7月7日


よし、ビデオの時計が狂っても大丈夫なように、別の目覚まし時計の目覚ましもかけたおかげで、起きられた

あの時と同じように雨が降っているわけで、おれはとりあえず余裕を持って家を出る

慎二や速瀬はおれが余裕を持って出てきたことを驚いているようだ

あのときは「今日が雨ふるって知ってただろ・・・」と、いっていたが、
実はおれがあのようにびしょぬれになることを二人とも予想していたようだ

とりあえずジャージを乾かしながら授業を受けるなんてことはない

また、最近は授業をまじめに受けている

後で苦しむのが自分だと、あのときわかったからな

みんな珍しそうに見ている・・・ほんと・・・おれがまじめに勉強やることって珍しいか?


まえの7月7日は、散々な日だったが、こうやって遅刻というルートを一つ回避すると、
ほんと、何もない平和な一日だ・・・

いつもトラブルばかりの日ばっかだったけど、それはおれの一つのミスさえ改善すればよかったのか・・・



7月8日


こうなることはわかっていた・・・

だけど、直前まで忘れていたんだ・・・

トイレに行きたくなって、我慢を続けるということを・・・

それも、前回はなかったけど、今回は授業をまじめにやってるということで、指名されたのがきつかった

黒板の前に歩いていって、字を書いて、戻る

これだけの単純作業にもかかわらず、トイレに行きたいなんてときは、大変だ

限界点が早まる!!

とりあえず、今回も負けだけはなかった・・・

あぶないところだったぞ・・・

で、帰るときに涼宮さんに会うんだな

今回は、プリントやってあるから、大丈夫だ

あとで、速瀬に「出しといて」といえる


さっそく「ダンボール遙」に会う

そして前と同じように持ってあげようと

で、速瀬が「余裕じゃない!」とくるから、そこで、「やってあるからな。出しといてくれ」と

もう、完璧じゃないか!

おれはここまで、完璧だったのか・・?

先が知っているっていいなぁ・・・

遙にもかっこいいところ見せられたし

最高だ!!

プリント出してあることは確定したから、ダンボール運んだ後遙と、ちょっとだけ話してられたし

遙はちょっとうつむきながらだったけど・・・まあこれも可愛いから許そう!


教室に変えると慎二が「だいぶ、お前がんばるようになったな!」と

プリントの問題も全部あってたらしい

そりゃそうか、遙と前一緒に勉強したし

それ、覚えてるからな

速瀬のやつも、最近驚きっぱなしだ


その後はカラオケだった

もちろんおれの登場とともに、遙が歌えなくなるのは変わらない



7月9日


速瀬はとても「後悔」の顔をしている

慎二から地獄坂の話を聞いたんだ

7月6日におれは、速瀬にこのことを話した

勝機のイベントを逃すわけには行かない!というか自然に話していたんだが・・・

もちろん今日のイベントである「プールに気をつけろ」の話もはなさないわけには行かない

まあ、遙のところに行くのだけはやめておくがね


それからCD屋に行こうと思ったがやめた

これは前回と同じだ

どうせ、家に帰って勉強をしようとすると、ノートが切れているのに気づくからだ

とりあえず直接ノートを買いに行こう

遙は絵本作家展のポスターをみている

って、前は家に帰ってから会ったのに今あっているということは・・・

20分以上みてたということか・・・?

