「悪循環を止めなさい」

 
―幸せになれない結婚と子育ての失敗を聖書のキーワードで考える― 
川瀬勝次著
 
 
  
まえがき
結婚を目前にして夢と希望を大きく膨らませている若い男女、すでに夢も希望も失い惰性で夫婦生活を続けている夫婦、子供たちも世帯を持ちまた二人だけの生活に戻りとまどっているベテランの夫婦。など、結婚にかかわるすべての男女がこの本の対象です。男も女もこの中のどの段階でも誤りやすいものです。すべての問題と困難を予想することは不可能ですが、あらかじめ心構えがあれば防ぐことのできる失敗は実は非常に多くあるのです。そしてそれは、結婚のどの段階でも言えることです。失敗には大きなものも小さなものもありますが、できれば深刻な失敗をおかさないためにこの小さな本がお役に立つならば幸いです。もちろん、すでに大きな失敗をしてしまった後であっても、できるだけ早く立ち上がることが重要です。
理想的な結婚が示されることによって、かえって読者をがっかりさせてしまうかも知れません。私自身もそのうちの一人であることを告白しなければなりませんが、もちろん、高い理想を示してがっかりさせることがこの本の目的ではありません。あなたが結婚のどの段階におられようとも、その後の失敗を防ぐことには意味があります。もしあなたの結婚がかなり終わりに近づいていたとしても、もう少し残された結婚生活が喜びと感謝に変わるならもっと大きな意味があります。
旧約聖書によればエバ(女)がアダム(男)を誘惑して最初の家庭に罪が侵入しました。しかしその後の結婚に関しては、男が家庭の混乱と破滅の主な原因となることが圧倒的に多いのが歴史の現実です。しかし家庭の中で最後に罪をおかし、新しい家庭を混乱させるのは、圧倒的に女性が多いのも永遠とも思える現実であるのです。それは「姑」という肩書が加わった女性です。そのため、その名のついた小さな章を付け加えました。せっかく良く走っていたのに、ゴールを目前にして新しく生まれた家庭の不幸の原因となるのはあまりにも残念ではありませんか。なぜそうなるのか、その仕組みを少なくとも嫁か姑の一方でも理解するなら、無駄な争いを最小限に食い止めることができるでしょう。これから結婚しようとしている若い女性が姑という名に変わるのはかなり先の話のようですが、ほとんどの女性が結婚と同時にこの関係に入ることには違いがありません。そういう意味では、まず最後の「嫁と姑の心構え」から読み始めることにも意味があります。おそらくいま幸せな若い方々は、このようなタイトルの本を手に取ることはないのかも知れませんが、本当はそのような方々にこそ読んでいただきたいのが著者の本心です。
夫婦関係と親子関係という結婚の中心的なテーマに、結婚前と結婚晩年におかしやすい誤りに関する短い一こまを付け加えました。しかし実は、結婚とは何かという中心のメッセージをしっかり理解することこそが、婚約から結婚晩年までの最良の準備になることをお約束いたします。
多くの現代人にとっては「明治時代の夫婦や家庭のよう」と感じられるかも知れません。しかしある程度読み進んでくださるなら、戦前の家族制度や明治時代の親子関係に返るような方向とは全く異なる家庭の原則を、この小さな書物の中に発見してくださるでしょう。そこには人の心を知り尽くした聖書だけが示す根本的な解決があるからです。