ミーンミンミンミン!
ミーンミンミンミン!
ミーンミンミンミン!

ああ、セミがうるさい・・・

・・・苦しいのは・・・直ってるな・・・

この暑さ・・・
なんか・・・期待が持てる感じだ

脱力症に陥りながらも、ガバッっと布団から出る

テレビをつけた

うおっ!!!

目の前には、7月4日の表示がある

そして週間予報は4(午後)・5・6・7・8・9・10


これは・・・最高じゃないかっ!

またやり直せるんじゃないかっ!

また、涙が出てきた

確認のためほほをつねる

痛い

あまりに非現実的なことだけど、現実なんだ

1回目の人生では俺の大切な人・・・遙を事故で苦しめた

事故後、危険な状態から脱出したというのに、意識は回復しなかったのだ

あのままあの人生が続いていたらどうなっていただろう

2回目の人生は・・・速瀬を失った

これは確実の事象で、あの人生にいればもう戻ってくることはない

俺のせいだったんだ・・・


だからこそ、3回目のこの人生は・・・計画を立てなければならない


1.7月23日について

これについては、2回目の人生では遙とのデートに行くことになっている

まあこれは予定があるということで断ることにするのだろう


2.8月15日について

これも遙と祭にいったんだな

この日については、慎二をちょっと怒り気味に呼び寄せないといけない

まあつまり、同じ状況にしないといけないんだな

そうすると、遙には申し訳ないけど・・・また待ってもらうしかないんだね・・・


3.8月27日について

これは両方において成立していないものであるが、
とりあえず速瀬にあってから、遙に会うとしたら必然的に遅刻する

まあつまり、安全なところを待ち合わせ場所にするべきなんだな



大きな予定はこんな感じか

今日のイベントは適当に通過させて、今日帰ってきてからこれからの
毎日のことを考えることとしよう


結局7月4日のイベントについてはいつもどおり適当に通過させる
そして家に帰ってきた

これまで2度ほど経験してきた「未来」について、よく思い出しスケジュール化する

手帳にはかききれないので、ノートを2冊ほど買ってきて
7月分・8月分と書いておく

そこには覚えている限りの「事象」について全て書き下した

そしてもちろんこれが誰かの目に触れるとヤヴァイので、鍵つきの机の引き出しにしまう

気になったらたまに見るものだ



7月23日

遙のデートを断り、学校へ行く

前回は、うやむやだった心を晴らしに行ったようなものだが、
今回は「速瀬を救うため」である

遙には「ちょっと学校に行く用事があって」としてある

学校に行ったことを怪しまれないための完璧ないいわけだ


もちろん速瀬はそこにいて、前と同じ状況になっていた

まったく・・・速瀬だって強がってるけど・・・1人じゃ・・・解決できないんだよ

助けて・・・やるからな・・・


速瀬にも適当に学校に来た理由を話し、学校を出る

そして直接遙のうちへ行き、遙と一緒に勉強


もう、完璧じゃないかっ!



8月9日

街をぷらぷらする
まあ途中で茜ちゃんに会うためだがね
道の途中、茜ちゃんが俺を見つけるとちょっと驚いた様子でいるが、そのそぶりは一瞬で、
「お兄ちゃん、なにしてるの?」と

ちなみに呼び方が「お兄ちゃん」に代わったのは今回は早かった気がする

前と同じように「情報を得た」攻撃により、ジュースをねだってくる

もうその情報自体知っているのだが、あいにく選択肢の中には「あげない」がないのだ

しょうがなくの見かけのジュースを渡すと、一瞬嫌そうな顔をして、でも嬉しそうに飲む


まあやっぱり情報について・・・もうすでに知っているものなので前ほどアタマに血が上らない

コレが・・大人ってやつか・・・

まあそれでも茜ちゃんには「速瀬はそんなやつじゃない」といっておく


そしてその後、これから遙のうちに行くフラグが達成した



8月15日

いよいよやってきた

遙には悪いが、今日は速瀬のほうに行かなくてはならない

これも・・・予定なんだ

速瀬は「確実」にプールにいる

コレは・・・知っていることだ


プールへ向かうと速瀬がやっぱりいた

いつもおちゃらけていた速瀬は・・・深く悩んでいたんだ

俺は・・・俺は・・・速瀬を救うために声をかけた

「速瀬ッ!」


俺はこれから速瀬を叱る


ふと思った
これはすべて「計画」なんだ

全て、「予定」なんだ

あのときは、俺の心がそうさせていた

なんとなく、機械的な「予定」だったんだ

言い返すことも一緒

遙を待たせることも一緒

なにもかも、予定だったんだ

一瞬そのことに戸惑いを感じたが、この際は関係ない

速瀬には罪悪感があった

俺の・・・心じゃないんだ

俺は機械化していた・・・

速瀬もそのことに少し気付いていたかもしれない・・

だけど・・・納得してくれた・・・

速瀬、遙、ごめんな・・・



8月25日

この日も予定通りの日だった

決して人生が楽しくなかった

わかっていることが発生して、決められた感じにこなす

ロボットの動作について知っているだろうか

これから近未来に自分の意思でロボットが行動するようになるかもしれないという期待もあるが
それも実際決められたことしか出来ないんだ

人間と機械の違い、それは「考えること」なんだ

人間は自ら考え、自ら行動する

たまに誰も考えつかないような奇抜な行動をとってみたりすることもある

一方機械(ロボット)は、決められたことしかしない


○○を運べ

前に歩け


命令されたとおりにしか動かない

「前に歩け」といったのに「後ろに歩いたじゃないか」なんていう現象が起きたとしても
それはロボットが考えたんじゃない、作った人がお遊びで入れたんだ

確率・・・前に歩けと命令したときの10%は後ろに歩く

とかそのような決定しかしていないんだ


そんなことなく人間は考えることが出来る

だから人間は人間でいられたんだ

でもおれはどうだ・・?

