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研修医宿題

自然気胸の初期治療方法の判定について

坂口 泰人

初期治療

 自然気胸はブラ・ブレブが破裂し胸腔内に空気の貯留した病態で、肺が虚脱した為に胸痛、呼吸困難、咳嗽などの症状が出現する。この状態を改善(肺を再膨張させる)するのが初期治療である。 再膨張を促す手技として以下の方法がある。 

a)安静 b)胸腔穿刺(脱気) c)胸腔ドレナージ

 どの方法を選ぶかは、肺虚脱度と臨床所見により決定する。

 肺虚脱度は、胸部単純X線写真で判断する。日本気胸・嚢胞性肺疾患学会では癒着がない場合には以下の3つに分類している。

 「軽度」肺尖が鎖骨レベルまたはそれより頭側にある。またはこれに準ずる程度。呼吸困難などの臨床所見が乏しい場合は経過観察とする。経過観察の目安として胸腔内圧を測定して陰圧であれば“空気漏れ”はないものと考えられ、改善の可能性があり、脱気または安静で経過を観察する。

 「中等度」軽度と高度の中間程度。胸腔ドレナージが望ましい。体動で呼吸困難がある場合、血液ガス分析または動脈血酸素飽和度が低値の場合は穿刺あるいは胸腔ドレナージが必要である。

 「高度」全虚脱またはこれに近いもの。胸腔ドレナージが必要である。

特殊病態の自然気胸の治療について 緊張性気胸(縦隔が健側に偏位して吸気相にもその復位がないか、またはcardiorespiratory embarrassment《呼吸困難・血圧低下・頻脈など》を示している場合をいう。)、両側同時気胸、胸水貯留気胸(血胸を含む)は胸腔ドレナージが適応である。高齢者、低肺機能患者、臨床所見が進行状態の患者にも胸腔ドレナージが適応である。

肺の虚脱度を計算式から求めて、重傷度を判定して治療方針の指標にすることもある


日本気胸学会用語・規約集(1998年8月)


Aug 6, 2005

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