孝之たちは忘れないながらもあの日のことを気にせずにすごしていた
遙のほうも、あのあと一応病院にいき診察を受けるも
まったく異常なし。
これには水月も茜も驚いたようで、
「さすが愛の力だね」といっていた
(孝之視点)
遙と孝之は結婚2年目
あのあと子供を宿し、めでたく出産
出産したのはつい2ヵ月半前のことだ
1週間ほど前に子供は家に来た
低体重児だっため、入院が長くなってしまったのだ
さて、そんなかんじで、孝之や遙は子供に愛情を注ぐも、
仲のいいのは変わらない(むしろ日々上昇気味・・・)
孝之はカレンダーをめくった
遙が日めくりカレンダーがいいということで、かってきたものだ
これだと、カレンダーをめくるごとに、出産時期が近づいてくるのがわかるといっていた
俺も、遙に「買って」といわれてから気づいた
「2001年8月15日」を指している
この日付を見て急にあのときのことを思い出した
何もかも非現実的すぎた
というか、「遙・水月・茜」の3人娘隊の存在はどうなったのだろうか?
あれにて解散?
いや、どうでもいい
あの3人娘隊が結成されるということは、地球の危機を意味するんだから
それにしても・・・俺や慎二 弱かったな・・・
ピン!
となったわけではないが、髪の毛の1部分が立っていて、ある方向を向いている
妖気?
いや、俺は鬼太郎じゃない
たぶん朝からあった寝癖だろう
とはいっても、こんな変な寝癖・・・
いやな予感がする
なんとなく意識があって起こした行動なのかわからないが、テレビをつけようとしていた
それは遙も同じだ
遙も何かを感じ取ったらしい
なんだ・・・
ほんとうにこれはやばいぞ
なにもない、ただの偶然、気のせいであってほしい
しかしそんな思いはすぐに消える
「ニュース速報 茨城県霞ヶ浦付近に謎の生物現る」
そんなニュース速報が流れたと思ったら一気にバラエティー番組がニュース番組に変わった
映像が映し出される
そこにはあのときを思い出させる怪物が居た
完璧な色違いというわけではないが、ある程度特色が似ている「緑色バージョン」が居た
死亡者:不明 負傷者:不明 |
不明って何だ?
キャスター「E02は強い風を吹かせる能力を持っており、近隣40Kmほどの自宅はE02から西と北の方角はほぼ全壊の模様です
また、人間が吹き飛ばされるという可能性もあるため、具体的な被害はまったくわかっていません
新しいニュースが入り次第、連絡いたします」
ピロピロピロピロ
遙の携帯電話はこんな着信音ではない
もちろん俺もだ
誰のだ?と疑問に思う暇も無く、遙はなんと髪の毛の中に隠していた超小型携帯電話を取り出した
この時代にこんな技術進んでいたっけ?
遙「うん、わかった、じゃあみんな集合して!」
遙は電話で話している
たぶん今日も3人娘隊が集結するのだろう
ついに2度目か・・・
1分もしないうちに速瀬や茜ちゃんが来た
慎二はあいかわらず、どんくさいなぁ・・・じゃなくて、こいつらの到着時間が異常なんだ!!
水月「またわたしたちの出番が着てしまったわね」
茜「水月先輩、絶対倒そう!
あんな怪物!水月先輩の波動拳やカメハメ波ですぐ倒せちゃうよ!」
水月「・・・」
一瞬速瀬がそんな能力を持っているのかと思ったが、焦り度からみてうそみたいだ・・・
「へーんしん!!」
おお!
そういえばこの前は変身シーンを見ていないぞ!
もしかしてみんなの体が光り輝いて・・・
って・・・・
目の前ではあの、テレビでの着替えシーンなどに使われる縦長のカーテンで着替える3人の姿があった
それも、俺がのぞくのを防止するためか、有刺鉄線が張り巡らされている
見た感じ、電気も流れているみたいだ
って、タイマー?
なんか、10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・といったようにカウントしているんですが・・・
もしかして、これが0になったら勝手にカーテンが消えるというやつですか?
・・・
バラエティー番組?
