孝之「あっ、お邪魔します。」
遙父「おおっ、鳴海君。ささっ、あがってください」
遙母「あらあら、鳴海さん、いらっしゃい」
茜「あっ!お兄ちゃん!!」
茜ちゃんが瞬間的に飛び込んでくる
ここは冷静に判断
よしっ、よける方向は右だ!
さらっ
よしっ、回避成功
茜「痛っー!もう、お兄ちゃん、いきなりよけないでよ!」
孝之「ああっ、ごめんごめん、つい体が勝手に。」
茜「もぅ、お兄ちゃんたら!」
孝之「あっ、茜ちゃん、ご、ごめん・・・」
茜「・・・」
孝之「・・・?」
茜「・・・スキあり!」
孝之「うわぁっ」
スキを見て茜ちゃんが飛び込んできた
今度はよける暇もなかった
まあ、いいか。
茜ちゃんも、まあ、かわいいし・・・
(ちなみにここでの孝之の「かわいい」発言は、
恋愛感情ではなく、子供が「かわいい」などの用法)
遙「じゃあ、これから部屋へいこっか。」
茜「あぁっ、お姉ちゃん、もうおにいちゃんといちゃいちゃする気なの?」
遙「・・・!?」
孝之「茜ちゃん!!(照)」
茜「ほらほら、お兄ちゃんも。照れてる照れてる。」
遙「茜っ!」
茜「はいはい・・・じゃあお二人さんどうぞお二人の世界へ・・・」
遙「もぅ・・・(照)」
・
・
・
遙「ごめんねぇ・・・いつも茜が・・・」
孝之「いいんだよ。俺は遙のうちに来れるだけで嬉しいし
それに茜ちゃんだって俺のことを前からの家族のように受け入れてくれる
それがうれしいし。」
遙の肩を寄せた
遙のぬくもりが手に伝わる
遙は俺の隣で生きている
遙はここにいる
俺と同じ時間を共有し、そして一緒にいる
手を伸ばせば遙との距離をどんどん縮めることができる
見詰め合う
今まで何度も見詰め合っているのに
慣れるというか、ドキドキがなくなることはない
いつもドキドキする
遙・・・
大好きだ・・・
遙とキスをしようとしたとき・・・
茜「はいはい・・・ごちそうさまぁ・・・」
遙・孝之「!?」
茜「お兄ちゃん、邪魔してごめんね。お二人の時間の続きはご飯の後!
お母さんが二人を呼んでこいっていってたから。
決して邪魔しようと意図的に来たわけじゃないからね!」
絶対意図的だ・・・てか、遙の部屋に入っている時点でもう意図的だ
って、ちょっとまて!いつ入ったんだ?
孝之「茜ちゃん!遙の部屋にいつ入ったんだ?」
茜「えっとね、見詰め合って、いい感じになっているとき。
あんまりいい雰囲気だから、お二人の邪魔をしないように・・
そぉっと、そぉっとドアを開けて・・・」
孝之「邪魔をしたくなかったら一旦下に帰ってしまえば・・・
そうすれば邪魔にならないぞ。」
茜「・・・・(少しニコリと)」
・・・?ちょっとその表情、何かすごいこと考えてそうで不気味だ・・
茜「お姉ちゃんのこと、大大大大大大大大だ〜いスキなんだね!」
遙「もぅ・・・茜!」
孝之「そうだ!俺は遙のこと大大大大大大大大大大大大大大大大だ〜いスキなんだ!」
遙「・・・もぅ・・・孝之くんも・・・(大照)」
茜「じゃあ、ここでキスして。」
遙「茜!!」
孝之「よしっ、じゃあ遙。キスしよっか。」
遙「えっ、孝之く〜ん・・・はずかしいよぉ・・・」
茜「お兄ちゃん、やけになっちゃったね」
孝之「そうだ。俺は、遙がだれよりも、何よりも大事で、
遙といる時間が何よりも大事で
遙と抱き合っている時間やキスしている時間は何よりも幸せなんだ!」
遙「・・・(超照)じゃあ、一回だけだよ・・・」
孝之「うん。」
チュッ
茜「本当にここでしちゃったね・・・
お父さんやお母さんも見ているって言うのに・・・」
孝之「えっ!」
遙父「鳴海君。君は男だ!
遙のことをここまで愛してくれているなんて!
