鳴海孝之、この人はどこにでもいる普通の悪の大王なのだが、ついに今日、日常が壊されるのである


「ちゃーっす」そういってなぜか机の引き出しから出てきたのはなんか物騒なトゲ付きバットを持って
黄色いヘアバンドをした

「ボク、アカネ、天使だよ、キミのこと倒しに来たんだ」

というまあ、現実でこんなことがおこれば、いろいろな意味で驚いて失神ものだが
悪の大王ということである程度耐性はついている

「まあ、そんなことなら話は早い、倒しに来たというなら、俺も全力でかかるぞ
 だが、このままでは名残惜しいだろうから、一言だけ言葉を預かろう
 もし、君を知る人がでたとしたらそのことを伝えてやるぞ
 もちろん、その人もその場で同じような目にあうんだがな、はっはっはっ」

「じゃあ、姉のハルカにあったらこう伝えておいて。
 長靴じゃ走りにくいんだよ って」

「なんじゃそりゃ?」

「お姉ちゃんに会えばわかるよ
 そうだ、じゃあキミのも聞いておこう」

「ああ、そうだな、じゃあ悪の大王からの親戚の慎二とかいうやつに会ったとしたら
 このまえ偽のラブレターを投函してすまなかったと伝えておいてくれ」

「わかったっ、でももしその言葉を伝えようにも
 彼には今回は出番は与えられてないからむりだね、はははっ!」

「そうか、ってちょっとまてっ!なぜ俺が預言をしなくてはならない
 ・・・悪の大王を侮辱したな
 君は10秒後に航海するよ」

「・・・船買ってこないと」

「いや、後悔だ」

「・・・10秒経ったけど」

「うおおおお、ミスったミスった、さっきの発言なしね
 これじゃ悪の大王のカッコつかないし」

「うん、待つよー」

「いい子だ、じゃあ悪の大王の恐ろしさを思い知るがいい
 変身っ!!!」

「とりゃーっ」

「グホっ・・・」

「・・・弱いね」

「いや・・・変身中に攻撃するのは日本国憲法第98条で禁止されてるんだぞ!!」

「後ろにアカネのみ許すって書いてなかった?」

「書いてあるわけ・・・あああああああ!ある!!!!」

「うん、だからOKなんだよー」

「そうか・・・てか俺はいま攻撃されたからもうやられたんだな・・・」

「そう、キミはボクが3数える間にボーンだよ」

「なにをしたっ!」

「経絡秘孔のひとつをついたんだ」

「ああ、そうか・・・短い人生だったな」

「じゃあ数えるね」


「1・・・」


「2・・・」

「させるかーっ!」

「キャーー、はっくしょんっ!!」

「どうだ、胡椒をかけられたら3まで数えられないだろ」

「うう・・・もう1回気を取り直して・・・」


「1・・・」

「2・・・」

「さ・・・はっくしょんっ!」

「ふっ、ツメが甘いな」

「うう・・・すーーーーーはーーーーー」

「ん?」

「いちにさんっ!!!」


ボーーーーーン

孝之は爆発した。粉々に・・・



「・・・ちょっとまてっ」

「ん?キミはもう粉々になってるはずだよ?」

「おかしいだろ、ボーンっていったら復活できないじゃないか
 やり直しを要求する」

「だって、やり直したら、また胡椒攻撃きちゃうじゃん」
「ああ、それはしないって約束する
 だからせめてポックリ逝くぐらいにしてくれ」

「わかったー、じゃあ戻すよー」



←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←

「そう、キミはボクが3数える間にポックリだよ」

「ああ・・・そうか」

「じゃあ数えるね」

「ああ・・それと、数えるのをやめなくてもいいから聞いてほしいことがある」

「うん、いーーーちっ」

「悪の大王とかやっててなんだけど・・・」

「にーーーー」

「俺、お前のこと好きなんだ」

