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  1. Respiratory Index (その2)
  2. Respiratory Index (その3)
  3. 肺動脈閉塞試験
  4. 抗悪性腫瘍剤の血管外漏出時の対策
  5. 頻脈発作の治療
  6. 局所麻酔薬の基礎知識(その2)
  7. 酸素マスク
  8. PT・APTT
  9. カテコールアミン
  10. 不眠薬・睡眠薬の使い方

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研修医宿題

プロトロンビン時間・活性化部分トロンボプラスチン時間

米花 正智

★PT(prothrombin time):プロトロンビン時間

 被検血漿に組織トロンボプラスチンとカルシウムイオンを加えフィブリンが析出するまでの時間を測定する。外因系と共通系凝固機序を総合的に判定するスクリーニング検査であり、第I, II, V, VII, X因子の状態を反映する。

 INR(International Normalized Ratio)

 経口抗凝固療法の治療管理において、試薬や機器の影響を受けず施設間で互換性のある成績として評価するために、WHOと国際血栓止血学会の標準化委員会により提唱されている方法であり国際的に普及している。試薬ごとにInternational Sensitivity Index(ISI)を設定し、下記の方法で計算する。

 INR=(被検血漿時間/対照時間)のISI乗 基準範囲:0.9〜1.1

INRによる経口抗凝固療法の治療域

病態                       INRの治療域

深部静脈血栓症予防                1.5〜2.5

腰部、大腿骨骨折手術               2.0〜3.0

深部静脈血栓症の治療、肺梗塞、一過性脳虚血発作  2.0〜3.0

反復性深部静脈血栓症、反復性肺梗塞        2.5〜4.0

心筋梗塞を含む動脈疾患、移植動脈、人工弁置換後  3.0〜4.5  

★APTT(activated partial thromboplastin time):活性化部分トロンボプラスチン時間

 内因系凝固機序を開始する第?因子を活性化し、リン脂質とカルシウムイオンを加えてフィブリンが析出までの凝固時間を測定する方法である。すなわち、内因系凝固因子の第XII, XI, IX, VII因子と共通系凝固因子の第X, V, II, I因子の量的または質的異常を総合的に反映する。

次に、抗凝固療法に使用される薬剤として、ヘパリン、ワーファリンについて述べる

☆ヘパリン

アンチトロンビンIII(AT III)を活性化させ、トロンビン、IX, X, XI因子を不活性化して凝固系を抑制する。投与によりPT(PTはごく軽度延長するのみ),aPTTが延長し、aPTTが対照aPTTの1.5〜2倍にあるときヘパリンは治療域にあると考えられる。ATIIIが減少している際にはヘパリンが効かないのでATIIIは最低50%を保つように補充する。

☆ワーファリン

ビタミンKと競合しビタミンK依存性凝固因子の合成を抑制する。

⇒急を要する場合には、まず速効性のヘパリンを用い、その後ワーファリンによる維持療法に移行する。

ヘパリンとワーファリンの比較

ヘパリン ワーファリン
性質 水溶性 油溶性
投与方法 非経口(iv,im,sc) 経口
作用機序 アンチトロンビンIII作用↑ 肝でのVitK依存性凝固因子合成阻害
効果発現 投与後すぐ  24時間後
拮抗薬 プロタミン  VitK 


参考文献 標準臨床検査医学、イアーノート


Jul 29, 2004

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