[第9室 油彩画の制作例] 

 既に描いてあるキャンバスに,重ねて描いたり,全く違った絵を描いたりするのは油彩画では珍しくないようです。

 下の第1枚目は,旧作の「妙高山」です。 
 この作品は,2006年に志賀高原のロマン美術館付属のクリスタルテラスで開催された「鎌倉俊文展」において,2ヶ月間展示されました
 半年後,次の近作展に出品するために,この作品をつぶして,新たな絵を描き始めました。
 最後は,空も,山も,森も,雪も,全てナイフで一気に仕上げ,まったく別の「妙高山」を描き上げました。
 この過程を追ってみます。
   

「妙高山」(P120)
 個展にも出品された

手前を白くし,新しい妙高山を
 大きく描き始めた

 妙高山の形が変わった
 
 

さてこれからどうする

赤っぽい絵の具を塗りたくる

どんどん塗っていく
 

 結局,山を全部描き直し
 右端に神奈山を入れる

 画面全体にナイフを入れる
 緑が強調された

 新しい妙高山の完成
 全く別の絵になった


 山本「何と勿体ないことを。絵を1枚損したんじゃないですか?」
 鎌倉「前に描いた絵は十分楽しんだから役目は終わった。新しい試みができればそれでいい。」

 他にも
 春の戸隠山が 秋の戸隠山になったり,
    飯綱山が描いてあったのに その上から槍ヶ岳を描いたり,
      シャツを着ていた人物が ブレザーを着たり,・・・限りなし。

 山本「画家は良いね。思ったとおりに好き勝手,やりたい放題で。」
 鎌倉「思ったとおりに描ければ,こんな苦労はしないんだよ。」

---- (写真提供:笑鬼庵)------------------------------------------------------