----- こんな本に出会いました -----

<書名など>
 「トロイア戦争とシュリ−マン」
    ニック・マッカーティ著,原書房
    2007年9月第1刷発行,242ページ,2,600円+税   長野市立図書館で借りた


         本との出会いを記しただけ。感想文になっていない読書メモ


学生時代に読んだ,岩波文庫「シュリーマン自伝,古代への情熱」は名高い書物であったが,私にはうさんくさかった。
あれこれ知るうちに,トロイアの遺跡を見つけるまでの努力のすごさとともに,そのむちゃくちゃな発掘ぶりもすごいことが分かってきた。
そんな予備知識で読んだ。
 
 やはりそうである。
 シュリーマンは考古学的な発掘を目的にしたのではなく,トロイアの遺跡を見つけて,名声を得たかった。
 彼の最大の業績は,もちろん,トロイアの遺跡を見つけたこと。
 そして,でたらめの発掘と破壊であった。

 トロイア戦争,イーリアス,ギリシャ神話,を併記しながら進む話は,はらはらする思いであった。
 ギリシャの神々は,何故か,あっちに応援し,こっちに応援し,これもうさんくさい。
 神の数のあまりの多さに,けっこう勝手なことをしている。でも,強い神には手が出せないでいる。まるで,人間世界だ
 それに,パリスとヘレナにも困ったもんだ。

 とは言え,本書の最後の一文に納得。
「男はトロイアを夢見た。・・・たとえその主張の大半が間違いだとしても・・・
 トロイア遺跡の発見者,それはハインリッヒ・シュリーマンである。」

 ハインリッヒ・シュリーマン,実に愛すべき男に見えてきた。
 
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