様々なテーマ

3.いじめの仕組み
 
 いじめる側といじめられる側がそろえば、それでいま問題になっているようないじめが成立するかと言えばそうではありません。それはまだ個人的な暴力であり、いわゆるけんかにすぎないからです。学校でのいわゆるいじめが成立するためには、もう一つの重要な要素がそろわなければなりません。それは観客であり、いじめを見る傍観者です。いじめる側は観客が多いほどやりがいがあるのです。
 元高校教師小林剛著「いじめを克服する」という本を興味深く読みました。生徒の中にはドスを持ち歩く者がいるような、ヤクザ高校と呼ばれた高校の先生をしていたそうです。小林剛元教師は学校でのいじめの構造を20年以上も前に分析していますが、現在でも通じる説明です。もし子供たちがこの仕組みを理解すれば、いじめる子もいじめられる子も観客になる子も、大幅に減るのではないかと思われます。
 まずいじめられっ子がいます。全体の0.5パーセントで非常に少数者です。そのまわりにいじめっ子集団があります。リーダーが中心におり、そのフォロワー(子分)によって構成され、集団は3名から最大10名。フォロワーには積極的フォロワーと、従わないといじめられるという気持ちの消極的フォロワーがあります。そしてその周りに、実に87%もの傍観者がいるというのです。傍観者もいじめを認める積極的傍観者(47パーセント)と、いじめを黙認する消極的傍観者(40パーセント)に分かれるというのです。これは日本の学校の分析です。
 いじめる者にとっていじめられる者はだれでも良いのです。いじめることによって、またそれを見る者がいて、自分のうっぷんを晴らすことができきれば誰でも良いのです。これは男性的で肉体的な暴力やいじめであっても、女性的な精神的ないじめであっても同じです。