・
・
・
茜「やばい、時間が!!」
水月「茜、急いで!」
茜「う、うん、あーー時間が無いよー!!」
無常にも時計は進んでいく
3秒前
2秒前
1秒前・・・
・
・
・
「ガンッ!!」
・・・
0になった瞬間、俺の頭の上からタライがおちてきた
茜「ああ・・・おにいちゃん救えなかった・・・」
水月「ほら、別に孝之のことはいいから早く着替えちゃいなさい!」
茜「はーい!」
・・・おれ、ボケ役なのかな・・・
そんなこんなで着替えに2分かけ、これから現地に向かうところだ
っと、遅れて慎二がやってくる
水月「遅い!」
慎二「つったって、常人の速度だったらこれが限界だよ
これでも自転車で全力できたんだぞ」
慎二のほうを見ると大汗が流れている
慎二「よしっ、俺も参戦だ!」
水月「あ、慎二君は遙と孝之の子供のお守りしててね」
慎二「・・・ああ・・・俺の役目はそれか・・・」
慎二、戦力外通告
水月「よし、いこう!」
茜「はい、水月先輩!」
遙「孝之君、いこう!」
「うん」
慎二「・・・」
とはいっても霞ヶ浦というと、ここから車でも2時間半はかかるじゃないか!
どうやっていくんだ?
と、前を見るとドアのようなものが置いてあって、
そこのドアの先は別世界だった
音が激しく、いろいろ飛んでいる
きっと現場だ・・・
これは俗に言う「どこで○ドア」というやつだ
どこで買ったんだろうな・・・?
東急○ンズかな・・・?
ニュースで放送されていた映像と照らし合わせても同じ光景だ
とりあえずカメラマンや警察官、および、特殊捜査官などといった人たちは、南の方向で待機している
とはいっても、いつ暴れだすかわからない怪物のところによくこうやって居られるなと思う
これも仕事なんだな・・・
遙・速瀬・茜ちゃんは3人娘隊の格好をして、特殊捜査官の人たちに話している
で、俺って何なんだ?
3人娘隊のメンバーでもないし、
かといって、へんな部隊に入っているわけではない
舞台といえば、小学校のころ鼓笛隊に入っただけだ
もちろん、決して戦うような隊ではない
遙「3人娘隊!」
茜「ただいま参上!」
水月「3人娘が居る限り!」
・
・
・
さすが、3人だから、つながらないよ・・・
って、3人は俺を見ている
・・・俺?俺が言うの?
「この世に悪は栄えない!」
遙「水月、相手の能力値みてー?」
水月「うん、わかった!」
Attack ・・・1700 Defence・・・ 65 Magic ・・・ 10 Life ・・・1500 |
「そうなのか・・?」
水月「孝之は黙ってて!」
「は・・・はい・・・」
水月「攻撃力が大きすぎるからあたったらほぼだめだと思っていたほうがいいわ
よけるのよ」
茜「よーし!がんばろう!」
遙「うん、がんばろう!!」
Attack | Defence | Magic | Life | |
Haruka | 516 | 218 | 500 | 853 |
Mitsuki | 518 | 529 | 5 | 529 |
Akane | 562 | 551 | 3 | 549 |
Takayuki | 13 | 34 | 2 | 40 |
茜「ほら、お兄ちゃんがいつもおねーちゃんといちゃいちゃーってしてるから
ずっとお姉ちゃんのステータスは上がりっぱなしなんだよー!」
「そうか・・・」
速瀬は微妙な成長以外ないわりに、遙のステータスは
前回の覚醒時よりも高い
茜ちゃんもなんとなく高い
そして俺のステータスは逆に低下しているような気がする
もう、わけわからない・・・
遙の攻撃【ミートパイの奇跡!】
遙はMagic20を使った
敵に54のダメージ
攻撃力に50のダメージ
防御力に1のダメージ
遙、つえー・・・
水月「よし、わたしも」
水月の攻撃【新・ドルフィンキック!】
敵に81のダメージ
茜「よーし、水月先輩、見ててね!!」
茜【量産・ドルフィンキック!】
敵に118のダメージ
ついに・・・茜ちゃんは速瀬を越えたか・・・
敵の攻撃・・・敵は気力を貯めている
な・・・なんだ・・・
遙の攻撃【夜空に星が瞬くように!】
遙はMagic25を使った
敵に60のダメージ
攻撃力50のダメージ
防御力に1のダメージ
水月の攻撃【お花畑へ】
敵に84のダメージ
茜の攻撃【ジュース買って!!】
敵に119のダメージ
Attack ・・・1600 Defence・・・ 63 Magic ・・・ 10 Life ・・・ 984 |
敵の攻撃・・・敵は気力を貯めている
敵の体が光った
どうして敵は攻撃しようとしないんだ・・・?
