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  1. 酸素中毒
  2. 副腎皮質ホルモン製剤の比較
  3. 20mm以下の肺癌
  4. 自然気胸の胸膜癒着療法
  5. CO2ナルコーシス
  6. レニン
  7. ヴェンチュリーマスク
  8. 喀血(気道内出血)に対する気管支動脈塞栓術(BAE)
  9. インスリン治療の現在
  10. Respiratory Index (その1)

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研修医宿題

20mm以下の肺癌

大迫 智


1.末梢小型腺癌の野口分類

<肺胞上皮置換性に増殖する腺癌>

 A:腫瘍内に線維化巣を認めない
  B:腫瘍内に肺胞虚脱型の線維化巣を認める
  C:腫瘍内に線維芽細胞の増殖層を認める

<肺胞上皮非置換性に増殖する腺癌>

 D:充実破壊性に増殖する低分化腺癌
  E:管状腺癌
  F:肺胞上皮非置換性に増殖する乳頭腺癌

2.腫瘍径(20mm以下)とpN因子

(1) 20mm以下の腺癌:92例

 pN0:81(88.0%)
  pN1+pN2:3+8=11(12.0%)
  径12mm以下にはリンパ節転移なし

(2) 20mm以下の扁平上皮癌:22例

 pN0:17(77.3%)
  pN1+pN2:4+1=5(22.7%)
  径12mm以下にはリンパ節転移なし

3,非小細胞癌の腫瘍径とリンパ節転移・同一肺内転移(pm1)

(1) 腫瘍径とリンパ節転移・同一肺内転移(pm1)
  2cm以下:7/29(24.1%)
  2〜3cm:18/67(26.9%)
  3cm以上:41/93(47.3%)

(2) 腺癌と扁平上皮癌の比較
  3cm以下の腺癌:17/72(23.6%)
  3cm以下の扁平上皮癌:8/22(36.4%)

4,考察

(1)20mm以下の腺癌と扁平上皮癌を比較すると、扁平上皮癌の方がリンパ節転移・同一肺内転移(pm1)の割合が高い

(2)径12mm以下の腫瘍にはリンパ節転移は少ない

(3)径20mm以下の腫瘍であっても、約20%にリンパ節転移を認める

参考文献

矢満田健 信州大学第2外科「胸部外科」Vol.51 No.1(1998年1月)
細川誉至雄 勤医協中央病院外科「胸部外科」Vol.51 No.1(1998年1月)


July 30, 2003

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