「さ・・・えっ?」

「今まで黙ってたが、お前のこと好きなんだ?」

「え、え、え、だだ、だだだって、
 キミと会ったのは今日が初めてだよ」

「だけどだけど、お前のことが好きなんだ
 そういう設定に強制的にされてるんだ」

「タカユキくん・・・
 うん、じゃあ数えるのやめるね
 今日から一緒に暮らそうよ
 悪の大王なんてやめてさ」

「そうだな、悪の大王とかいう設定にして書き始めた割には
 ネタにしにくいしな」

「じゃあ3秒数えたらポックリの魔法を解くために時間戻すよー」

「ああ、頼む」

「えいっ・・」

「・・・」

「・・・」

「えっ・・・えっ・・・えーーーーー」 「どうしたんだ?」

「戻せない・・そこには戻せないんだ」

「どういうことだ?
 誰かがこの時間には戻せないようにって干渉してるんだ
 もしかしたら、1000億秒に1秒だけ近づく衛星のせいかも」

「それだったら、俺は追手内洋○さんよりも不幸じゃないか?」

「だからキミのこの3秒数えるやつは解けないんだ
 だけどだけど、ボクが数えないように注意するからっ!」

「ああ、わかった」

「さて、一緒に暮らすと決まれば、即実行だよ!!
 ここに、ボクの空中を走る車があるから乗って」

「わかった。」

「それと、時速2000キロ出るから注意してね」

「・・・注意ってどうすればいいんだ?」

「気合だよっ!」

「・・・はぁ・・・」

「いっくよーっ」

「うわああああああああああああああ」


・・・

「着いたよ」

・・・

見慣れない場所だった

「ここがね、ボクのうちっ!」

「あ、おかえり、アカネ、ってその人だれ?」

「元悪の大王のタカユキくんだよ」

「ステキな方ね」

「でもお姉ちゃんにはあげないよ」

「じゃあはいってはいって」

「はいはい」



「お前すごいんだな」

「ふへ?」

「ほら、ここに全国宇宙遊泳選手権大会賞状とか
 400m遊泳新記録更新とか」

「えっへん、宇宙遊泳は得意だよ」


「アカネ、いっしょにかくれんぼしよう」

「うん!じゃあタカユキくんもしよう」

「ああ、懐かしいなかくれんぼなんて
 悪の大王やってたころは、かくれんぼというより、
 見つかったら死ぬとかいうシチュエーションがあったがな」

「悪の大王ってどんなことしてたの?」

「たとえばな、おばあさんが重い荷物を持って歩いている時
 『重い荷物を持つという運動』を邪魔するために持ち上げたり
 おばあさんが電車で立ってたら席を譲って座らせて
 立ち上がるときの苦労を味あわせたり
 24時間テレビの募金スタッフに重いという作業を味合わせるために
 1000万円分ぐらい1000円札で募金したりしてやったんだ」

「それは悪だねっ!」

「だが、俺は改心したっ!」

「うん、じゃあタカユキくんも隠れてね、私が鬼だから」

「ああ、わかったぞー」

「じゃあ数えるね、いーち、にー、さーん」

ポックリ
「ダーリンしんじゃいやぁあああああ!
 
 ああああボクが数えたせいだよね・・
 いっくよーぴぴるぴる○るぴぴるぴ〜」

「ふっっっっかーーーーーーーーつ!シャキーン」

「よかったっ、よかったよっ・・」

「泣いてるのか?」

「泣いてなんかないよ。」

「泣いてるだろ」

「泣いてないもん」


「よかったね、アカネ」

「うん、お姉ちゃんみっけーっ」

「あーーーーー」

・・・まだ続いてたんだ・・・



まあそんなこんなで1日平均3回死にかける生活を続けていた

ちなみに、俺自身のアカネに対する想いも肥大化していき
いつしか、週刊サーズデイには
「悪の大王と天使の熱愛発覚
 彼らは同棲していた」などという記事もかかれるようになっていた



