セミの鳴き声は、俺のリピート生活の合図
時空旅行といえばなんとなく楽観的なもののようにみえるが、俺にとっては悲観的なものだ
悲しきかな人生
永遠という怖い言葉はない
ある、球を7つ集めることで願いをかなえてもらえるアニメでは、「永遠の命」という願いがあった
人は「死」ということを知ることにより、「絶望」し、その絶望を断ち切る要素を求める
一度は「永遠の命」にあこがれた人、多いはずだ
今冷静に考えてみるとそんなのは全くほしくない
「体験してこそわかること」で、まじまじと感じた。
たしかにこの世界がずっと続けば結果的に永遠の命を得たことになる(わずかながら成長しているなら別か?)
終わりが・・・ないのだ
終わりがないってなんだ?
物事とは終わりがあるんだ
何もかも終わりがあるんだ
始まったらいつかは終わりが来る
終わることさえも許されない
終わりがないって・・・俺は無機物なのか?
いやちがう、人間なんだ。考えることが出来る生物なんだ
じゃあ・・・この状況はなんなんだ?
幸せになっても抜け出せない状況
これで初めてこの現象がいやになった
あの時俺は、遙を救えず、後悔した
時間が遡ってしまえばいいのにと
そして、現実どおりになって喜んだ
「これで遙が救える」
2度目の人生は速瀬が悲しいことになった
耐えられなかった
間接的には俺のせいだったんだ
そしてまた戻ったときは、うれしかった
3度目は自分がいやになった
そして自分で自殺しようとしたのだ
そして4度目は、何も欠陥がなかった
だけど戻れなかった
これらから考察するに、4度目の人生の繰り返し現象は「意図とは関係ない」ということだろう
そういう結論から、「意図による繰り返し現象説」は崩れ去る
つまりは、仮説からでいうが、何者かが俺に向けて「繰り返し」をかけている
まあ魔法(非現実的だな・・この言葉)と考えていいだろう
脱出条件というものがあって、それをクリア(ゲームっぽいな)しないと出られないのだろう
そこで浮かんでくるものは「誰が?」「何のために?」
「何のために?」というのはたぶん遙の事故のことだろう
時期的に偶然過ぎるからだ
さて、じゃあ、「誰が?」これが最大のポイントだ
これが判明すれば、すぐに解決する
しかし、それは簡単なことではない
過程から積み重ねていけばいいんだ
俺はバカなんだ
何一つ解決しない
これが5回目で、まあ同じ現象を数回繰り返してきたことになる
ただ・・・わからない
あたりまえかもしれないが、自分が遭遇している状況が全くわからないことに腹が立った
7月24日
結局何も出来ぬまま日々は過ぎた
結局生活としては、2ndのような状況に戻ってる
まあしかし、水月のことも気にするってことだ
もちろん3rdのように思いつめないように気分はリラックスしながら、
重要フラグのみを回避し、それ以外は全く無意識にやってる
少し「思いつめたらどうしよう」とは思ったが、そうでもなかった
さて、そんなこんなで今日も普通に生活
たまたま本屋を通りかかったので本屋を見てみた
面白い本があるな・・・
やはり癖で「タイムスリップ」に関する本を見に行ってしまう
あれだけ無駄遣いしたあとで・・・とは思うかもしれないが、前の本はこの人生には登場していない
お金を使っているわけではないから、買ったことにはなってない
立ち読みと同じなのだ
で、今回も興味深い本を買ってみようかと思っていた
サイフの中は遙とのデート費用が少しかさみ、6050円
まあ、明日になれば親の給料日ということで仕送りを振り込んでくれるので
これだけあればたりるだろう
まあ、1冊単価が安いわけじゃないので、じっくり吟味して決めますかね
手にとってみた本はこれだ
1.時をかけた少年
これは、ラベンダーの香りをかいでタイムスリップしてしまう少年の話だ
まあ、俺が戻る瞬間、苦しんでいたことからかなりの異臭が発生してそれによるタイムスリップも
考えられる
しかしまあ、場所はそれぞれいろいろあるわけだし・・・おかしいな
病院でそんな異臭が発生したら絶対俺が苦しみだす前に誰かが何か言う
というわけでこれとは境遇が違うな
2.tの殺人。
主人公がタイムトラベルして、犯罪を犯していくもののようだ
主人公はタイムマシンを開発して、という点から根本的に違う
手に取っただけ損だった気がする
まあ、タイトルから想像できるか・・・
3.時間空間概論
4次元空間とは空間XYZおよび時空軸Tの流れによるもので、時空軸Tの流れは
空間XYZの連続である、のようなことがかいたものである
実際ほとんど関係ない
