったはじまった。」

今日は涼宮の家で観戦だった

なんでも速瀬と孝之の応援のために涼宮のお父さんが50型テレビを買って来たのだ

そして、飲んだり食ったりのパーティーを開きながら応援している

垂れ幕なども用意されていて結構本格的なパーティーっぽい

テレビを見ていると、孝之がうつった

いま、後方で控えているといったところか

孝之はすぐにでもこの集団を抜け出したいといったような感じがする

いままでの走りを見てきて、この走り方はそういうサインだ

大体・・・なんだよ・・・

たった数年でオリンピックかよ・・

これまでマラソンでオリンピック出場を目指してきた人のメンツどうなるんだよ・・・

まあ、孝之はそれだけ神がかり的にすごいんだろうけど


6Km地点、孝之は先頭集団6番手

アナウンサー1「期待の新星鳴海孝之選手ですが、今すぐにでも先頭集団を抜け出しそうです」

アナウンサー2「そうですね、なんとなくこれから加速しそうな勢いです」

アナウンサー1「この選手ですが、今までまったくの無名だったわけですが、最近の選考会で
        世界記録を出したわけですから只者じゃないようです」

アナウンサー2「おっと、抜け出したようです!!早速金メダル期待か?」

アナウンサー1「見ていて面白い選手です。もしかしたらさらに世界記録を達成するかもしれません」

16Km地点、孝之先頭・2位と1分42秒差

アナウンサー1「鳴海孝之選手、前半の飛ばしすぎが痛かったか、少し下降気味です
        先ほどまで2位には2分以上の差をつけていたのですが、少し速度が落ち
        1分42秒差、さっきのペースはいけなかったみたいですね、

        どう考えますか、【アナウンサー2】さん」

アナウンサー2「いや、いいんじゃないですか?17Km地点にはこの人の彼女が待っているようで
        鳴海孝之選手は、そんなときに急激なパワーを発揮するみたいなので」

アナウンサー1「彼女というのは、あの水泳の?」

アナウンサー2「はい、そうですね、彼女がいるのといないのでかなり違うみたいですから」

アナウンサー1「おっと、17Km地点、水泳の速瀬水月さんが応援しているようです
        と、鳴海孝之選手のスピードが上がった!!!」

アナウンサー2「やはりきましたか」



慎二「おいおい・・・孝之、やばすぎだろ・・・」

遙「鳴海くんは水月と一緒にいるとすごいんだね☆」

涼宮は涼宮でこれが普通のことのような会話をしているが・・・

もっと驚こうよ・・・

遙父「はっはっはっ・・・白陵はすごいなぁ。オリンピックメダル候補2人も輩出するなんて」

30Km地点、孝之先頭・2位と3分58秒

アナウンサー1「まったく衰えることがない鳴海孝之選手、差は3分58秒
        世界記録を大幅に超えそうな勢いです」

アナウンサー2「面白いことになってきました、ついに日本男子マラソンもメダルを獲得するのでしょうか?」

結局・・・孝之はそのままのスピードで競技場へ入り、金メダルを獲得してしまった

それも自分の出した世界記録を10分30秒も上回るスピードで・・・

後続2位は孝之と12分10秒差

どういう差だよ・・・

圧勝の金メダルをとった

ゴールには速瀬が先回りしていたみたいで、孝之にタオルをかぶせてやった

さすがに、42キロ走っただけあって、速瀬にあっただけじゃ疲れは取れなかったみたいだが

なんとなく孝之はすごい笑顔だった

金メダルを獲得し、インタビューでは

孝之「水月ー!!誕生日おめでとー!!金メダル取ったぞー!!!」

とかいってるし・・・

まったく・・・孝之はほんと・・・神がかり的な人だ・・・


〜それから数日〜
(孝之視点)

