〜9月2日(水)〜

先生「はい、じゃあ、夏休みどれだけ勉強したか抜き打ちテストをします」

生徒「ええ・・・!」

D組では、夏休み明けの次の日、9月2日の授業全てにこの言葉が言われた

そう、ちょうどその日の時間割が、

数学・現文・物理・世界史・英語・地理という、

泣く子も黙るようなぎっしりとした感じだったからだ

「得意の教科だけでもがんばろう」と決意して、

テストが終わってから「得意な教科がないんだ」ということに気づく今までの生活とはおさらば

俺には遙がいる

夏休み、先生と自分を驚かすって決意したんだ

そして、白陵大に進学するって決意したんだ

そしていい点を取るもう一つ理由が・・・

数学・・・まあ、今まで苦手だっただけあって、100は取れないかもしれないが、
90点以上は取れるかもしれない

なんだこれ・・・本当に俺なのか?

わかるって気持ちいいぞ!

よし、この流れだ

現代文・・・えっと、この物語・・・おぉ・・・話が読める

これはいけるぞ!

物理・・・りんごとか電波とかいってごめんよ、ニュートンさん

あなたが見つけた法則はかなりすごいものですね

世界史・・・あぁ・・・テストが50分なのに20分で終わっちゃった・・・

ひまだなぁ・・・

英語・・・

よしっ英語が分かるぞ

これで遙と英語圏なら不自由なく新婚旅行いけるぞ!

地理・・・あっ、こっちも20分で終わっちゃった

よしっ、あっ、この地形いいなぁ

遙と住むには絶好の場所だなあ

川の流れとか、高低差を考えるとちょっと不自由かもしれないけど

のどかな場所で二人で暮らすのもいいかなあ

一日終了!

わかるぞ!

全部分かったぞ!!

慎二「孝之、余裕だなぁ・・・」

孝之「えっへん」

慎二「余りにダメすぎていかれたか?」

孝之「慎二君!わすれたのかい?私は白陵大を目指しているのだよ!」

慎二「鼻高いな?でも、孝之がテストに自信あるというのは・・・相当がんばったんだな
   涼宮ともうまくいってるみたいだし・・・お前もちゃんとやればできるじゃないか」

孝之「まあな・・・とりあえず結果が楽しみだ」

速瀬「おふたりさん・・・おげんきで・・・」

慎二「どうしたんだ?」

速瀬「ボロボロ・・・」

慎二「そうか・・・」

速瀬「慎二君はいいよね・・・夏期講習やらなんやらで、抜き打ちテストが
   あってもぜんぜん大丈夫ってかんじだったんでしょ・・・
   はーっ、孝之はいいよね。ニコニコしてられて
   私はそんなに早く開き直れないし・・・」