4.檻の中のネズミ
これは本当に全く関係ないものだった
檻の中に閉じ込められたネズミは、檻の中で火をまかれ焼かれそうになる
そして檻の出口には火柱が立っていて、火で燃えていて出られない
そんなときのネズミの行動を表した本だ
5.僕が望んだ未来のために
小説・繰り返し世界を体験する青年の話
彼とかなり似たような境遇である
これは近いかもしれない
実際自分でフラグを解除したといっても、もしかしたら隠されたフラグもあるかもしれないと
気づかせてくれた本だからだ
まあそんなこんなで、収穫は5の本
ついでに檻の中のネズミという本も面白かったので買ったものだ
そんなこんなで、希望を持ち家に帰り、僕が望んだ未来のためにを読み漁り
檻の中のネズミを読み漁った
後から考えると、単に本を読んだだけの気もしたわけだが・・・
8月9日
この日は大きく進展したものだ
それは俺が本屋にまたいったときのこと
まあ、前は参考書を買いに行ったのだが、今回はもう買ってあった
別件にて、この現象についての本をまた見に行ったわけだ
そもそも、今日見にいった理由は
「タイムスリップから科学する」という本が発売になったからだ
アメリカの有名な科学者が書いたというものらしい
橘町の大きな本屋でも何冊か売れていた
本屋を捜し歩いていると、その本を持っている人もいた
まあ、このなかに「タイムスリップをして悩んでいるから買った」なんて人もいないだろう
内容は多少知っていたので、即座に購入
袋を持って帰り道を歩いていた
そんなときに茜ちゃんに遭遇した
茜「お兄ちゃん!何の本買ったの?」
孝之「うわぁ!茜ちゃん!」
とりあえずとっさに本を隠してしまった
そして茜ちゃんがそれに反応する
茜「隠すって事は見せられない本?」
ニヤリとするのと、顔を赤くする動作の同居
二面性が見れた
茜ちゃんは俺からほんの袋を奪い開封する
中から出てきたのが「タイムスリップから科学する」
茜ちゃんは一瞬だけ表情が曇ったような感じがしたが、いきなり「なになに?」
といったかんじで、「こんな本に興味があるの?」と聞いてくる
孝之「まあ、別にいいだろ!」と返す
茜「ふーん」と少しだけ寂しそうな表情をした
少しだけ違和感を感じた
茜ちゃんは続けて「水月先輩にも、お兄ちゃんがオカルト趣味ってことはなしちゃおうかなー」
孝之「待て!
速瀬の耳に触れたら間違いなくからかわれる」
茜「態度しだいだね☆」
といって自販機を指差す
まあようするに、ジュースを飲みたいのだろう
こういった点では前と一緒。
そしてそのあと、「あ、でも水月先輩、お兄ちゃんのことかまってる余裕なんかないか」と続く
前と一緒である
結局その本を読んだが、やはり結論には行き着かなかった
8月14日
ポストに手紙が入っていた
切手などもなく、差出人・宛名も書いていないので、直接もってきたこととなる
表には「絶対読んでください」と書いてある
まあこういう手紙には「親展」などと書くのだろうが、まあ関係ない
その手紙を開けると、いろいろな意味での衝撃の言葉が書いてあった
「がんばってるみたいだから少しだけヒントと忠告をあげるね 私は、あなたの今の状況のこと、知ってるんだ 8月の終盤になると7月の前半に戻っちゃうって事でしょ? そうやっていろいろ歴史をかえてやってるみたいだけど ヒントはね、 あなたはいろいろと認識を間違ってるんだ まあ繰り返しているということは事実だけど 何かが違うんだよ もう一度考えてみて あと、この世界は永遠には続かないんだ こうやって繰り返せるのは もうこれで終わりなんだ。 うん、あなたが区別している言葉を使うと5thLifeまで だからもう生き返れなくて それで、その日に死んじゃうんだ それと抜ける方法だけど、このおこってることを全部理解しないとダメなんだよ だからね、この手紙の差出人も誰だかわからないといけないね 絶対あなたならきっと気づける 絶対気づいてね」こんな内容である
いってしまえば寿命半月を宣告されたのとほぼ同等である
そんな状態なら暴れだしそうな状況ですが、3rdで暴れすぎて冷静になろうとした分
これは冷静に流すことが出来た
しかし恐怖におびえてるのはいうまでもない
そしてこの手紙からの洗い出し
読み取れる情報は、そのとおりに、
・もう生き返れない、つまり実質的に考えられる時間は半月ちょっと
・そもそも繰り返しているということはあってるが認識が間違ってる(まだ理解不能)
・差出人=計画者
ヒントはこれだけあがった
残り日数は後14日前後。
だから、本気出して考えなければならない!