父親が言うのもなんだが・・・君みたいな人がいてくれてうれしいよ」
遙母「あらあら・・・お父さんの若いころを思い出しますわ」
遙父「若いころ・・・」
遙母「ええ。お父さんも、私の父の前で同じような宣言をしてくれたことを」
遙父「はは・・・まいったなぁ・・・そんなこともあったんだなぁ・・・
でも、お母さん、いまでもいえるぞ。この場でも・・・
愛してるぞ。」
遙母「あらあら・・・(照)」
茜「こっちはこっちで・・・」
・
・
・
そして夕飯は始まった
今日は涼宮家特製の秘伝のたれを使ったとんかつ
作り方を聞いたのだが、これはオレでも教えられないという
たれの作り方を知っているのはお父さんだけだ
遙父「でも・・・ほんと嬉しかったぞ
娘をこんなに愛してくれているなんて。」
孝之「お父さん!(照)」
遙「・・・(大照)」
茜「ほらほら、お父さん!二人とも照れて箸が止まっちゃったから。」
遙父「そうかそうか、それはすまなかった」
・
・
・
遙母「お風呂沸きましたよー」
遙父「そうか、じゃあ、遙、入ってきてしまいなさい」
遙「はい。」
遙父「それと、鳴海君、じゃあ、ついでに鳴海君も入ってきてしまいなさい」
孝之「はい。・・・って!お父さん!いきなり何を(照)・・・」
遙父「はっはっはっ、若いんだからいいじゃないか。」
茜「あっお兄ちゃん、顔すごい赤い」
遙「もぉ・・・(照)」
遙父「じゃあ、それなら茜、入ってきてしまいなさい」
茜「は〜い。」
遙は浴室に歩いていった
茜ちゃんは歩きながらもキョロキョロというか、こっちを気にしながら歩いている
茜「お兄ちゃん?」
孝之「なんだ、茜ちゃん?」
茜「本当は、お姉ちゃんと入りたいんじゃないの?」
孝之「!?(大照)」
茜「いま、お姉ちゃんはお風呂に入ってるよ」
孝之「・・・(照)」
茜「私が入ると見せかけてお兄ちゃん入ってみる?」
孝之「あ、茜ちゃん!!」
茜「あっ、すーんごい照れてる。かおまっかっか。
いまエッチなこと考えてたでしょ。
はは〜ん、やっぱりお兄ちゃんエッチなんだ。」
孝之「!?」
茜「私も入るけど、お兄ちゃんは入っちゃダメとは言われてないんだよ
だから3人で入ってもいいんだよ」
孝之「あ、茜ちゃん(照)!」
茜「あっ、やっぱり照れてる。
色々と想像しちゃったんだ。かわいぃ。」
遙父「ほらほら、茜も、鳴海君がかわいそうだからそろそろいじめるのもよしたらどうだ」
茜「そうだね、はいはい、お兄ちゃん。残念でしたねぇ
せっかくお姉ちゃんと私と3人でお風呂に入れるチャンスが・・・」
孝之「だれが残念だ!」
茜「ほらほら、強がっちゃっていいの?」
孝之「ほら!茜ちゃんも早く入ってきなさい!」
茜「は〜い」
はぁ・・・やばかった・・・
・
・
・
時計は9時を指していた
お風呂にも入り終わって
暇な時間が出来ていた
茜「お父さん、お兄ちゃんがきていることだし、今日はトランプでもやろうか」
遙父「それもそうだな。母さんいいだろ。」
遙母「はい。私も片付けとか色々と終わりましたから」
遙「うん、じゃあやろっか。」
茜「じゃあ、何やる?」
遙父「じゃあ、久しぶりに七並べでもするか」
茜「そうだね。」
七並べをすることになった
・
・
・
ハート | 2 | 3 | 4 | 12 |
ダイヤ | 5 | 8 | -- | -- |
スペード | 13 | -- | -- | -- |
クローバー | 4 | 9 | 11 | -- |
まずは俺の番だった
出すものがダイヤの8しかないので、とりあえず出す
これを出してしまうと次出せないのだが
まあ、誰か6とか出してくれるだろう・・・
・
・
・
えっ・・・
なんで誰も出してくれないんだ!!
せめてダイヤの6とか誰か出してくれよ!
クローバーの8でも良かったのに・・・
というわけで、
孝之「パス」
茜「あれ、お兄ちゃんもうパス?(喜)」
孝之「そうだ。出せるものがないんだ!」
茜「そっか、かわいそー。でも手加減しないからね
お兄ちゃんがほしそうなもの絶対出してあげないんだから」
・
・
・
なんで・・・?
茜ちゃんか?