コレまで何してきた?

決められたことしかしない

なにをするにも「予定」をみる

多少考えることがあっても行動は「予定通り」

どうしてだよ・・・

おれは・・・何のために生きているっていうんだ・・・


急にこのような考えが浮かんできた理由がわからない

ただ、最後の2日にして、こんな考えが浮かんできたんだ

どこからともなく急に

涙が・・・滝のように流れてくる

男泣きをした

わけもわからずに男泣きをしていた


予定がもうすぐ切れるんだ

俺は・・・予定なしの生活に戻れるのか?

完璧に機械化してきた俺は・・・所詮機械なんだ・・・

「かな・・・しい・・・」

この言葉を最後に俺は・・・倒れこんだ



8月26日

気がつくと病院のベッドの上

目も大きく開けられず、口にはあの空気を送り込むマスク

近くには父さんと母さん

泣きながら座っている

目を覚ましたことに・・・気付いてくれてないのか・・・

すると反対側から「たかゆきくんっ!」との声

遙の声だな

その声に反応し、父さんと母さんは俺のほうを覗き込む

コレ・・・やばい状況なのかな・・・

ただ、貧血とかで倒れたなら、こんな感じではないだろうな・・・

そして遠くから「孝之っ!」と聞こえる

これは・・・速瀬か・・・

みんな・・・目から大粒の涙

おれは・・・どうしたんだ・・・?

速瀬「孝之・・・何でこんなになるまでわたしたちのことを・・・」

俺は・・・気になっていた・・・

唯一・・・自由の利く左手で無理やり口のマスクを取り・・・

「俺はどうしたんだ」と聞こうと思ったが、すぐにマスクを戻される

まあ声も出せなかったし、無理か・・・

速瀬「孝之・・・そんなに・・・1人で悩む必要ないじゃん・・・」

ああ・・・もしかしたら・・・過労か・・・

重度の過労か・・?

意識はたまにとんだり、そして戻ってきたり

正常な自分ではなかった

気がつくと1時間経過してたり、意識が頻繁になくなったりしてきた

なんか・・・やばいんだな・・・

いつかこの意識が1時間だけじゃなくて永遠に途切れるときがあるんだろうな


そして・・・そのときに俺が終わる

まあ、悔いはないよ・・・

この俺の人生は・・・「人」じゃなかったんだ

結局自分の首を絞めていたんだ

二人を助けるために1人で痛みを追うって・・・かっこいいじゃないか

もしかしたら・・あのときこの症状の前兆が出てたのかもな

だからあんなにネガティブな思考が生まれてきたのかも

・・・ああ・・・

そろそろ・・・やばい・・・

楽に・・・なるかな・・・

だんだん、

軽くなっていく

意識が

軽くなっていく


最後に・・・夢を見た

茜ちゃんが・・・でてきたな

そういえば、あれから茜ちゃんにあってないな・・・


茜「お兄ちゃんは・・・勘違いをしている・・・」

茜「お兄ちゃんが・・・気付かないといけないんだよ・・・」

茜「私はお兄ちゃんの味方だよ・・・だけど・・・」

茜「お兄ちゃんは・・・お兄ちゃんは・・・」

茜「ほんとうは・・・」

茜「次は・・・答えを見つけてね・・・」



Goto 4thLife?



―――あとがき―――

つなぎの部分のため、まあ何のヤマもない話になってしまいましたね
とくに1・2の反省から全ての予定を紙に書き込むような完璧人間になってしまったわけですが
それがゆえに、極度の疲労
(極度の緊張状態が常に付きまとい、それにより睡眠できない日も多々あった)
が発生し、ついには疲れて倒れてしまったわけです
また、疲れがピークに達したあたりからはマイナス思考の考えが氾濫し、 自制出来なくなった8月25日には爆発してしまいます
そしてその日に倒れます

倒れているのを確認したのは遙で、約束の時間になってもこないことから孝之に電話
孝之が出ずにいて、孝之の家に行くと部屋のあかりがついている
ピンポーンと鳴らしてもでてこない
こわくなって孝之のうちに電話すると急いで親が出動
親が持っている合鍵から部屋に進入すると倒れている孝之が いそいで病院に連れて行くもほぼ手遅れ
その時点で余命1日前後の宣言
速瀬やら慎二がかけつける
茜ちゃんはそのとき水泳の練習に行ったらしいが「来ていない」
もちろん病院にも来ていなかった
それから、8月26日、孝之が目を覚ますもほぼ意識が朦朧としている
目を覚ますこと自体が予言されていなかっただけに、期待が持てたが
やっぱりその日に・・・
・・・となったのでしょうかね?
一応まだ「死」とは書いていません
まあもしかしたら希望が?
死んでしまったら戻れませんからね・・?
前の時間に

伏線が意外と結構はってあります
まあこれは、最後の展開のためのものなんです
意味不明なものはとりあえず伏線と捕らえておいてください

それと、ノートですが、8月26日、親がそのノートを発見します
それからいろいろと書いてある内容を見てびっくり
未来情報は8月27日なわけですが、その予言が書かれているわけで、
「駅前での事故」を予言してしまったわけです
もちろんそこに遙がいたわけではないですが、
なんとなく「生前の予言」ということで気持ち悪さが残ります

4thLifeはどうなるんでしょうかね・・?
まあ一応決まっていることですが、若干の変更はあるかも・・・
とりあえず気長に書くとしますよ


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