この炎天下の中・・・

とりあえずこのままじゃ、遙がかわいそうだから、話しかけよう

「なにしてるの、涼宮さん」

危うく「遙」といいそうになってびびった

いきなり名前を呼び捨てなんて・・・相当びっくりするだろうな

泣いて喜ぶ・・・場面じゃない・・・


絵本作家展のポスターをみている・・

これを見た瞬間心がすごく痛んだ・・・

思い出す・・・あの光景・・・

おれが必死に遙を探すも・・・いなかった・・

あの時おれが遅刻したばっかりに・・・「幸せ」という文字はもろく崩れ去る

だからこそ、この世界で遙をみたときは、涙が出そうになるぐらいうれしかった

もう耐えられるようになったかと思っていたが、やっぱり涙が出そうになる

でも、何も知らない遙の前では泣けないよな・・・

遙「鳴海くん・・どうしたの・・・」

遙がハンカチを取り出す

やっぱり・・・微妙に泣いていたのか・・・

遙が心配そうにみる

本当のことを話すわけにもいかず、とりあえず「子供のころに見た絵本が悲しかったの思い出して」

とごまかした

とりあえずその、絵本は「1億万回死んだ犬」にしておこう

遙「鳴海くんって優しいんだね」

「えっ?」

遙「お話とかみて、泣けるのは心が綺麗で優しい証拠だよ☆」

とてもうれしそうに・・・そして優しそうな表情で遙はいう

きっとおれは、遙のこういう優しいところも好きなんだ

ごまかしだったんだが、結構いい結果になった


前よりも話が弾んだ気がする



7月10日


運命の日が来た

慎二といつもどおりはなしながらいると速瀬がおれを呼ぶ

もうわかっているんだ

今日がどんな運命にあるかと

「今までで一番だよ・・・」

この言葉にどんな意味が含まれていたのかはよくわからない

ただ、速瀬は遙の告白を成功させるためにがんばったんだ

おれは・・・遙が好きだ

たしかに、いまは好きになるきっかけはほとんどなかったかもしれない

唯一あったとすれば、昨日の出来事か・・・?

だけどおれは、付き合ってみて遙が好きだということに気づくんだ

だからこそおれは・・・今回もOKする

このOKは・・・

あいまいな気持ちではない

遙に・・・悲しい思いをさせない

丘についてからは前よりもあっさりしていた

速瀬がこないことはおれはわかっていたからだ

遙の話に耳を傾けてみると、遙が呼んだと言う事にすぐ気がつく

「突然呼び出したりしちゃって・・・」といっていたのだ

結構、心に余裕があるというのはすばらしいことなんだな


「好きです!」

「夏祭りに行くよりも前から、好きです!」

「・・・あのぅ・・・」

「私と・・・」

「付き合ってください!」


わかっていたけど・・・妙に緊張する

呼び出された時点で気づいているのに、告白されるとその時点で緊張する・・・そんなのと同じか

ドキドキしていた

おれだって・・・遙のこと・・・好きだ

だけどおれから告白するわけにはいかなかったわけで、
ついに、隠していた気持ち・・・おれの遙への思いも今から解放される

まあ最初からあのときみたいなテンションで行ったらやばいだろうけど、
今日から、遙と一緒に歩いてても、なんら問題のない・・・カップルになるんだ

だからおれは・・・

わざと、ちょっとだけ時間を空けて・・・

「うん・・・付き合おう」


ちょっと間をおいて遙はびっくりした感じでおれを見る

やっぱり、あれなんだな・・・告白したほうは自分から付き合おうといっているのに

ダメであることばかり考えるんだな

成功すること自体が驚きみたいなもので
失敗のことばかり考える

本当に・・・告白する前って・・・緊張するんだろうな・・・

今おれが「待ち」状態で緊張したわけだが、もっと・・・これ以上に・・・

速瀬も感じていたが勝算はほとんど0に近いぜ

だって、相手のこと・・・よく知らないという状態なんだもん

通常状態(前の同じ時期)のおれは・・・

遙と一緒に帰る

こんなときは絵本の話題が一番だと感じた

前は、まったく無言だったけど・・・盛り上がって、二人の心は緊張から解き放たれ、少し近づいた

遙は結構笑顔を見せていた

きっとこれが・・・思いの通じたときの・・・喜びというものだろう



7月11日


おれは孔子じゃない

というわけでおれは、昨日は普通に布団に入り寝た

まえは、延長戦に突入するほど悩んだが、今回はそうではない

結構答えみたいなのも気づき始めているし、実際、悩んでも答えは出ない

さて・・・今日は遙をデートにでも誘うか!

って・・・ほんと・・・おれが遙にゾッコン(死語?)なんだな


学校へ行く途中、速瀬に会った

速瀬「おはよっ、孝之!」

「速瀬、知ってたな!」

速瀬「なにを?」

やっぱりしらばっくれたか

まあいい、「涼宮さんのことだ!」

速瀬「あ・・・ああ・・・」

まあいい、この(フラグ)さえたたなかったらおれは遙と付き合えないんだからな

速瀬「で、どうだったの?」

「さあな」

あえてここはニヤリとしてみた

少しうれしそうな表情もこめて

速瀬「へぇ、OKしたんだ」

「まあな」

自信満々にいう

前は自信がなかったが、今のおれは自信がある

自分の中には遙を好きな気持ちがある

「私のこと好きですか?」と聞かれるよりも前に「好きだ」といえる

それが今の俺の状態だ

やっと俺は・・・幸せをもう一度手にしたんだ

土曜日、授業がおわってダッシュでB組へいく

きのう、すぐに迎えに行くといっておいたので、遙はすぐに出てきた

それから二人並んで歩く

ちょっと後ろをみると・・・あの二人はあとをつけてきているようだ

心配なんだな?

