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  1. 異型腺種様過形成(AAH)とその病理組織の特徴
  2. 創傷治癒とサイトカイン
  3. 原発性肺癌:扁平上皮癌の病理組織の特徴
  4. 胸部X線の見方
  5. 鉄欠乏性貧血の治療
  6. Hugh−Jones分類
  7. 胸腔ドレーン抜去法
  8. ステロイドとその力価
  9. 食道癌の肺転移における長期予後について
  10. 肺癌診療における腫瘍マーカー

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研修医宿題

はじめに

 現在、我が国における肺癌患者数の増加は著しく、肺癌の予防・早期発見早期治療は重要な課題となってきている。その中で胸部単純X線写真、喀痰検査に加えて非侵襲的な検査である血清腫瘍マーカーの測定の有用性が問われてくる。今回は当科で入院時にルーチーンで検索している6つのマーカー(SCC, CEA, NSE, CYFRA, ProGRP, SLX)について考察してみた。

各腫瘍マーカーcut off値

SCCCEANSECYFRAProGRPSLX
1.5ng/ml3.0ng/ml7.0ng/ml2.0ng/ml46pg/ml38U/ml

各腫瘍マーカーの組織別感度

SCCCEANSECYFRAProGRP SLX
扁平上皮(32症例) 19/32(59%)18/32(56%)11/32(34%)28/32(88%) 2/32(6%)5/32(15%)
腺癌(42症例) 3/42(7%)21/42(42%)13/42(30%)20/42(48%) 5/42(11%)20/42(48%)
小細胞癌(7症例) 0/7(0%) 2/6(33%)6/7(85%)2/2(100%) 6/7(85%) 0/3(0%)
大細胞癌(3症例) 0/3(0%) 1/3(33%)0/3(0%)3/3(100%) 1/3(33%)1/3(33%)

臨床病期との相関

 扁平上皮癌において陽性率の高かったSCC, CEA, CYFRAにてマーカーと臨床病期について検討したところ、CYFRAと臨床病期は相関関係が認められた。また、早期(I期)陽性率はSCCが22%(2/9)CYFRAが88%(8/9)、CEAが66%(6/9)でありCYFRAが非常に高い陽性率を示した。進行した症例でもCYFRAはほぼ全例で陽性であった。腺癌においてはCEA, CYFRA, SLXについて考察したところ、CEAのI期とIIIb期、SLXのI期とIV期において統計学的有意差を認めた。I期陽性率はCEA38%,SLX25%,CYFRA33%であり全体に早期陽性率は低かった。今回CYFRAが腺癌全体でも48%の陽性率があったが、IV期症例の陽性率が87%(14/16)と高く、このためによると考えられる。またCYFRAは各病期間で有意差を認めず、腺癌のマーカーとしてはCEA, SLXに劣ると考えられる。

特異性のスコア

特異性のスコア=検出頻度 x (12-順位)x 有用性

参考文献:バイオメディカル ファジィ システム学会 第11回年次大会講演論文集、p51-54.(1998)

July 30, 2002

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