寝ようとすると何かどっと襲ってくるような・・・
無音の空間は何かを考えさせ、絶望に追いやる
自分にはもう余命がほとんど残っていない
あと○日、あと○日というようにカウントダウンしてしまう
感じているその瞬間(とき)、それを感じることは少ない
だけど、夜の無音の間はなにか、瞬間の概念を考えてしまう
ある人が言った。
時間の感じ方は、これまでの時間に比例すると。
そして俺は1日1日を短いと感じながら生きていた
時は止まることがない
誰が止めることもなく、無常に流れる
そもそも、時間というものの概念を得たのは人間
1日という概念で区別し、生まれた日から何日とかそういう概念を持つようになった人間
そもそも時間とは結局は自分の生きている間のみ示すもので、
生まれてから死ぬまでの時間を「自分の時間」
そして俺の時間、要するに俺が時間と感じることが出来るのは残り・・・数日なわけだ
それ以降の1秒は永遠となる、永遠は1秒となる
まあ、この自称天使の言うことが正しくて、かつその条件に失敗したときのみだが、
これまでたくさんの非現実事象を体験してきた俺にとっては信じるしかないことであり、
これを失敗したら死ぬ可能性を99%としてもいいぐらいなことだ
もう一度天使の手紙を読み返してみる
「がんばってるみたいだから少しだけヒントと忠告をあげるね 私は、あなたの今の状況のこと、知ってるんだ 8月の終盤になると7月の前半に戻っちゃうって事でしょ? そうやっていろいろ歴史をかえてやってるみたいだけど ヒントはね、 あなたはいろいろと認識を間違ってるんだ まあ繰り返しているということは事実だけど 何かが違うんだよ もう一度考えてみて あと、この世界は永遠には続かないんだ こうやって繰り返せるのは もうこれで終わりなんだ。 うん、あなたが区別している言葉を使うと5thLifeまで だからもう生き返れなくて それで、その日に死んじゃうんだ それと抜ける方法だけど、このおこってることを全部理解しないとダメなんだよ だからね、この手紙の差出人も誰だかわからないといけないね 絶対あなたならきっと気づける 絶対気づいてね」
>「いろいろと認識を間違っている」
まず、これに関して
認識を間違えているというのは「繰り返している」事に関してか?
まあ天使に考えていることが筒抜けなのもなにかひっかかることがあるが
たぶん認識とは「8月31日から7月4日に戻るベクトルがある」ということだろう
これが間違っているというのか?
そうすると、次の文
>「まあ繰り返しているということは事実だけど」
これもわからない
繰り返しているということは事実=あなたの繰り返しに対する認識と違う繰り返しが発生している
ということなのか?
>「だからもう生き返れなくて」
・・・どういうことだ?
俺は毎回死んでいるというのか?
たしかにあの自殺まがいな方法で絶ったとき、
あの時は戻るのが早かったし、そう考えると死んだという考えもおかしくないかもしれない
死んだら戻ることだったのか?
遙のときも、水月のときも・・・みんな俺は死んでいたのか?
謎は深まるばかりだ
あいにく推理小説の犯人当てすら正解率の少ない俺だ
こういう謎が発生したとき、完璧にすぐに思い浮かぶなんてことは無理な気がする
順を追ってゆっくり考えて、解いていくんだ
俺は余っていた一冊のノートを用意する
1〜4ページ目ぐらいまでは英語の文章が書かれてる
そのノートの1〜4ページ目の部分を切り裂いて発見ノートというのをつくった
我ながらグッドアイディアである
気づいたことをどんどん書いていって、会議のときのようにいっぱい例をあげる
その中に答えがあるかもしれない、つながるかもしれないというものだ
まず最初にさっき思ったことを書いてみた
〜残り9日〜
遙との予定を崩すわけにはいかないので、遙とデートしたあと、
家に帰宅した後に考えるというようなスケジュールを組んでいる
これの結果によって俺が生きるか、それとも死ぬかという重大なことがかかっているので
そんな気楽にはやっていられない
今度は過去に関して思い返していた
1回目は、そう、8月31日の終わりぐらいに気分がハイになってたんだ
まるで9月・・・9月にいかせない感じで
手紙の本文を考えたら、死んだ・・・んだな
2回目は、速瀬の事を聞いて、かけつけて、悲しくなって俺は・・・
苦しくなって・・・
あの時・・・ああ、思い出した
あのとき、隣の人が扉を叩いていたんだ
自分自身全てが、全ての考えが負の方向にまわっていたあのとき・・・
おれは・・・
自殺したんだ・・・
そうだよ・・・「やめてやるよ」なんてかっこいいんだかわるいんだかわからないセリフが
ちょうど頭に思い浮かんできて・・・オレは自殺したんだよ
・・・あのとき、なにか・・・あったはずだ・・・
3回目はこれも自殺だった
覚えている
あの苦しかった時間を
苦しさは一瞬でいつの間にか7月2日になっていたが・・・
俺は・・・ここでも死んだんだ
4回目、俺は死んだ
結局何も出来ずに死んだ
何も解決せず、8月31日に苦しみだして死んだんだ
・・・まてよ?死んで、時間が戻るのか?
