----- こんな本に出会いました -----
         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ

 <書名など>
 「がんを病む人,癒す人」あたたかな医療へ 
   比企寿美子著
   中公新書,2001.10初版発行,233ページ,740円+税 
 


 当たり前のことであるが
  がんになりそうもない頑丈な人,
  高名な医師の家族,も
 がんになり,けっこう冷静さを失っている。

2000年頃は,まだ,がんを患者本人に告知すべきか,の過渡期であったことが分かる。

本書の筆者は,医師を夫に持つなど,一族に高名な医師が多いのであるが,身近にがん患者が出た時に,ずいぶん狼狽しているようにみえる。

冷静になれないのは,「医療の現実を良く知っているから」かもしれない。
誰なら治せる,あの人ではダメ,ということが分かると患者になるのも大変であろう。
もちろん,こういう人たちは名医にかかることになるのだが,治るかどうかは,当然,病気の内容にもよる。

本書の刊行から6年以上たった現在,がんをとりまく環境はずいぶん変わったと思う。

今,がんになって,何かの参考にという内容ではなく,かつての状態を知るための本であろう。
人間の温かさを知ることはできる。
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