閉会式が終わって、おれたちは帰ってきた

もちろん水月と同じ飛行機(というかとなりにのった)話したりちょっと甘えたりした


長旅の後、地元に到着した

柊町駅前では「鳴海孝之金メダル 速瀬水月銀メダルおめでとう!!」の垂れ幕

商店街にもそのようなセールが行っている

ただあるっているだけで、写真取られるわ、いろいろなものもらうわで、大変だった

コロッケ屋の前を通ったときなんか、コロッケ40枚、ハムフライ30枚、カツ100枚とかもらった

こんなにいらないよ・・・

優勝した後、白陵で「凱旋カー」といったものが買われ、これに乗って、いくらか凱旋して来いと命じられた

それからも、涼宮さんの家で2日連続のパーティーが行われ、
家に帰っても親戚をまわるだとか、大忙しだった

これだけで、10日かかったわけだ

それでやっと落ち着いたので、水月を家に呼んでゆっくり話したり甘えたり(甘え返されたり)していた

ふと約束を思い出した

孝之「よし、約束をつかうかな」

水月「・・・?」

最初は?といった顔をしていたのだが思い出したようだ

水月「で、孝之の願いは何?」

そう、その約束とは、オリンピックでの最終記録が上回っていたほうが願いを一ついえるというものだ

その約束を仕掛けたのは孝之で、孝之らしいといえば孝之らしい

孝之「よし、じゃあおれが一つ、水月に願いを言う」

水月「うん!」

水月はなんだか嬉しそうな顔と、緊張するといった顔をしている

孝之「水月・・・おれはずっと水月と一緒にいたい。だから、結婚してくれ!!」

水月「うん。それが孝之の願いだね、やだっていえないもんね☆」

水月はとてもうれしそうにおれの方によっかかってくる

おれは、あのマラソンによって金メダルとともに、水月という大切な人を手に入れた

水月はもうおれの妻

毎日毎日、甘えてやるんだ!!





〜おまけ(孝之と水月が活躍したときに出された新聞や週刊誌の記事)〜


孝之が出場

【鳴海孝之オリンピック出場決定〜好きなもののために勝ち取った〜】
オリンピック出場者を決める選考会が今日愛知で開かれた
ここではオリンピック出場濃厚とされた谷口は普通に出場を決定
しかしここで、今まで無名だった「鳴海孝之」選手が世界記録を出す快挙で
首位でオリンピック出場を決めた
鳴海孝之選手はその後のインタビューで「好きなもののためにこの勝利を勝ち取った」と話していた


孝之・水月の交際発覚

【鳴海孝之・速瀬水月、付き合っていた】
水泳界で期待されていた速瀬水月選手と、まったくの無名でマラソン出場を決めて今期待されている
鳴海孝之選手が交際していることがわかった
詳しいことはまったく誰も話そうとしないためわかっていないが、このビッグカップルは大きく話題を呼びそうだ
お互い、相手がいることでかなりの力を発揮できるようで、練習を抜け出して会いに行っていることもあるみたいだ
詳しいことがわかり次第順次伝えていく


水月が準優勝

【速瀬水月・努力の銀、地響きがこだまする応援】
今日行われたオリンピックの水泳の競技で、速瀬水月選手が準優勝を決めた
強豪がそろった競技であったため、予選では4位
しかしここで大きくスタートを決め、速瀬水月選手の得意の直線のスピードアップで
2位につけ、ほぼ同着でゴール
おしくも金メダルは獲得できなかったものの、次回に向けて大きなステップアップとなった
なお、この大会では速瀬水月選手の交際相手とされる鳴海孝之選手も応援
地響きがこだまするような大声で応援を行っており、
その応援に応えてか、そのあたりから速瀬水月選手はスピードアップした


孝之・マラソン優勝

【笑顔のゴール・彼女への金(きん)のプレゼント】
鳴海孝之選手はマラソンでダントツの金メダルを獲得した
スタートでは少々躓くも、6Km地点では先頭集団につけ、それから加速
一番手につけ、途中少々減速するも、交際相手が応援しているあたりからまたスピードアップ
マラソンの競技中とは考えられないようなスピードで走り、そのまま競技場へ
2位とは10分以上も差をつける金メダルを獲得した
ゴール後は笑顔でいた
なお、その日は鳴海孝之選手の彼女とされる、速瀬水月選手の誕生日でもあり
「水月ー。誕生日おめでとー、金メダル取ったぞー。」と話していた


凱旋時(地域新聞)

【ヤッタゾ鳴海・速瀬。オリンピックでの快挙】
白陵卒業生の中から、2人のオリンピック出場者がでた
それも二人ともメダルを取ってくるという快挙である
白陵購入の凱旋カーにて凱旋を数日間にわたって行った
二人は交際しているようで、白陵1のビッグカップルといえるだろう


鳴海孝之・速瀬水月結婚(週刊誌)

【オリンピックカップル・ついに結婚】
オリンピック中に交際が報じされ、さらに二人ともメダルを獲得するという快挙を成し遂げ
大きく話題を呼んだ、速瀬水月・鳴海孝之選手ですが、
この二人が婚姻届を役場に提出したようです
プロポーズは、ある約束がきっかけだったといっています
その約束とは、オリンピックの成績を勝負して、負けたほうが願いをかなえるというもので
かった鳴海孝之選手が「結婚」という願いを提示
速瀬水月選手はよろこんで快諾したようです
鳴海孝之選手はマラソンで「金メダル」と「大切な人」を二つゲットしたということになっています



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