生き返るという現象、つまり死んでからまた1日後に目覚めたり、
そんな感じならまあ、手紙の文章から見ればおかしくない
だけど、死んでから時間を戻されてる
なんかおかしいぞ?
死ぬ、直前に意識だけ時間を戻しているのか?
それならありえるが、そうするとやはり手紙は矛盾する
それよりも何かを思い出せない
いや、思い出させないのかもしれない
何かがあった
死ぬ直前に何かがあった
なんだろう・・・思い出せ・・・
〜8月26日〜
散々にまで茜ちゃんにからかわれた
あのときのようの「レモンの味」だのその辺りの部分だ
8月20日に不覚を取ってしまったばかりに、いろいろ突っ込まれ
最終的には茜ちゃんが顔を赤くしてぶんなぐってくる始末
でもなんだか平和だった
あのときもそう思ったんだ
次の日・・・俺がしっかりしなければ・・・茜ちゃんのお姉ちゃんを・・・
そして俺の・・・大切な人を・・・失ってしまうんだから・・・
・
・
・
家に着く
慎二からの電話
まあいつもどおりだ
遙との待ち合わせ場所と時間を変えた
とりあえずこれで準備OK
にしても・・・慎二や・・・速瀬や・・・茜ちゃんや・・・こういうこと
全く気づいてないんだろうな・・
歴史を変えなければ遙が事故にあう運命だったこと
俺がもうすぐ・・居なくなること・・・
・・・あれ?
なんか違和感を感じた
・・・知らない?
本当に・・・そうか?
この違和感は・・・どこから生まれてくるんだ?
あっ!!
今思い出す
毎回・・・死ぬ間際の言葉・・・
そもそもああいう場面でなぜ茜ちゃんが出てきていたのか謎だった
最期のときぐらい、遙の夢を見たいものだが、
毎回茜ちゃんが出てきては・・・何か言って消える
・・・偶然・・・だよな?
>「お兄ちゃんが・・・・わからないと・・・だめなんだ・・・」
>「お兄ちゃんは・・・勘違いをしている・・・」
>「お兄ちゃんが・・・気付かないといけないんだよ・・・」
>「私はお兄ちゃんの味方だよ・・・だけど・・・」
>「お兄ちゃんは・・・お兄ちゃんは・・・」
>「ほんとうは・・・」
>「次は・・・答えを見つけてね・・・」
>「私は・・・教えられないの・・・」
>「私は・・・お兄ちゃんの味方なんだよ・・・」
>「だけど・・・教えられないの・・・」
>「これだけはいうよ・・・」
>「お兄ちゃんが思ってることと・・・今おこってることは違うの」
>「もっと考えて・・・それで最高の結末で終わらせて・・・」
鮮明に思い出してきた、この言葉。
そして手紙を読み返す
・・・同じ・・・だな・・・
言葉は違うものの、やはり言ってることは同じ・・・
まさか・・・でも・・・茜ちゃんは・・・
涼宮茜・・・遙の妹で、なんとなく小悪魔的にオレたちの邪魔をしているんだか応援してるんだか
よくわからない・・・
だけど・・・これだけはいえた
他の何者でもない、ただの遙の妹だって事・・・
まさか・・・な?