俺の出してもらいたいものを握っているのは茜ちゃんか?
茜「おっと、まちがえそうになっちゃった。
はいこっち。」
茜ちゃんはクローバーの8を出すフリをして(というか見せてから)
いきなり戻して別のものを出した
やっぱり茜ちゃんか!オレの希望の光であるクローバーの8を止めているのは茜ちゃんか!
遙「えっと・・・これだそうかな・・・
よしっ、っとやっぱりやめて、こっち出そう」
遙まで・・・
遙がハートの5を止めているのか・・・
遙父「おっと、落としてしまった
まあ、これは今は出さないが・・・」
ダイヤの6はお父さん・・?
遙母「あらあら・・・鳴海さん。
どうしっちゃったんですか?
えっと、クローバーの5と、スペードの10どっちを出しましょうか
えっと、じゃあスペードの10を・・・」
お母さんまでもが止めているんですか・・・
うぅ・・・
つ、強い・・・
というか、俺の待っているカード・・・バレバレ?
孝之「パス・・・」
うぅ・・・もうパスできない・・・
・
・
・
うわ〜ん!
なんでなんだ!
みんな・・・みんな・・・
何で出してくれないの・・・
孝之「パス・・・」
茜「お兄ちゃん、もう負けだね!」
・
・
・
結局二時間ぐらいトランプをしていた
ダウトでは最後は遙の一騎打ちで勝負がつかずに終わりになったし
ばば抜きもやっぱり勝てない
強いぞ・・・恐るべき遙の家族
みんな強いぞ・・・
遙「じゃあそろそろ、時間も時間だし寝よっか
孝之くん、じゃあそろそろお部屋に行こう」
孝之「そうだね(ちょっとドキドキ)」
茜「あ〜、おにいちゃんのその照れた表情から見て
1時間はいちゃいちゃするつもりだ!」
遙&孝之「・・・(照)」
とりあえず、遙の手を引いて部屋に逃げた
茜「あっ、逃げた!」
遙父「はっはっはっ、やっぱり若いな・・・」
・
・
・
遙「ごめんね、特に茜なんかすごいはしゃいじゃって・・・」
孝之「まあいいよ。それに昼間も言ったけど
これは茜ちゃんとか、みんなが俺を家族として受け入れてくれているってことだし
なんか、遙の家族ってみんなあったかくて・・・
すごい幸せを感じる」
遙「よかった☆
でも、ありがと、あの時テストすごくがんばってくれて。」
孝之「遙と一緒にいる時間は俺の1番の宝物だからな
だから、それを1秒でも長く得るために・・・」
遙「ほんとありがと。チュッ」
孝之「あっ、最初は俺からやろうとおもったのに!」
遙「えへっ
私だってしようと思ってたから」
孝之「よしっ、じゃあ100倍返しだ」
遙「あっ、孝之く〜ん。頬とかくすぐったいよぉ」
遙と一緒にいられることが嬉しい
未来は俺には分からない
だって、未来は見たことがないから
だけど、ここに遙がいる
だから、俺は信じられる
きっと、遙と一緒にいるだろうということ
俺は遙を信じていればいい
ずっと一緒にいたい
遙「おまじない・・・しよっか・・・」
指を絡めた
孝之「夜空に星が瞬くように」
遙「溶けた心は離れない」
孝之「たとえこの手が離れても」
遙「二人がそれを・・・」
孝之・遙「忘れぬ限り。」
夜は更ける
鶏が鳴く時刻はまだ遠い
幸せでいっぱいである二人は眠りに落ちようとしていた・・・
孝之「えっ、茜ちゃんいつからそこに?」
茜「へっへっへっ、いつからでしょう?」
孝之「もしかして最初からいた?」
茜「えっとねぇ・・・お姉ちゃん達が部屋に入ってから1分ぐらいごかなぁ・・・
色々とラブラブなところ見ちゃったんだから。
まあ、いつもみているけどね」
遙「はゎゎ・・・えっと・・・うんと・・・」
孝之「もしかして、いっぱいキスしているところとか・・・見てたり・・・」
茜「へぇ・・・そんなことしてたんだ・・・
さっきのは冗談だったのに、自分で墓穴掘ったね
本当は、さっき来たばっかりなのに」
遙「もぅ!茜!」
茜「お姉ちゃん、お兄ちゃんの隣でそんなに怒鳴ってもいいの?」
遙「うぅ・・・」
あと6日・・・
幸せな日々だけど・・・でも長くなりそうだ・・・