遙「じゃあ私が行くね!」
遙「絶対涼宮奥義・・・」
水月「まって!」
遙「・・・?」
水月「今、敵は構えができているのよ
これで、攻撃したらカウンターを食らうわ
さっきも言ったように、攻撃を食らったら1撃で死ぬわ」
遙「じゃあ、どうすればいいの!?」
水月「考えるのよ!まず、3人の連携技を組むの」
遙「でもあれじゃ、この敵には900しかダメージが与えられないじゃない!」
水月「そうなんだけど・・・とりあえず一人で攻撃してもやられるだけよ!
まず、構えましょ!」
遙の攻撃・・・遙は構えた
水月の攻撃・・・水月は構えた
茜の攻撃・・・茜は構えた
水月「攻撃してきたら、それをよけてカウンターで攻撃しようと思ったのに
抜かりは無いわね
完全に私たちの攻撃を待っているって感じよ」
茜「・・・」
遙「・・・私が・・・攻撃すれば・・・構えは解けるんでしょ
じゃあ、私が・・・だから・・・二人でその間に倒しちゃって・・・」
茜「お、お姉ちゃん、なに言ってるの!」
遙「これでみんなが守られるなら・・・」
「まて、遙!」
茜「ほら、お兄ちゃんだっていってるじゃない!」
遙「ううん、私決めたの!」
「茜ちゃん、ちょっと、遙のこと抑えてて」
茜「え、あ、うん!」
「遙にはそんなことさせない・・・
遙には・・・そんなことさせたくない!」
茜「そうだよ・・・」
「本当は・・・戦うべく・・・人を守るべくは・・・男の仕事だ・・・」
茜「そう・・・って・・・え!?」
水月「どうする気?」
「これでもわからないか?本当に、速瀬はバカだなぁ」
水月「なにいってるの!?」
「いくら歩兵でも壁にだってなるし、輝けるときはたくさんある
どんな駒も輝けるときはあるんだ
守るべく物を守るために働くことだってできるんだ
俺たちは・・・みんなを・・・そして遙を・・・守りたい
遙のおかげだから・・こんなに幸せなのは・・・
遙のことが大好きだ・・・愛してる・・・だからこそ・・・守りたいんだ!」
俺は走っていた
俺は今「特攻」を仕掛けている
俺の勝算は0だ
勝てるわけが無い
だけど、これで、構えは取られる
そうすれば、3人連携攻撃を仕掛けて、
つぎに通常攻撃を仕掛ければ倒せるはずだ
きっと速瀬だってわかっているはずだ
あとは3人に任せた・・・!
「じゃあな!」
遙「孝之くーーーーん!」
水月「孝之!!」
茜「お兄ちゃん!!!」
孝之の攻撃【捨て身のキック】
敵に1のダメージ
カウンター・敵の攻撃【カウンター】
孝之に99999のダメージ
敵の構えは解除された
孝之「ぐほっ・・・」
遙「孝之くーん!」
水月「まって遙!
攻撃をするのよ!」
遙「だって・・・だって孝之くんが!!!」
水月「まちなさい!」
遙「何で待つのよ!」
水月「孝之はわたしたちのことを助けてくれたのよ!
孝之が望んでいることは・・・私たちが生きることよ!
私だって悲しいわよ・・・だけど・・・だけど・・・
孝之が命に代えてまで・・・願っていること・・・
この怪物を倒して、平和・・・私たちが生きることなのよ!