とはいえど、これだけわかったとしても何も解決しない
俺自身が解決しなければならないこと
=事象の解放=
〜8月27日〜
今日も一日が終わる
駅前では忌まわしい事故が起こった。
何度見ても悲しくなるあの光景
目の前であれを見てしまってから、耐性がつくまで時間かかるというところだろう
そしてまあ夜になりまた1人の空間
自分自身で気づけなければこの「地球」という星からあと4日で立ち去る
「はやかったな・・・」
この期に及んで気づく、地球の神秘性
世界は大きくて、自分では全く手の届かないところにもたくさん人々が居る
そして数多くの謎が存在して、科学が進歩した人間の能力では到底届きそうにない
この繰り返し世界の事だって、俺が今まで生きてきた間、知ることもなかった
自分がこういう目にあってみて初めて気づく
こんなこと・・・ほとんどの人が気づかずに終わるんだろうな・・・
あ、もしかしたら俺が気づいていないだけでいろいろな人がこういう目にあってるかも・・・
地球は回っている、それさえも上から見なければわからないほど、神秘なもので、
だけど本当のこと
本を読むのをやめて、放り投げる
コントロールが悪く机の上にぐしゃっと乗ってしまう
別に気にすることもないのだが、そのままでいるとなんとなく肩の辺りに気持ち悪さが残る
というわけで直しにいった
たまたま歴史の教科書が目に入った
中学校のときのやつか?
そういえば俺・・・中学のとき歴史好きだったんだよな?
孝之は懐かしそうに歴史の教科書を読む
どうしようもならないこの瞬間ぐらい、恐怖を忘れて
楽しかった日の思い出と遊ぶ、そんな時間がほしかった
しかしその教科書を読んでいると、異変に気づいた
確かに、歴史の教科書ではあるが、中学校のときの本とは全然違う
内容も若干違うし、中学歴史の割には年表のページが異常に長い
そして俺は・・・年表のページを見て・・・絶句した・・・
同じことが何回も書かれているのである
オレたちはキリストが生まれて、西暦が始まって・・・その辺りを「1度」の現象として習った
しかしその年表は違った
何回も・・・何回も同じことが起こっているのだ
そして・・・
2108年・・・核戦争により地球崩壊
↓(892年後)
地球復活
↓(○億年後)
生物誕生
↓
どういう・・・ことなんだ?
歴史は確かに・・・繰り返していた
そして俺が覚えた1192つくろう鎌倉幕府
794うぐいす平安京
同じ年号に・・・同じ年号に・・
歴史は何一つ変わっていなかった
年表は60ページに渡り続いている
全て・・・同じことが書いてある
とはいえど同じページが入れられるというミスではなく
ちゃんと1ページから60ページまであるのだ
ありえなかった・・・
繰り返しているのか・・・?
急いで押入れをあさり、中学校のときの歴史の教科書を取り出す
こっちは年表が3ページしか用意されてなかった
年表が長いほうの歴史の教科書を再び開けて、最後のページを見てみる
「核による地球の崩壊」・・・人間は積もり積もった怒りや、
独裁欲などから、世界中で核を用いる戦争が起こった
破壊兵器としての製作能力は科学の進歩により高度成長していたが、
防御設備の建設などは遅れており、予想以上の核の威力から地球まで崩壊する
人間の科学活動に終止符を打つ結末である
なお、天界ではこの後892年後には地球を復活させ、元通りにする
修復活動を行っている
なお、この修復活動による生物の発生などは全てリセットであり、歴史は繰り返す
・・・だんだんと答えが見えてきた
そして、歴史の教科書の裏表紙を見て確信した
名前・・・・AKANE
全く・・・相変わらずだよ・・・
計画性はあるけど、結局ツメは甘いんだよな・・・
あの時(電話で呼び出されたとき)だって・・・まあ茜ちゃんらしいといえば茜ちゃんらしいかな
小悪魔だったけど、小悪魔にはなりきれない・・・
それは・・・元が天使だったから
名前書いた教科書おいておくなんてな・・・
「明日、あかねちゃんのところに問い詰めに行こう
それで、全て白黒つけるんだ」
孝之は、ノートの最後4ページ分ぐらいにこれらの事象を全てまとめ、書いた
明日には・・・終わるんだ・・・
〜8月28日〜
早速朝遙の家に電話かける
すると10秒で「残念でした、お姉ちゃんじゃないよ?」と、茜ちゃんの電話のとる声
ちょうど良かった。
孝「ああ、今日は遙に用じゃないんだ、茜ちゃんに用なんだ」
茜「え・・・あ・・・うん・・・」
孝「そうだな・・・白陵の丘知ってるか?
そこにきてほしい」
結局・・・丘になるんだよな・・・
別に告白するわけじゃないぞ!
