◇ 黒檀系棹材
材種で紹介したさまざまな木材ですが、
僕が全て在庫している訳ではございません。
また、以下に現在の在庫状況も含めて紹介しますが、
すでに入手困難なものがほとんどです。
左から、
本黒檀、ハマシタン、青黒檀、縞黒檀、カマゴン、真黒、カミゲン、
です。
共通する事は、棹材に適した材ですから、
ある程度硬いとか、磨けば光るとか、そんなような材ばかりです。
それぞれ順に解説しますね。
書いている内容はどこかの図鑑の丸写しではなくて、
実際に僕が加工するなり匂いをかぐなりして感じた事ですので、
より正確な情報になっているはずです。
◇ 本黒檀
白太はオレンジ系、心材は赤黒系。
真っ黒からやや細かい縞杢。
東南アジア産。
今現在大きな材は流通していない為、新たな入手困難。
これぞ黒檀という文句無しの材。
縞黒檀と比較すると、導管も小さく、繊維の詰まり具合も密。
荒割棹材とフリッチ材(粗角材)の在庫ございます。
◇ ハマシタン
紫檀系だそうです。
黒檀ではありませんので、ちょっと別物ですが、
一緒に写真を撮ってしまったので書いておきます。
オレンジの心材で、導管はやや粗く、
ちょっとした塗りでは平滑に埋まらない。
本紫檀より、ガリッとした感じの硬さ。
沖縄産。
サンプルを頂いただけで、在庫はまったくございません。
◇ 青黒檀
白太は白系、心材は青黒系。
濃緑色〜ほぼ真っ黒。
東南アジア産。
今現在流通していない為、新たな入手困難。
20年以上前に伐採禁止。
お箸材などで最上級品とされる。
黒檀中もっとも重たい材。
荒割棹材の在庫数本ございます。
◇ 縞黒檀
白太はオレンジ系、心材は赤黒〜茶系。
赤黒の縞杢。まれに濃緑色の縞が混じる。
東南アジア産。
今現在大きな材は輸入制限の為、新たな入手やや困難。
本黒檀より導管も大きく、繊維の詰まり具合も粗い。
市場にも多く出回っている新たに製材された材と、
昔に輸入され製材された材があり、
最近のものは良材が少なく、縞杢が粗く黒味が少ない。
ほとんど縞杢が無く、茶色の方が多い場合もある。
また、床柱に使われていたものはよく乾燥しており、
良材がたくさんあった時代に、さらに良い縞杢を選木していた事から、
縞黒の中でも棹材に最良とされる。
丸や角の床柱材とその荒割材、新材も含め、
荒割棹材の在庫ございます。
◇ カマゴン
白太はオレンジ系、心材は茶系。
赤黒の縞杢。濃緑色の縞も混じる。
東南アジア産。
この名前ではあまり流通していないようだ。
縞黒の中に混じっている事があり、あまり正確に分別されていない。
材種として大きな差というよりも個体差の方が大きい。
フィリピン産のカマゴンはこれとは全く異なるほど
黒く詰まっているが、縞杢はある。
また、フィリピンでは現在伐採禁止されているとの事。
本黒檀より導管も大きく、繊維の詰まり具合も粗い材が多いが、
最良材は本黒檀との見分けが難しい。
棹材在庫ございません。
◇ 真黒
白太は白系、心材は灰黒系。
真っ黒からやや細かい縞杢で、灰色が特徴。
アフリカ産。
産地国名などで分別されているが、詳細は不明確。
何とかエボニーと呼ばれ、俗称で真黒(まぐろ)と呼ばれるが、
意外と真っ黒ではない場合が多い。
今現在大きな材はあまり流通していない為、新たな入手やや困難。
ぼやけた杢がカミゲンに似ているが、少々油脂分が多い為か、
カミゲンほど乾いた感じがしないが、これも産地差や個体差が大きい。
光に当たるとこの杢がキラキラ反射する材がある。
縞黒檀と比較すると、導管はほぼ見えず、繊維の詰まり具合も密。
少々小さいサイズの角材であった為、
天の端などが継ぎ足しとなっている状態の
棹材の在庫ございます。
◇ カミゲン
白太は白系、心材は灰〜赤黒系。
ほぼ真っ黒。縞黒などとは違う、ぼやけた縞杢がある。
東南アジア産。
今現在流通していない為、新たな入手困難。
すでに伐採禁止。
かなり小さいサイズの丸太材であった為、
樹木の中心が入っている状態の
荒割棹材の在庫数本ございます。
◇ 濃緑色の縞
カマゴンなどに混じる濃緑色の縞というのが
ちょっと解りにくいと思いますので、この画像をご覧下さい。
右端に、オレンジ縞と、ちょっと薄いですが濃緑色の縞があり、
間には黒くて細い縞が走っています。
これは二胡の底の部分で、材の名称は「烏木(うぼく)」と呼ばれています。
こちらも詳細は解らないのですが、二胡ではかなり多く使われているようです。
中国南部とネパールの間あたりの森にあるとの事ですが、
アフリカ黒檀にも似ているなぁ、マメ科かなぁ。。
と、世界にはまだまだ色んな材種があるという事でご容赦下さい。
よじ登る。。
とりあえず戻ってみる。