「タカユキ、今日も成田空港での勤務がんばってね」

「ああ、アカネのほうも天使の仕事がんばれよ」

「うんっ!」


とはいえど、このような幸せな日々がずっと続くわけがない
話は急展開、アカネが天使から大天使になる時が来たのだ

大天使になれば、住まう場所は天界と決まっている

天界は穢(けが)れなき者しかいけないことになっているのだ
というわけで、昔悪の大王をやっていたタカユキには入れない場所
ハルカでさえも、15分の面会しか与えられないほどの場所にいってしまう

「いっちゃやだよアカネ・・・」

「・・・ボクだってタカユキと一緒にいたい・・・
 今日はずっと一緒にいよう」

「ああ、おれも会社は休むつもりだ」

「・・・」

「・・・」

時間とは無情なものでいつかは夜になっていた

「・・・もうすぐ・・・なんだね」

「・・・ああ・・・」

「やだよぉ・・りむーぶめんと!」


←←←←←←←

「時間戻したのか?」

「うん・・・」

「でもそれほど戻ってないぞ」

「えっとね・・・この技をいっぱい使うには
 天使の羽が必要になるんだけど、いまは大天使に変えるために
 天空においてあるんだ」

「そうか・・・」


「りむーぶめんと!」


←←←←←←←

2分しか戻ってないぞ

「りむーぶめんと」


←←

10秒か・・・

もう無理じゃないか?

「りむーぶめんと」



1秒も戻ってない。もう無理だ
言っても無駄だ

「やだよぉ・・・もしかしたらいっぱい戻るかもしれないもん
 りむーぶめんと
 りむーぶめんと
 りむーぶめんと
 ・・・戻らなくなっちゃった」


「天使の羽とやらがないともう今日はむりなんだな」

「・・・時間・・・すすんじゃ・・・やだ・・・
 時間過ぎたら・・・別れが着ちゃう」


0時を回った
天空へ、向かわなくてはならない

「アカネ、絶対俺のこと忘れるなよ」

「タカユキも、忘れないでよ
 ・・・うああああん・・・」

・・・なんだかんだいってやっぱりアカネはかわいかったんだな

「もう・・・時間だ・・・」

アカネは飛び立つ

アカネの前では涙は隠してたけど、どっと来た

くそっくそっ!!!

「タカユキくん・・・
 そこまで想ってくれててアカネはたぶん幸せだよ
 そういえば、緑の髪の悪魔さんから伝言があるけど」

「怖いから破棄!」

「わかった」



・・・どうするべきなのか
まあ何もしないという手もあるのだが、ストーリー展開上、引き出しを開けるというフラグを
立てなければストーリーは進行しないため、しかたなく引き出しを開けた
「・・・なんだこれ」

「言ったことが嘘になる!」

なんだこのあからさまなビンはっ!

そして、それをとりあえず手に取った

どう考えてもこのビンを手に入れる=ストーリーが決定してしまったわけだが
・・・これはとりあえずこれを飲んで「アカネはどうせ帰ってこないんだ」とでも言えばいいのか?


「ったっだいまーっ!」

「アカネっ!?」


「タカユキ・・・なんか日本政府が大天使法を今年から廃止するらしいから
 大天使の称号はもうないんだってー」

「ああ・・そうか・・・」

結局この薬は何だったのだろうか
まあなんでもいい
幸せが戻ってきたんだ



―――あとがき―――

はい、ノリで書きました
特にストーリーはありません
書いている途中に思い浮かんだことの列ですので、まああれですよ
楽に読んでてください
パロネタが微妙に含まれています

まず、アカネの設定について
ドクロちゃん的な位置づけですがね
実際最初の部分とボクっ娘であるところぐらいか、共通は
あーぴぴるぴる○るぴぴるぴ〜があったか

追手内洋○・・・ラッキーマンにでてきます

言ったことが嘘になる薬・・・ドラえもんの「帰ってきたドラえもんより」のネタ


あー大事なのわすれてた、タイトル=ネギま!?っぽくしてました



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