30分待った
ゆっくりと茜ちゃんはやってくる
茜ちゃんだって、何の話かはわかってるはずだ
孝「よう」
茜「ああ、お兄ちゃん」
孝「にしても・・・いろいろあったな」
茜「うん」
孝「俺は・・・何年も過ごした気でいたが、
実際増えたのは1年分ぐらいしかないんだよな・・・」
茜「・・・」
孝「苦しいことも多かったけど・・・いろいろわかった」
茜「・・・」
孝「人生って難しいなって
ドラマだったら台本があればらくなんだ
だけど人生には台本があっちゃいけないんだ」
茜「・・・」
孝「正直言うと、全然わからなかった
俺・・・バカ・・・だからな・・・
今を生きる、ただそれだけに必死で、何にも気づかなかった」
茜「・・・」
孝「だから・・・ヒントもらって・・・やっと必死になれた」
茜「・・・」
孝「ありがとな・・・茜ちゃ・・・いや、天使」
茜「ああ・・・わかっちゃったんだね」
孝「当たり前だ・・・そもそも気づかせたのは茜ちゃんだろ?
この本だって・・・この歴史の教科書っぽい冊子さえなければ
全く何のことだか気づかなかったし
まあたぶんあの手紙を入れてくれたのも茜ちゃんだろうし
死ぬ直前に俺の意識の中に入り込んでヒントもくれたんだ」
茜「・・・うん・・・
私こそ・・・バカだね・・・
天使である以上、やったことは誰にもおしえちゃいけないんだ
だけど・・・だけど・・・お姉ちゃんを救いたくて・・・
お兄ちゃんを救いたくて・・・だからいっぱいヒントあげちゃった
教えたらね・・・天使でいられなくなっちゃうんだ・・・
これは決まってることで・・・
だから私は教えてあげることが出来ないって・・・
あ・・・あと5分・・・
もう5分しか居られない・・・
楽しかった・・・毎日が楽しかった
あそこに居られて幸せだったな
あ・・あそこには私は居ない設定になるから・・・
私が居なくなっても誰も違和感を感じないんだ
だから・・・私が居たこと・・・忘れてね・・・お兄ちゃん」
孝「忘れねぇよ!
茜ちゃんはあそこにいたんだ
遙の妹で、いたずら好きで、オレたちの邪魔ばっかりして
すぐちょっかい出してきて
泳ぎが速くて・・・
でも内心は優しい心を持ってて、
茜ちゃんはいたんだ
世界中の誰もが忘れようと、忘れねぇよ!」
茜「ありがと・・・お兄ちゃん・・・
私は・・・お兄ちゃんが大好き・・・だった
お姉ちゃんのことが大好きで、いつもバカップルってよべるぐらい
いちゃついてたり、いつもなんか変だったり・・・
でもそんなお兄ちゃんが大好きだった
だからね・・・最後だけ・・・あと5分だけ・・・
優しく抱きしめてて・・・
いつもワガママいってごめんね・・・
だけどこれが最後のワガママだから・・・
お願い・・・」
大粒の涙を瞳から流す
その涙を拭いてやる
そして優しく抱きしめてやる
孝「ぜったい・・・絶対に忘れないからな
本当にありがとな・・・茜ちゃん・・・」
孝之の抱きしめるは、愛では愛でも、恋愛というより家族愛の愛だろう
もちろん茜ちゃんも承知である
だけど・・それでも茜ちゃんにはうれしかった
茜「あったかい・・・
こんな・・・あったかいお兄ちゃんに包まれて・・・
お姉ちゃんうらやましいな・・・」
天使であろうと、人間のぬくもりを感じる
茜ちゃんはやっぱり茜ちゃんなんだよ・・・
消える・・・なんてことが信じられなかった
時間とは無常・・・
茜「もう・・・時間だ・・・」
孝「えっ?」
茜「お兄ちゃん・・・ありがと・・・
最後に私のワガママ聞いてくれて・・・ありがと・・・」
孝「茜ちゃん!!」
茜ちゃんの存在はどんどんと薄れていく
10秒も経つと、全体が消えてしまった
何もなかったように・・・
孝「茜ちゃん!!」
すると急に空にぽっかり穴が開き、スポットライトに当てるような電気が差し込んでくる
そしてそこを通って、一人の女性(?)が降りてきた
?「あなたが、鳴海孝之という人ですね」
孝「ああ、そうだ」
?「お疲れ様でした。いままで8月31日に意識のみが飛ぶ、
このような現象はもう終わりました
だからこれから安全に暮らすことができます」
孝「茜ちゃんは!?」
?「ああ、あの天使のアカネのことですか?」
孝「茜ちゃんはどうなったんだ!?」
?「アカネは天使の規則を破り、天使生命を終えました
よってもう天界にいることはできないというもので」
孝「茜ちゃんは、ただ俺に・・・俺に・・・
だから俺が悪いんだ・・・!!