孝之の最後の願いを無駄にする気!?」
遙「・・・」
茜「お兄ちゃんのこと・・・お兄ちゃんの命・・・絶対無駄にしない!」
遙「・・・うん(泣)・・・いくよ!」
水月【トリプル】
茜【ヒロインズ】
遙【3人娘隊バージョン!!】
3人の攻撃
敵に900のダメージ
Attack ・・・1600 Defence・・・ 63 Magic ・・・ 10 Life ・・・ 83 |
茜の攻撃【涼宮神拳奥義!怒りの百烈拳!】
茜「アチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ・・・ホアッチャー」
敵に159のダメージ
怪物は消えた
水月「やったわ・・・」
遙「孝之くーん!(泣)」
茜「・・・(泣)」
(水月視点)
遙は孝之のほうへいった
そして大声で孝之のことを起こすかのような動作で泣いている
私も大声で泣いた
たぶん、今までに無いぐらいの大声だろう
なぜ、これほど悲しい目に遭わなければならないのか
どうしてなの・・・?
私たち3人は動かなくなった孝之のそばに居る
特殊捜査官の人たちはわかっているみたいで、
捜査とかいってこっちに来たりしない
ただただ、祈る人
もらい泣きをする人たちばかりだ
どんなにおこしても起きない
1時間ぐらい前まで元気で・・・冗談を言ったりしてたのに・・・
なんでこんなに・・・儚い・・・脆いものなの・・・
・
・
・
しばらくして捜査官の人たちが軽く肩をたたく
後ろにはタンカーのようなものが用意されてる・・・
けが人を運ぶものだっただろうが、これで・・・亡くなった人を運ぶなんて・・・
思ってもいなかっただろう
・
・
・
突然遙が泣き止んだ
水月「遙、どうしたの・・・?」
遙「たか・・・ゆきくんが・・・落ちてきた・・・」
水月「・・・あのねぇ・・・って、えっ!?」
孝之「ん・・・ここはどこだ・・・?」
捜査官「うわっ!生き返った!!」
捜査官「ほんとだ!?どうしたんだ?意識あるか?」
孝之「・・・ん?」
遙「孝之くーん!!(泣)」
・
・
・
(孝之視点)
ここは・・・どこだ・・・?
遙・・・?
何でここに遙が・・・?
水月「孝之!」
速瀬まで・・・
いったいここはどこだ・・?
茜「お兄ちゃん・・・(泣)」 茜ちゃんも・・・?
ちょっと考えた
辺りを見回して・・・
考えること30秒
「って、えーーーーー!!」
・
・
・
とりあえず、捜査官の車(8人乗り)に乗りながらみんなで話す
俺はなんか3人+捜査官1人の計4人に囲まれている
水月「孝之・・・大丈夫だったの・・・?」
「・・・ああ・・・」
俺はこれまでの経緯を話した
最初に、あの攻撃を受けて、自分の魂というようなものが離れていくような体験をしたこと
それからお花畑らしきところに行ったこと(いままで速瀬に見せられていたお花畑とは違う)
なんか天使のような格好をした人が近づいてきたこと
その天使はちょっとおこり気味だったこと
そして、「なんで彼女や、友達や・・・みんなをそんなに悲しませるの!この不幸もの!」
といわれて思いっきりビンタされたこと
そしてそのまま吹き飛んでどこかに落ちていったこと
そして目を開けたらここに居たこと
水月「もぉ・・・孝之・・・心配かけて・・・」
遙「孝之くーん!(泣)」
「ああ・・・ごめんな・・・遙・・・そしてみんな」
遙を力強く抱きしめた
遙「孝之くーん・・・」
茜「もぅ・・・ここに特別捜査官の人が居るっていうのに・・・でもまあいいか
お兄ちゃんがこうやっておねえちゃんのために帰ってきたことだし」
花はかれるほうがきれいだというけれど、やっぱり枯れなくても綺麗だ
かっこよく散るよりも・・・かっこ悪く生きていたほうがいいかもしれない
そんなふうに思った瞬間だった
(おまけ)
天使1「なんで、あの男(孝之)を生き返らせたんですか
あなたの天使生命はまだいっぱいのこってるのに・・・」
天使2「あの人は、私の天使生命をかけてでも、生かしておく価値があるんだ
あの男はまだ地上にとどまっていなければならない」
天使1「ふぅん、あと867年も残ってたのに・・・いいんですね」
天使2「そう・・・そろそろ時間だわ・・・もう・・・天使として一片の悔いはありません!
さよなら・・・・」
(詳しい説明はあとがきに)