まあ、今はもう全然そんな心配要らないぜ!


「涼宮さん。明日、映画でも一緒に行かない?」


俺からの誘い

遙は多少びっくりするも、てれた感じで「うん」と

この感じ・・・懐かしい

おれは・・・この「幸せ」を待っていたんだ

失ってはいけない・・・俺にとって最高の「幸せ」



7月13日


もちろん昨日の映画デートは大成功だった

遙の好きなものなども知っているので、付き合って当初の「ぎこちなさ」なんてなく、
すんなりと意気投合

たった二日とは思えないほどの「仲良さ」になった

速瀬や慎二はいきなりの変貌に微妙にあきれ返っている

水月「孝之のほうも遙のこと好きだったんだね(ニヤリ)」

たぶん、あの祭のとき見つめてたのを思い出したのだろう

まあこんな突っ込み、おてのものだ

慎二は、「このやろぅ!幸せになりやがってっ!」
と、ひじにあたりで突っつくような感じで冷やかし(?)てくる


歴史は、俺が変えた

8月27日・・・その日さえ回避すれば・・いい人生になる

きっとこの「繰り返し世界」は俺が望んだもの

現実的ではないことを考えると怖いことはたくさんあるが、
それがあっても俺にとっては「幸運なこと」なのだろう

繰り返し世界解釈によれば、望んだ人の本当の幸せこそが
抜ける条件らしい

だから、この8月27日・・・忘れずにちゃんと回避さえすれば・・・遙と幸せな日々を


今日も一緒に帰る

遙に敬語をやめてもらう

それは自然になった

一緒に帰って会話をしている間、遙は終始笑顔だし、俺もそんな感じ

このころ・・・会話がつながらないっていってたの・・・だれだっけ?



これからも学校は数日あったが、特に目立ったことはなかった

前と変わったことといえば、遙とラブラヴなことだろうか

結構一緒にいることが増えたし
まわりは急激な変化にいろいろいう

慎二や速瀬前回とは逆の意味で心配している


テストは、前にやった問題なので、特に難しいことはない

そんでもって勉強をいっぱいしているわけだから、いい点数を取る

遙は「すごーい☆」と驚く

そして先生たちは顔を真っ青にして驚く

「どうしたんだ?」と聞かれたので大体の先生には「彼女が出来たのでカッコつかないのでがんばったんですよ」
といったら、「勉強は彼女のためか・・・」とあきれながらも、「がんばったんだな」とほめてくれる

前の人生とはかけ離れていい人生だと思う

俺の望んだ世界

遙がいるだけで幸せなのに、さらにこんな幸せでいいのだろうか


終業式

校長の話が長いながらも、とりあえず終わる

このあとは遙とのデートだ

あ、そうそう。部屋にあったピンク本は、もう即効で捨てたよ

遙がうちにきたときに、前は見つけられたからね

というか今の俺にはあんなもの必要ないし


これから夏休み間は、勉強もあるながらも、遙と遊ぶ予定がたくさんある

きっと・・最高の夏休みになるだろう・・・



〜Goto (2) July−23〜



―――あとがき―――

ちょっとずつ勢いが上がってきました
というより、君望本編とかぶる場所はほぼ軽い記述ですので、1日1日の記述が軽くなってくるのは
必然的なことかと
まあ、3週目あたりになってきたら、SSで記述されたところも出来てますので、
そのあたりは、また省略されて短くなるでしょうがね

遙と付き合いはじめた孝之
きっと遙や水月もびっくりしたでしょうね
孝之が遙のことが好きで両思いだったということ
そんでもって、付き合い始めてすぐあのテンションですからね

そして先生もびっくりです
なにせ、あの成績の悪かった孝之が・・・
いきなり高得点ですよ?

初めての試みである「理論系SS」
まだまだ続きます
話自体(END)は、もう決まっているわけですが、何週目までというのはまだ決まってません
もしかしたら追加されるかもしれませんし

とりあえず、今回のSSは裏設定を説明しちゃうと、最後のEndingの答えのヒントになってしまいますので
かいておきません
というわけで今回のあとがきはこの辺で・・・


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