何で茜ちゃんが・・・罪を・・・!
悪いのは俺なんだろ!?
だから俺に罰でもあたえてくれよ
茜ちゃんは悪くないんだよ!!」
?「そこまでして・・・アカネを・・?
恋愛感情は涼宮遙さんに持っていると存じてますが」
孝「ああ、そうだな、俺が好きなのは遙だ
だけど、茜ちゃんだって、俺の大切な人で・・・
愛してるとかそんなんじゃない、
だけど、大切な人の1人なんだ・・・
いっちゃえば、家族のようなものなんだ
茜ちゃんは、遙の妹で、俺をからかってばかりで、
だけど・・・家族のように大切な人なんだ!!」
?「ふふ。天使としてじゃなく、家族として想ってるのですね
なら・・・安心です。
これなら安心します
帰ったらわかりますよ。
これらのことがどうなったのか
あ、もう時間なので帰ります
後のことは手紙に書いて送るので、読んでくださいね」
帰ったらわかるって・・・
なんなんだよ・・・?
何もわからないまま家に帰宅する
すると・・やはり手紙が入っていた
拝啓 鳴海孝之様 先ほどは十分な説明時間がなく、全てにおいて、説明が出来なかったので この場を借りて説明させていただきます このように繰り返し世界に入るのはあなたの希望したことであり、 希望するということはあなたが生まれる前からきまっていたものです そこで、涼宮家にアカネをもぐりこませ、4人家族として生活させていました そもそも天使の世界ではこのようなことをよくやるものであり、 そのもぐりこんだ家では最初からそこにその天使が居たものとして設定され いなくなったころには全員がその天使のことを忘れています そもそも、天使の存在は居なくなればかかわった本人でさえも忘れるものであり、 いなかったものとして何事も違和感なく生活できるものです では何故あなたはアカネのことをいま覚えているのでしょう? それはわかりますよね? あなたの想いは十分に伝わりました そんな、そんな優しい心を持ったあなた様の担当として就けた アカネはとても幸せだったと思います これからも、そのような優しい気持ちで接してあげてください なお、この手紙は24時間で消滅します それと、この手紙が消滅したとき、あなたが覚えている天使に関する知識なども消滅します そして、アカネは天使としてではなく、涼宮遙さまのただの妹として これからも暮らすこととなるでしょう それでは・・・ご多幸を祈って 敬具手紙を読んだら走っていた
たぶん・・・茜ちゃんはあそこに居る
きっと俺が笑顔で戻ってくるのを待っているんだ
メロスのように太陽の10倍とまでは行かないが、
それでも息の切れるほど速く走っていた
ついた・・・
予想通り人影
孝「茜ちゃん!!」
茜「お兄ちゃん!!」
感動の再開
茜ちゃんが抱きついてくる
まあ・・・ちょっとぐらいは・・・いいか・・・
5秒後
孝「はい終了!」
茜「えーーーケチ・・・」
孝「何がケチなんだ?
そもそもこんなところ誰かに見られたら絶対誤解されるだろ」
茜「あーあ、さっきはお兄ちゃん、ほんとあったかかったのになぁ」
孝「!!、忘れろって!!」
茜「忘れないよ?
あ、いろいろなこと、あと24時間で忘れるけどこういうぬくもりは忘れないんだよ★?」
孝「だから忘れろって!!
あれは・・・天使へのサービスだったんだ!」
茜「えーーー、態度しだいかな★」
孝「く・・・天使というより悪魔じゃないか・・・?」
茜「天使だよ!」
孝「悪魔じゃないか!」
茜「天使!!」
・
・
・
孝「でも・・・お帰りな」
茜「うん、ただいま」
孝「まったく、あの時・・・もう居られなくなる、見たいなこといってたから、
別の天使に力説しちゃったよ」
茜「お兄ちゃん・・・ありがと・・・」
少しだけ茜ちゃんは涙を流す
天使のような涙・・・なんていいすぎか
孝「帰ろう」
茜「うん☆!」
〜9月15日〜
孝「あーーー!俺が楽しみにしてた梨のコンポート!!」
茜「お兄ちゃんが残しておくのが悪いんだよ☆!」
遙母「あらあら・・・また茜ったら・・
鳴海さん、まだまだありますから」
遙「もぅ・・茜ったら・・・」
茜「えへへ☆」
今日もまた楽しい食卓
また明日も・・・あさっても・・・
幸せは繰り返していく・・・