孝之「何を言っているんだね、速瀬君!
   開き直っているんじゃなくて、余裕なんだよ!これは。」

速瀬「!? 孝之が?
   ってことは明日雨?いや、地震が起こって津波が押し寄せるかも・・・」

孝之「なにを失礼な・・・私は白陵大を狙って毎日がんばってるから
   テストは余裕だったのだ!!」

速瀬「・・・・」

慎二「ほら・・・孝之・・・そんな鼻高くしてないで・・・
   そんなこというなら、今まで何でそうしてこなかったのかって聞くぞ?」

孝之「うっ・・・」

遙「孝之くぅ〜ん、遅れてごめんね。」

孝之「あっ遙!遅かったぞ→寂しかったんだから☆ほら。」

遙「あっ、ずるいよぉ・・・私から手を握ろうと思ったのに・・・」

孝之「いいじゃんいいじゃん。ほんと、今日はずっとテストだったから、
   6時間も遙に会えなくて・・・寂しかったんだから。」

慎二「孝之ってあんなキャラだったか?」

速瀬「絶対違う・・・いつもぜんぜんやる気なさそうで・・・」

慎二「面倒なことはしない」

速瀬「7月の出来事って、あれ、夢だったの?」

慎二「いや、俺も見たから多分違う・・・」

速瀬「・・・」

慎二「ねじが一本抜けたのか?」

速瀬「一本どころか、多分全部抜けたと思う・・・」

慎二「どうする・・・これ・・・」

速瀬「完全にバカップル・・・」

慎二「愛に大きさをつけるのはいけないと思うけど、
   見た感じだと、孝之のほうが夢中になってるよ・・・」

速瀬「てか、よく恥ずかしい言葉をどんどんといえるよ・・・」

慎二「たぶん、あの二人の中では地球上には自分達のみだと思ってるんじゃないか?」

速瀬「結婚したらきっとすごいよ・・・」

慎二「そうだな・・・」

〜9月3日(木)〜

今日は昨日の五教科があるが、地理がない。ただ、朝のHRで答案を返すということなので
結局全部の教科が今日出揃うことになった

いつもなら・・・悲鳴組

万年悲鳴組の仲間達は、俺の答案が返される時よってきた

そして、点数を見て、絶句し、一人は答案を落とし、一人は泣き出し、一人は泡を吐いた。

孝之「よし!!」

慎二「・・・本当にお前の答案か?」

水月「・・・」

先生「よくやったな鳴海。夏休みでこんなに上がるやつ、初めてだぞ
   前回のテストよりも67点も上がるやつなんて、初めてだぞ。」

いつも俺は赤点ぎりぎり(または赤点)の点数だった

前回のテストは31点

今回は98点

はっきりいってここまでできるとは思わなかった

これも遙のおかげ・・・

そして、そのほかの答案も帰ってきた

教科名点数
地理98
日本史95
数学92
物理99
英語100
現文94

自分でも思った

ヤバイ・・・

全部90以上なんて・・・

遙・・・すげーや・・・

遙のおかげだ・・・

速瀬「孝之、どうしちゃったの?
   すごいいい点取ってるみたいだし、
   というか、テスト終わった後も余裕だったしね」

孝之「まあな、ちょっとな・・・」

遙「孝之く〜ん。」

孝之「遙〜。」

遙「どうだった?」

孝之「聞いて驚くな。なんと、全部90以上だ!」

遙「すご〜い。やっぱり孝之くんはやればできるんだね。」

孝之「いや、遙のおかげだ
   遙がいなかったら俺はこんな・・・できなかったし」

遙「でも孝之くんはすごいんだよぉ」

孝之「遙があんなことを言ったから・・・
   もう、そうなったら、俺は1ヶ月の間悲しく・・・」

速瀬「・・・?」

慎二「・・・?」

遙「私だってもし孝之くんがいい点とってくれなかったら、
  1ヶ月悲しい思いをしなくちゃいけなかったんだよ。
  でも、がんばってくれてよかった。」

孝之「遙から言い出したくせに・・・このこのっ」

遙「いたいよ。孝之くん。私だって・・・このこのっ」

慎二「また始めたよ、あの二人・・・」

速瀬「ああなると、10分はね・・・」

慎二「でも、1ヶ月ってなんだろ?」

速瀬「・・・?」

孝之「1ヶ月遙と、手つないだり、キスしたり、抱いたりできないのはかなしいよぉ・・・
   【1教科でも70以下だったら】って厳しかったから、
   この5日ぐらい、1日15じかんはべんきょうしてたんだ。」

遙「ありがと。孝之くん。いい点数取ってくれて
  孝之くんにこんなに愛されて幸せだよ。
  また、孝之くんのことがもっともっと好きになっちゃった。」

孝之「はは。遙。そんなに好きになっちゃったら。
   いつかやけどするよ」

遙「えっ、あっどうしよう?」

孝之「ほら、大丈夫だから、冗談だよ。
   そしたら、俺なんかもう、遙のことが好きになりすぎてやけどしてるから。」

遙「孝之くん(はーと)」

孝之「遙(はーと)」

慎二「なんか、孝之ががんばった理由、分かったけど・・・」

速瀬「・・・」

孝之「そして、遙。なんと・・・平均点が95点を越えました!」

遙「孝之くん。うん。じゃあ、約束。今日から1週間、うちに泊まってもいいよ。
  まあ、お父さんやお母さんもいるし、茜もいるから二人にはなれないけど・・・」

孝之「ぜんぜん大丈夫だよ。
   というか、いつも帰り道で遙とバイバイしなくちゃいけないけど
   遙のうちに泊まるってことは、ずっと遙と一緒にいられるんだから。」

遙「うん。孝之くんとずっと一緒で幸せ」

孝之「愛してるぞ。遙。」

遙「わたしもだよ。孝之くん。」

速瀬「暴走しだしたね・・・あの二人・・・」

慎二の選択肢・・
  1.暴走を止める
  2.暴走を止めない


・・・2でいいや・・・面倒だし・・・むしろ無理・・・





―――あとがき―――

大変です!孝之が壊れました!
いや、もとからですかね?
というわけで、今回は遙と孝之が壊れる作品ですが、
遙家族は出てこない作品です(これから出てきますがね)

孝之がやばいです・・・
多分、今までのSSの中でも一番テンションが高いと思われます

えっと・・・ちょっとざっとまとめて説明します

8月28日に、遙のうちで勉強したあと、
遙がこういいました
「抜き打ちテストの点数が一つでも70以下になったら1ヶ月
 キスとかやめよう」と
もちろん、本人には気がなかったのですが(というより、嫌がっていた)
白陵のために一度だけ心を鬼にしていってみました
そして、二分後に後悔してました
ただ、別の条件もつけてました
「平均点が95を越えたら、うちに1週間泊まって。」と
ちなみに、それは遙父了承の上で、
この後、本当に「1週間遙のうちに泊まる」が実現しました。



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